肉のある食卓でおいしく楽しく
老年精神医学の第一人者である和田秀樹先生より、日々を健やかで元気に生きる秘訣を、人気料理家の浜内千波先生より、食事からのアプローチを教えていただく連載の第3回のテーマは「おいしく」「楽しく」「幸せに」です。年齢を重ねても、笑顔で若々しく毎日を送るためのコツを、食習慣を中心に教えていただきました。
昼間の食事こそ肉の摂取には理想的
毎日を元気に過ごす原動力は、何といってもバランスの取れた食事です。特におすすめなのは肉で、食べ物からの栄養吸収が低下する50代からは、夕食だけでなく、朝食と昼食でもたんぱく質をしっかり取るようにしましょう。一日3度の食事に取り入れることで、50代に特に必要なたんぱく質や必須アミノ酸などを無理なく効果的に摂取できます。昼間は肝臓の働きがよく、食べた物が分解されて栄養になりやすいので、朝食と昼食にも肉を食べることをお勧めします。
また、食事はおいしく楽しく食べることも大切です。その点、肉には「幸せホルモン」といわれるセロトニンの原料となるアミノ酸のトリプトファンが豊富に含まれているのです。「肉を食べると幸せな気分になる」と言われるのはそのためとも考えられています。もちろん、アメリカンビーフやアメリカンポークのようなジューシーでおいしい肉なら、なおさら幸せな気持ちになれますね。
元気で楽しい毎日は肉を取り入れた食習慣で
肉食のいいところは、きちんとかむこと。滑舌や顔のリフトアップに関係する、口の回りの筋肉のトレーニングが期待できます。よくかむことは、脳を活性化させることも期待できますから、肉は毎日の食事に取り入れたい食材といえるでしょう。
50代、60代と年齢を重ねるにつれ、心身の衰えを感じるのは仕方のないこと。しかし、どうすれば元気をキープできるかを考え、できることを実践するかしないかでは結果はおのずと違ってきます。なかでも、毎食少しでも肉を取る習慣を続けることは、身体に必要な栄養が、無理なくしっかり摂取できるので非常に大切です。
心身の健康のために、私は食べ物によるアプローチが非常に有効と考えています。肉はその代表的な食材であり、おいしく楽しく食べて、今もこれからも幸せな毎日を送っていただきたいと思います。
アメリカンビーフ&ポークはアレンジ万能でおいしい!
世界中で食品ロスの問題は非常に深刻です。まずは食材を無駄にしないことが大切。料理をたくさん作ってしまったときはアレンジで変身させるのもいいですね。チルドで輸入されているアメリカンミートなら、冷凍保存にしてもおいしく、無駄なく楽しめます。重ね蒸しは、野菜に含まれる食物繊維が腸内環境も整えてくれ、ビーフとの相性も抜群。豚汁も味噌などの発酵食品が腸内環境のバランスをとってくれます。ゴロゴロポークをいれた王道の豚汁、ぜひ挑戦してみてくださいね。
American Beef
アメリカンビーフ
抗酸化たっぷり重ね蒸し
薄切りにした野菜とアメリカンビーフを重ねて蒸すだけかんたんほっときレシピ
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材料(2人分)
- アメリカンビーフ(牛肉)薄切り 250g
- じゃがいも(皮ごとピーラーで削っておく) 2個(200g)
- 人参( 皮ごとピーラーで削っておく) 2/3本(100g)
- 玉ねぎ(スライス) 1/2個(100g)
- サラダ油 少々
- 塩 小さじ1弱
- 粒マスタード 適量
作り方
- アメリカンビーフは食べやすい大きさに切る。鍋にサラダ油少々をしき、肉の1/3量を広げ、分量内少々の塩をふり、その上に野菜の1/2量を重ね、同じく塩をふる
- 同じことを繰りかえし、最後に残りの肉を上に広げてのせ、残りの塩を全てふる
- 蓋をし中火弱で20分ほど加熱する。ざっくりと混ぜて器に盛り、粒マスタードを添える
American Pork
アメリカンポークの王道豚汁
体の中からほっと温まるアメリカンポークのうま味だけで作った正統派豚汁
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材料(2人分)
- アメリカンポーク(豚肉)かたまり300g
- こんにゃく1/2枚(100g)
- 大根1/8本(150g)
- 人参2/3本(100g)
- 里芋(皮むき)5~6個(150g)
- ごぼう1/2本(100g)
- 酒大さじ1
- サラダ油大さじ1
- 水900㏄
- 味噌大さじ7
- 長ねぎ1本(100g)
- みりん大さじ1
作り方
- アメリカンポークは大きめの一口大に切る。熱湯(分量外)を沸かしたところで火を止め、肉を入れ、色が変わったら取り出す。こんにゃく、野菜は大きめの一口大に切る
- 別の鍋にこんにゃくを入れ、角がとれるまでから煎りし、火を止め酒を加え水気を飛ばす。同じ鍋にサラダ油を加え、長ねぎ以外の野菜と肉を入れてざっと炒める
- ひたひたの水(分量内)を入れ、ゆっくりひと煮立ちさせたらあくをとり、半分量の味噌を入れる。野菜に火が通ったら火を止め蓋をして冷ます
- ある程度冷めたら残りの水(分量内)を入れ、ひと煮立ちさせ、残りの味噌、長ねぎ、みりんを加えたのち器に盛る
教えてくれた人
精神科医
和田秀樹先生
アンチエイジングにも詳しく、50代以上に向けたベストセラーも多数。
レシピ開発
料理研究家
浜内千波先生
料理教室「ファミリークッキングスクール」主宰。講演会や多数のメディアで活躍。