50代から習慣に! “筋活”に必要な運動&食事
健康や活力を左右する筋力に注目が集まっています。
「運動」と「食事」で筋力アップを目指す“ 筋活”を推進しているスポーツ医学の専門家・久野譜也先生おすすめの食材が、豚肉です。その理由を料理研究家・浜内千波先生の直伝レシピとともにご紹介します。
“筋活”の習慣化で筋肉量を維持・向上
立ったり、歩いたり、日常のあらゆる動作に欠かせない筋肉。その他にも、骨や関節を守ったり、基礎代謝を上げたりと、筋肉は私たちが健康で活力のある生活を送るために必要な、さまざまな働きをしています。残念ながら、筋肉は年齢と共に減少していきます。そのスピードは、40歳以降では1年に約1%。平均寿命が延びている今、50代であれば多くの方の残りの人生は40年以上。何も手を打たなければ、筋肉量は40%も減少することになります。
そもそも筋肉は、筋繊維という細い繊維が集まってつくられています。筋肉量や筋力は、この筋繊維の数と強さで決まります。筋肉量と筋力は比例関係なので、筋肉量が落ちれば筋力も落ちてしまいます。筋力が落ちると転びやすくなったり、歩行が困難になったり、健康寿命を阻む大きな原因に。
将来、寝たきりの生活や要介護になる可能性を減らし、生きがいのある人生を全うするには、加齢による筋肉量の低下をいかに抑えるかにかかっています。それが、少しでも早いうちから筋肉を鍛え、筋肉量や筋力の維持・向上を目指す“筋活”を習慣化した方がいい理由です。
動物性たんぱく質は筋肉をつくる材料に
筋肉は使うことで強く、太くなっていきます。“筋活”にまず必要なのは「運動」です。筋肉に直接負荷をかける筋トレは、筋力アップには欠かせません。
もう一つ重要なのが、バランスのいい「食事」です。特に肉に含まれる動物性たんぱく質は、効率的に筋肉をつくる材料なので積極的に摂取を。それには豚肉がおすすめです。必須アミノ酸やビタミンB群などの栄養素が豊富なので、筋力アップに加え、健康のためにもぜひ毎回の食事に取り入れてください。(談)
たんぱく質 (g) | |
---|---|
アメリカンポークロース | 20.7 |
鶏肉(成鶏肉)もも | 17.3 |
和牛肩ロース | 13.8 |
浜内先生のアメリカンポークで
元気が出るレシピ01ボリュームたっぷりポークの
リヨン風サラダ
アメリカンポーク+野菜でバランスよく!
かたまり肉を使ったシンプルな蒸し豚は、アメリカンポークのうま味や甘味が堪能できます。
冷蔵庫なら1週間保存も可能なので、多めに作って、パンに挟んでサンドイッチにしたり、刻んでチャーハンにしたり、忙しい時のたんぱく質補給に便利です。今回はグリーンリーフなどの葉野菜と合わせて、メインディッシュにもなるサラダにしました。
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材料(作りやすい量)
- アメリカンポーク(豚肉)かたまり
※レシピでは肩ロースを使用500〜600g - 塩少々
- こしょう少々
- お好きなハーブ(ブーケガルニ、ローリエ、ローズマリーなど)適量
- 水100㏄
- 葉野菜適量
- 粒マスタード小さじ1
- 塩小さじ1/3
- 酢大さじ2
- こしょう少々
- オリーブオイル大さじ2
※ドレッシングは、塩~酢を混ぜ、オリーブオイルを少しずつ加えながら混ぜる
作り方
- アメリカンポークはこぶし大に切り、塩をして30分ほどおく。
- 鍋に(1)を並べ、こしょう、ハーブ、水を回し入れ、ふたをして中火にかける。
- ひと煮立ちし、肉の周りの色が変わり始めたら、一度返してから、弱火にして25分ほど煮る。
- 肉に火が通ったら一度取り出し、煮汁を煮詰める。
- とろみがついてきたら肉を戻し、こんがりと焼き目がついたら、取り出して冷ます(※一晩置くとよりおいしくなります)。
- 食べやすい大きさに切り、葉野菜とともに盛り付け、ドレッシングをかけていただく。
教えてくれた人
筑波大学大学院教授
久野譜也先生
くの・しんや/1962年生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科教授。医学博士。
スポーツ医学の中でも、特に中高年の筋力運動やサルコペニア肥満、健康政策などを研究。2011年より現職。
レシピ開発
料理研究家
浜内千波先生