食材って新鮮であれば新鮮であるほど美味しいのかと思いがちですが、よくよく考えてみれば実はそうではなくて、収穫してすぐではなく、熟成するからこそ美味しい食材ってけっこうたくさんありますよね。
ワインとか♥
お野菜だとカボチャやサツマイモも収穫してすぐより、ちょっと置いておいた方が美味しくなります。
牛肉もそう!
お肉(たんぱく質)は酵素によってアミノ酸に分解された時点で初めて、うまみをもち、香りもよくなる。
アメリカン・ビーフは、船で日本まで運ばれてくる2週間の期間を使って低温熟成され、日本に着くころにはちょうどいい具合に熟成されたエイジングビーフになっているのだそうです(←これがウェットエイジングビーフ)!
今回のアメリカへの旅行中は、ドライエイジングビーフとして売られているアメリカン・ビーフもたくさん見学させて頂きました。
ウェットエイジングビーフは真空パックされたお肉を温度管理された冷蔵庫内でじっくり低温熟成させるお肉なのですが、ドライエイジングビーフは骨付きの大きなパーツごと、湿度と温度を管理された冷蔵庫内で表面を乾燥させて熟成させるので、余分な水分が飛び、その分、旨味と香りが内側にぎゅっと凝縮されたお肉になります。
ドライエイジング中のビーフの塊は見た目、カッチカチでかなり黒ずんでいる感じ(カビです)・・・この表面を切り落とす(トリミング)と、中から生ハムみたいな見た目のビーフが現れます。
つまり無駄な部分が出るし・・・かなり手間暇もかかっているよね(だからお高い!)。
さてさて。
今回のアメリカへの視察では、ほぼ毎日びっくりするほど美味しいビーフを味わわせて頂いていたのですが、その中でも特に印象的だったお店はマイケルジョーダンさんがオーナーをされているアメリカで大人気の高級レストランでした。
メニューを見ると、熟成度合いが全部書かれていて、肉に対する本気度を感じます。
通常のドライエイジングビーフの熟成期間は14日間から28日間ですが、こちらではなんと最長でその倍くらいの45日間のドライエイジングをしているお肉も。
このレストランの肉の仕入れ先は、前日に見学に行かせて頂いたリンツ牧場なのですよ。
一番の人気だというドライエイジングビーフのステーキ(1ポンド=およそ453g)をシェフに焼いていただいたのですが、これが本当にすごいお肉で!
45日間の熟成で、お肉は香ばしいナッツのような、ブルーチーズのような濃厚な香りになり、噛みしめるごとに口の中にうまみが脳天まで突き抜けるような、今まで味わったことのない最上級のビーフステーキでした!!!!!!
一言で表現するならば・・・
【めちゃくちゃ高級なフレンチレストランでいただく重厚な赤ワインみたいなビーフ】
(わかりにくいわw)
香りがもう、ワインとかチーズの域だと思う。オトナ!って感じのお肉です。
というわけで。
日本の一般的なスーパーではドライエイジングビーフはなかなか手に入らないのですが、日本へ渡ってくる間の2週間でしっかりウェットエイジングしたアメリカン・ビーフのかたまりのお肉(もちろん、こちらは普通のスーパーで売ってます)を使って、うまみたっぷりのスパイスカレーを作りました。
アメリカン・ビーフごろごろのスパイスカレー
材料(3~4人分)
- アメリカン・ビーフ(牛肉)肩ロース(かたまり) 500g
- 塩、ブラックペッパー 少々
- 玉ねぎ 1個
- セロリ 1本
- ニンニク 1片
- 生姜 2片
- オリーブオイル 大さじ2
- クミン 小さじ1
- カレー粉 大さじ2
- 梅干し 大1個
- 水 2カップ
- 塩 小さじ1/2~
- ごはん 適量
作り方
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1.アメリカン・ビーフは3センチ角くらいに切り、塩、ブラックペッパーを振る。
玉ねぎとセロリは薄切りにする。セロリの葉っぱはみじん切りにする。ニンニクと生姜はすりおろす(またはチューブでも)。 -
2.鍋にオリーブオイルをひき、強火で(1)の肉の表面を焼き付けて取り出す。空いた鍋にオリーブオイルを足し、玉ねぎとクミン、ニンニク、生姜を入れて中火で炒める。しんなりしてきたらカレー粉を加えてひと混ぜし、梅干しを加えて木べらでつぶしながら混ぜる。
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3.肉を戻し入れ、水を注ぐ。ふたをして弱火で30分煮込む。塩で味を調え、ご飯と一緒に盛り付ける。仕上げにセロリの葉っぱをトッピングする。
また、こってりした後味をさっぱりとさせてくれる効果も!とても食べやすくなりますよ。ぜひ試していただきたいカレーの隠し味です。