vol.54 特集 THE JOURNEY TO AMERICAN BEEF

Y-6 RANCH [ワイシックスランチ / メリデン] 住所:5380 Country Road 238 Meriden,WY 82081

飼料の良し悪しと適切な配合が肉質を決める

ワイオミング州・メリデンのほど近くにある『ワイシックスランチ』は、最終的な肉の味を調整する集中肥育場(フィードロット)を併設する牧場だ。今では機械化も進む牛の飼育だが、ここではワイオミングのシンボルでもあるカウボーイが今でも牛追いをする姿を見ることができる。

彼らは、子どもの頃からこの仕事に就くために育った、言わばエリート。現在この牧場では5名ほどが従事している。

カウボーイの動きはまさにプロフェッショナル。的確に牛を移動させていく様はまるで魔法。
牛を肥育場から牧草地へ移動させる時も、数名のカウボーイたちがあざやかに牛を導いていく。
若干12歳ながら、しっかりとした考えをもって仕事を手伝う孫のサム。

伝統を守りながらもテクノロジーの導入にも積極的なワイシックスランチ。
ほぼすべての飼料の原材料を牧場内の土地で生産し、その配合にもこだわる。肉牛用や母牛用など、牛の種類によっても異なる飼料は、コーンや麦など約6種類をブレンド。それをパソコンで厳密に管理し配合している。加えて、牛専門の栄養士も在籍しているという。

代表のアーブ・ペッシュ氏は「どんな配合で、どんな栄養を飼料に含めるのか、そこが肉質に影響を与える部分なので、きちんと量って管理しています」と牛に与える物の重要性を語る。

最大6000頭もの数を一度に飼育することもある。日本の店頭に並ぶアメリカン・ビーフの中にも、ここで育った牛がいるはずだ。そんなことを考えながら肉を手に取るのも、中々に感慨深い。

ステーキを焼くのはサムの仕事。祖父から教わった門外不出のマリネ液と、焼き手の腕で最高の仕上がりに。
サムの焼き加減は完璧。感覚派かと思いきや、温度計で肉の中心温度を測る理論的な部分も持ち合わせている。
牧場ごはん

サムが焼いたステーキと、おばあちゃんが作ってくれた付け合わせは、溢れんばかりの愛情がこもった合作。

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