教えて!井上かなえサン みんなが知りたい肉料理のコツ - 人気料理家井上かなえさんが、ブログ読者の皆様から寄せられた肉料理のギモンを解決!!美味しいレシピも一緒に毎月お届けします。

06 試す価値あり!ポークを格段に美味しくする焼き方

エンミナさん
(50代)

ポークソテー等を焼くときに、焼きすぎて硬くなってしまうことがあるんです。
焼き加減を見極めるコツを教えていただきたいです。

こんにちは!ご質問をありがとうございます!

さてさて早速なのですが、、、、豚肉の焼き加減について!
こちらはエンミナさんをはじめ、とーーってもたくさんの方に同様のご質問を頂きました!

「豚肉のソテーなどで、自分で仕上げた場合のピンク色が、正解の状態なのかがいつもわからず家族がとても怖がります」という方や、「豚肉を加熱した時に、ピンク色の状態が美味しい完璧なピンクなのか、生焼けピンクなのか区別する方法が知りたい!」という方、「豚肉はきちんと火を通さないといけない、という意識が強く、とんかつや厚切りのソテー等、ついつい固くなってしまいます」、という方もいらっしゃいました!

わたしのアメリカン・ポークレシピで、「ピンク色が完璧な火の通し具合です!」っていうのがあります。

実は、わたしもずっと「豚肉はしっかり火を通さないとダメ!」って思っていたのですが、ありがたいことに一流のお店のシェフに直接話を伺う機会があったり、お肉のプロであるアメリカン・ミートの方にぶっちゃけどうなの?と本当に美味しいお肉の焼き加減について聞いたり、そして何より美味しいポーク料理を外食でいただいて以来、「家でもあの火加減で食べたい!」と思うようになりました。

“プロの間では豚肉の焼き加減はピンク!”これ、常識なんです。

ピンク色の焼き加減ですが、これ、決して生ではないんですね。
生焼けのピンク色と生ではないピンク色、よーくみると違うんです。(*)

でも、わたしもまだ毎回お肉を焼く時にはちょっと緊張するし、絶対に焼き加減を完璧にしよう!とむしろ緊張しながら焼きます。
何かほかに考え事をしながらとか絶対ダメ。
集中しますww

(*)厚生労働省のガイドラインによると、63度で30分、75度で1分加熱すれば安全です。

絶品!アメリカン・ポークのソテー

材料(4人分)

  • アメリカン・ポーク(豚肉)ロース(とんかつ用)4枚
  • 小さじ1
  • 200㏄
  • 薄力粉適量
  • オリーブオイル大さじ1

作り方

  1. バットに水と塩を入れてかき混ぜ、塩水を作る。ここにアメリカン・ポークを入れて漬けこむ。漬け込み時間は常温で40分。もしくは半日くらい冷蔵庫に入れておいてもいいです。その場合は調理し始める1時間前に冷蔵庫から出し、室温におく。手でさわってみて、冷たさがなくなっていることを確認する。
  2. (1)の肉の水気をキッチンペーパーでしっかり押さえる。バットに薄力粉を入れて肉の全面に隙間なくまぶす。
  3. フライパンにオリーブオイルをひいて強火であたためる。温度がしっかり上がったら、肉を並べ、火はやや中火にして2分焼く。
  4. 2分経ったら裏返し、裏面も同じく2分焼く(強めの中火です)。2分経ったら側面の上側、つまり脂身の部分をフライパンに接するように肉を立て、1分ほど加熱する。
  5. バットに取りだし、そのまま5分ほどおく。5分ほどおいて熱が少し落ち着いたら、食べやすく切り分けて皿に盛り付ける。お好みのソースを添えて頂く。写真は青ネギと大根おろし、ポン酢。

焼き方のポイント

  • 肉を常温に戻して焼き始めること、焼いた後は5分ほどおいて中までじんわり火が通っていくのを待つこと。肉は筋切りをせずに焼きますが、塩水に漬けることで肉が反り返らなくなり(なんでかはわからないんですが、そうなんです!わたしの経験上・・・)中までじんわりと塩味が入って、さらにジューシーにしっとりと焼きあがります。
  • 肉の厚みによっても焼き時間が変わりますが、この焼き時間で写真のようなかなり分厚いとんかつ用の肉をソテーしています。これ以上分厚い場合は焼き時間を1分ずつくらい追加してみてください。お箸で肉の表面を押してみて、強い弾力を感じたら中まで火が通っています。そして焼きあがったらいつまでもフライパンの上に置きっぱなしは厳禁です。どんどん火が通って水分が抜け、パサついた仕上がりになってしまいます。
  • もしも!もしもピンク色の部分の真ん中に生っぽさを感じたら、切り口の肉同士をくっつけてもう5分ほどおいてみます。そうするとじんわりとさらに熱が通っていい感じの焼き加減になります。温度が完全に下がってしまったお肉がまさかの生だった、という場合は、ラップをぴったりと密着させ、電子レンジで20秒ほど温めてみてください。すこーしずつ様子を見ながら、手で触ってみてあったかい~って思うくらいの温め加減がベストです。アツアツにしちゃダメです。