vol.54 特集 THE JOURNEY TO AMERICAN BEEF
百年続く広大な牧場で健やかに生きる牛と家族。
今より100年前、牧場を始め、その大きな家屋から〝キャッスル〞と呼ばれた牧場が、現在はマーク・アイスル氏を筆頭にファミリーで運営をする『キングランチ』である。米国内でも有数の広大な牧場のひとつとして、業界内で知られる存在だ。
「この牧場は両親の夢から始まりました。どこにも負けない強い大地を作ること、最高の牛を育てること、そして家族がずっと一緒に暮らせること。この3つが我々ファミリーのフィロソフィーです」。と語るのはマーク氏。奥様はもちろん、成人した三人の子どもたちである、キャンドル、コルトン、ケーシーも仕事と寝食を共にしており、絆は深い。
キングランチは米国農務省の試験場も兼ねている。例えば、同じ環境で種類の違う様々な牧草を牛に与え、体重にどう影響するか統計を取るなどの研究も行う。「いつも他と違うことに挑戦してきました。私たちはそれぞれ畜産や経営、電気機械など得意ジャンルは違えど、常に新しいことを開拓する精神をもって仕事に臨んでいます」とキャンドルは話す。家訓とも言える思いからも、牧場の個性が伺い知れる。
自由さと固い絆、ここにあるのは家族の理想の姿だ。