中級編

初級編からステップアップ!
お肉に衣をつけてフライパンで調理するレシピにチャレンジ!

LESSON09

厚みのあるお肉を焼くポイントを伝授!

トンカツ用に売られている厚みのあるポークは、トンカツ以外のお料理だとポークステーキがすぐに思い浮かびます。
カリッと表面が焼きあがっていて中はしっとり、肉の厚みがあるので食べ応えもあるし、豚肉本来の甘みとうまみが存分に味わえて、とっても美味しいお料理ですよね。

しかし初心者のうちは厚みのあるお肉を焼くときって慣れなくて、中までちゃんと火が通ったかな?外は焦げてきたけど、中はまだ生焼けだったらどうしよう!と、ついつい焼き過ぎてしまい、せっかくのお肉が焼き過ぎてしまった結果パサパサ残念なことに、なんて失敗をよくお聞きします。

牛肉ならば多少中が赤くても表面さえしっかり焼いてあれば美味しくそして安全に食べられますが、豚肉は生で食べることができません。しっかり中心部まで加熱してあることがお約束。食中毒の原因となる細菌を死滅させるには、中心部の温度を63℃で30分間以上加熱するか、75℃で1分間以上加熱することが推奨されています。

お料理の経験がまだ少ない最初のうちは、お肉自体に粉をまぶしてから焼いていく方が、粉がお肉をコーティングしてくれることによって肉汁が逃げにくくなりますから、少々しっかり焼いたとしても肉汁は保たれ、初心者でも美味しく作ることができます。
もちろん、粉をまぶさずにそのまま直接肉を焼いていくこともできますが、それは厚みのあるお肉を焼く感覚を充分に練習して慣れてからの方がよいと思います。

今回使うお肉はアメリカンポークのロース、厚切り肉。
厚さはおよそ1センチのものを使用しています。

このくらいの厚みだと、中火でこんがり焦げ目がつくくらいに焼けたら裏返す、裏返して同じようにこんがり色が付くまで焼く、という一連の動作で問題なく火が通ります(これ以上厚みがあるものの場合は、焼き時間を少しだけ長めに)。
ロースには2種類あって、肉の上側の方にだけ白い脂肪の部分が付いているお肉と、肉全体に脂肪の層が入っているお肉とありますが、上にのみ脂身が付いているのがロース(背ロース)、全体に脂肪が入っているものが肩ロースになります。
脂肪分が少なくあっさりさっぱりしているのがロース(背ロース)、旨味とコク、食べ応え、柔らかさがあるのが肩ロースです。どちらでもお好みのロースで構いません。

いずれのお肉も、厚みのあるお肉を扱うときには、赤い肉の部分と脂肪の白い部分との境目に包丁で切り込みを入れます。こうすることで肉を焼いたときに肉の反り返りを防ぎ(反り返ってしまうとフライパンの面に接しないので火が通りにくい)、肉の端から端まできれいに焼き色を付けながら焼くことができます。
今回のお料理はお肉に香ばしくてうまみのある鰹節と粉をつけてフライパンで焼き上げた後、かつおぶしによく合うお醤油をさっと絡めて、ご飯にぴったりのお肉おかず。
我が家の子どもたちが小さい頃から気に入ってよく食べてくれた、思い出のお料理でもあります。

おかかステーキ

材料(2人前)

  • アメリカンポーク(豚肉)ロース(とんかつ用)2枚
  • 塩、胡椒少々
  • かつおぶし小1パック(2gくらい)
  • 薄力粉大さじ1
  • 少々
  • 醤油小さじ2
  • 青ネギの小口切りお好みで

作り方

ちょこっとアドバイス

  • 筋切りの方法ですが、包丁の顎の部分(刃線の一番根元にある直角部分を)を使って、包丁自体の重みを使って、脂肪と赤身の境目を軽くトントンと叩くようにします。この時に赤身の部分にもついでに軽くトントンしてお肉に味が染み込みやすくしておきます。
  • 塩、胡椒をし、そのあと先にかつおぶしをまぶしてから、その上から薄力粉をまぶすようにしてください。順番を間違って先に薄力粉を振ってしまうと、かつおぶしより粒子の細かい薄力粉が全体にまぶされてしまい、かつおぶしが肉にくっつきません。
  • お肉は冷凍のまま直接フライパンにのせて加熱すると、通常よりもドリップがたくさん出てしまって臭みが出たり、そのせいで肉汁を閉じ込めることが出来ず仕上がりはパサパサになったりしやすく、加熱自体にも時間が掛かってしまいます。冷凍してあるお肉を使うときは必ず前の日のうちに冷凍庫から冷蔵庫に移して自然解凍させておくか、電子レンジの解凍モードで解凍させてから調理し始めるようにしましょう。
  • タレを絡める前には必ず余分な油をふき取っておくこと。ひと手間ですが、こうすることでお肉にタレがとてもよくなじみます。
  • たれを絡めた後、いつまでもフライパンの中に肉を入れたままにしていると、フライパンの熱でどんどん肉に火が入って固くなっていってしまいます。焼き上げたらすぐにお皿に移動させるなどしてから冷まし、加熱し過ぎには注意しましょう。
  • どんぶりにご飯を盛り付けて、大葉と一緒に切り分けたお肉を盛り付けて、どんぶり仕立てにしても美味しいです。お弁当に入れるときもご飯の上に乗せて並べると良いです。

キャベツの胡麻ナムル

キャベツは一口サイズくらいに手でちぎって耐熱コンテナに入れ、ふんわりとラップしてレンジで柔らかくなるまで加熱する。余分な水分を捨て、塩とごま油、すりごまで和える。

〜母から1人暮らしを始めた娘への手紙〜

すぅさんへ

先月は一人暮らしをし始めてから、初めての長い帰省になりましたね。久しぶりに一緒に生活していると、今は離れて暮らしていることが嘘だったかのように昔に戻ったかのような不思議な1週間でした。

帰ってきてもカバンはその辺に放り投げたまま、要るのか要らんのかわからない謎の小物が何故か部屋中に散らばっていてちっとも片付かない、連絡も無しに夜遅くまで帰ってこない、毎日大量に洗濯物を出す、朝は目覚ましアラームが鳴りっぱなしのまま全然起きてこない。
いい加減に起きなさいよ!アラーム止めて!うるさいよ!って部屋に見に行ったけど、今や東京でちゃんと社会人として働いているのが嘘だったかのような、子どもの頃のまんまの寝姿のキミと、しばらくブランクがあっても「いい加減に起きなさいよ!」が言えてしまう自分に、ちょっと懐かしさでいっぱいになってしまったよ。

1週間のうち1日だけはリモートで仕事をしている姿を初めて拝見させていただいたけど、今やすっかり立派な社会人みたいに会議で喋っている姿を見て、ちょっと母さんは感動したね。いつからそんな大人みたいな言葉づかいが出来るようになったん?
夏の帰省は連日友だちと会う約束だらけでほぼ昼も夜も家に居ることは無かったけど、久しぶりの4人分の朝ごはん作りは大変だったけどとっても楽しかった。
休み明けの仕事はきっと大変だろうけど、切り替えて頑張ってね。
次に会えた時、また少し大人になったキミが見られることを楽しみにしています。

2025年 9月 母より