アメリカン・ミートの安全性管理の基本情報家畜の疾病管理対策
家畜衛生に関する安全保障分野は、動植物検疫局(APHIS)が管轄し、家畜疾病を防御するためのトレーサビィリティ制度の実施や、動物の疾患と健康リスクの監視、潜在的な危険性の研究、また、国外から輸入される生きた動物の検疫を行っています。
アメリカの家畜(家きん含む)を外来の家畜伝染病から守ることを目的に、家畜の定期的な疾病サーベイランス(発生動向調査)と、世界中で発生する動物疾病の監視を行っています。さらに、空港・港湾施設で連邦政府機関と協力して、入荷する動物および動物製品の検査や、食品医薬品局(FDA)と共同での承認業務も行っています。
APHISは2001年から、家畜の疾病を早期に発見できるよう、連邦政府、州、産業界、大学および研究機関の連携ネットワークである「アニマル ヘルス サーベイランスシステム(NAHSS)」を構築し、BSE(ウシ海綿状脳症)などを継続的に監視しています。
また、牛の健康監視(Cattle Health Program)ならびに豚の疾病管理情報(Swine Disease Information)などを通して、家畜の疾病の予防、排除、監視および管理の促進を図っています。
APHISの米国動物用医薬品備蓄センター(NVS)は、緊急時に備えて、物資、ワクチン、器材、その他の動物用医薬品類を保管し、州および地方の政府機関が動物疾病の大発生に対処するための人的・物的資源を24時間以内に配備する体制を整えています。
アメリカでは1929年以来、口蹄疫の発生報告はありません。また、近年、アジアやヨーロッパで発生が広がっているアフリカ豚コレラ(ASF)も侵入を防御しています。カナダ、メキシコ両国の政府・研究所などと常時情報交換を実施し、さらに模擬訓練や検査所のスタッフ獣医の訓練なども共同で実施しています。