アメリカン・ミートの安全性管理の基本情報アメリカの食品安全管理システム

アメリカの食品の安全管理対策は、「リスク分析」の考え方を重要視し、産学官が連携した総合的な管理システムを構築しています。リスク分析とは、人の健康を損なうハザード(危害要因)を、食品として摂取してしまう可能性がある場合に、その発生防止対策として①リスクを科学的に分析する「リスク評価」②リスクに対して実際の検査などを行う「リスク管理」③リスクに関する情報開示・意見交換を行う「リスクコミュニケーション」の3つの要素に分けて活動を構成することです。

「リスク評価」と「リスク管理」は別の機関で行うことが重要です。主に研究機関がその食品が摂取されることにより、どの程度の確率で、どのような健康への影響が起きうるかを科学的に評価します。この科学的なリスク評価に基づき、規制の適用と施行を促し、政府機関や業界が検査やモニタリングを行うことでリスクを管理します。これによって、健康被害が起こる可能性の高い問題から順に、的確な防止対策を講じることができます。問題のある製品のリコール情報などは規制当局や米国疫病管理予防センター(DCC）が公表し、消費社会全体に共有されます。