熟成・赤身肉の美味しさをひも解いてくれるレストラン
アメリカン・ビーフの赤身肉の美味しさに触れると
まず、焼き方やサービスの仕方に注目することと思います。
そして次なるステップは
焼く前の状態。肉質を見極め、どのような保存をし、
経過観察をするか。
シェフが考えるその目線に興味が出てくると思います。
今回ご紹介する「カルネヤ・サノマンズ」はまさに
その研究を続けてきている方々がオープンさせたレストランです。
オーナーシェフであられる高山いさ己さんは
浅草で50年続く焼肉店のご子息。
神楽坂にも「カルネヤ」をオープンされています。
高山さんが牛肉の究を重ね、巡り合ったお肉屋さんは大正3年(1914年)
富士宮に創業しているさの萬。
さの萬さんはニューヨークで出会ったドライエイジング・ビーフに感銘し、
いまや日本におけるドライエイジング・ビーフのパイオニアです。
熟成のテクニック、そしてそれにふさわしい肉質。
両社はつねに細かくデータを取り、見極める力を培っています。
特にアメリカン・ビーフの個性には注目されているそう。
クセのない赤身肉と軽やかな脂身が他にはない味わいである、とのこと。
そして優しくマイルドな印象、とも。
そのアメリカン・ビーフの赤身肉。
赤身といっても部位がさまざまあります。
熟成含め、扱い方には大きな違いがあるのか
これはアカミニストとしては気になるポイントです。
高山さんいわく
「部位による肉質や味わいの違いはもちろんあります。それはアメリカン・ビーフに限ったことではありません。繊維の大きさや脂の付き方など部位により様々な特徴があり、それが味わいの変化にもつながるのです」。
だからなのですね、
カルネヤ・サノマンズでいただくアメリカン・ビーフの赤身肉は
味わいの違いがリアルに感じられます。
ご紹介するメニュー「アメリカン・ビーフの揚げハラミ」は
「ハラミの部位は繊維の大きさが特徴的で、それを活かせるよう、焼くのではなくフリットにしカットも縦にしている」のだそう。
アメリカン・ビーフといえばステーキ、とイメージが描かれるなかで、
フリット、そして縦カットという調理方法は、また違う側面を感じられる
味わいになるのではないでしょうか。
そう、お肉をカットする方向でも味わいの引き出しが変わってくるのです。
そして焼き方にも。
最初に感じられる美味しさは大事なインパクト。
ふんわりと仕上がるよう、ゆっくり休ませるように焼き上げていくのが高山スタイル。
付け合わせには肉の味わいを引き立て、そして邪魔をすることのない、
シンプルなマッシュポテトやキノコのソテーなどをご用意しています。
アメリカン・ビーフの赤身肉に
新たな味わいを見出したいアカミニストの皆さま。
この高山テクニックはメウロコなテンションになることでしょう。
じっくり美味しさをかみしめてください。