運動後はたんぱく質摂取で賢い“筋活”を
筋力の衰えを感じた時こそ“筋活”の始め時。筋力アップにつながる「運動」と「食事」のコツを、スポーツ医学の専門家・久野譜也先生に教えていただきました。
料理研究家・浜内千波先生のポークレシピと合わせて、日々の暮らしに役立ててみませんか。
下半身から衰える筋肉
鍛えるには筋トレを
「サンダルやスリッパを履いた時によくつまづくようになった」「運動後、膝や腰が痛くなることが増えた」「『姿勢が悪い』と言われるようになった」など、多くの人が50代頃から感じ始める小さな体の変化。実は、これらはすべて加齢による筋力の衰えのサインです。
ぜひ「運動」と「食事」の両輪で筋力の維持・向上を目指す、“筋活”を始めてください。
加齢による筋肉量の低下を防ぐには「運動」が欠かせません。
ただし、運動なら何でもよいわけではなく、“筋活”には瞬発性のある動作に使う「速筋」を鍛える運動、筋トレが必要です。いろんな動きがありますが、筋肉は上半身より下半身から落ちていく下半身の筋肉を中心に鍛える動きを優先的に行いましょう。
おすすめは、上半身を立てたまま、膝の屈伸運動を行うスクワットです。「動かす筋肉を意識する(力を入れる)」「ゆっくり行う」の2点に留意すると、より効率的に鍛えられます。少しずつでもいいので、毎日続けるようにしましょう。
運動した日の夕食に
動物性たんぱく質を
筋トレの効果を確実に出すには、「食事」が決め手。筋肉が合成されるのは、運動した後の休息時間。その時点で、筋肉の材料となるたんぱく質が体内に十分ある状態にしておくことが重要です。
運動した日の夕食には、普段よりたんぱく質をしっかり取りましょう。豚肉など、より筋肉の合成に使われやすい動物性たんぱく質を多く含む食材を取るのがおすすめです。
筋肉量を増やすには、筋トレだけに励むよりもこちらの方が効果的。「運動」と「食事」の両輪で行うのが、賢い“筋活”です。(談)
浜内先生のアメリカンポークで
元気が出るレシピ02とんかつ肉で作る
やわらか塩チャーシュー
アメリカンポークのうま味を塩で引き出す
今回は、働き盛りにも意外と不足しがちな動物性たんぱく質を補う献立を考えてみましょう。
とんかつ用の肉を使えば、チャーシューだって簡単に作れます。
アメリカンポークのおいしさを際立たせるには、調味料をできるだけシンプルにすることがコツ。
残った肉汁には、うま味成分がたっぷりですから、ソース代わりに残さず召し上がってください。
レシピをみる
材料(2〜3人分)
- アメリカンポーク(豚肉)ロース(とんかつ用)2枚(約300g)
- 塩小さじ1/2強
- こしょう少々
- 料理酒大さじ2
- 五香粉少々
- サラダ油小さじ1
- 白髪ねぎ少々
作り方
- アメリカンポークに塩、こしょう、料理酒、五香粉をよくもみ込み、10~15分ほどおく。
- フライパンにサラダ油を入れ、(1)を並べて、両面を焼く。(※弱火でゆっくり焼くのがコツ。しっとりやわらかく仕上がります)。
- 表面に弾力が出て中まで火が通ったら取り出し、残った肉汁を少し煮詰める。
- 肉のあら熱が取れたら、斜め薄切りにして器に盛る。煮詰めた肉汁をかけ、白髪ねぎを添える。
教えてくれた人
筑波大学大学院教授
久野譜也先生
くの・しんや/1962年生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科教授。医学博士。
スポーツ医学の中でも、特に中高年の筋力運動やサルコペニア肥満、健康政策などを研究。2011年より現職。
レシピ開発
料理研究家
浜内千波先生