夏のグリルシーズンが本格化する中、食肉・鶏卵・シーフードの売り場では価格変動以上の変化が見られる。Circana社の最新小売データによると、消費者は価格に見合う「価値(Value)」を引き続き重視しているが、供給動向、販促戦略、購買行動の変化に伴い、その「価値」の定義は、商品の種類ごとに異なっている。
【牛肉】高価格でも食肉部門をけん引
牛肉は、依然として最大の週間総売上高を占めており、先週の販売額は1億9150万ドルを記録した。これは、卵を約58%、鶏肉を約77%上回っている。販促時の平均価格はポンド当たり7.81ドル、通常時は同7.95ドルだった。
生体牛価格の高騰が牛肉の小売価格を押し上げているものの、消費者の牛肉需要は依然として強い。一部の消費者はトップサーロイン、Tボーン、フラットアイアンなど、より手頃な価格のグリル向け部位を選ぶようになっている。牛ひき肉は、日常的なグリル料理の定番として引き続き購入されている。
消費者は牛肉を買い続けながらも、より安価な商品に切り替えることで支出を抑えようとしている。こうした購買行動の変化が、供給の制約が続く中でも需要を下支えしている。
【豚肉】割安感は強いが消費支出は低迷
豚肉は、食肉部門において特に割安感の強い商品の一つであり、販促時の平均価格はポンド当たり3.81ドルと、主要なグリル向け商品の中で最も低い水準にある。週間売上高は3530万ドルで、前週の4470万ドルから減少し、前年同期の5820万ドルも下回った。
潤沢な供給を背景に積極的な価格設定が続いており、ポークチョップ、リブ、ショルダーローストは、低価格を重視する家庭にとって手頃な選択肢となっている。だが、手頃な価格だけでは需要を押し上げるのに不十分であり、支出の増加にはつながっていない。
【鶏肉】価格競争力を維持するも消費者の価値認識は変化
鶏肉の週間売上高は1億820万ドルを記録した。販促価格はポンドあたり平均4.57ドルで、牛肉よりも約42%安い。鶏肉は依然として最も手頃な価格のタンパク質源であり、生産・供給ともに潤沢だが、需要については予測しにくい状況が続いている。季節需要への期待は、消費者の慎重な購買姿勢や小売・外食の客足の弱さによって、大きく影響を受けるからだ。
小売業者は、モモやドラムスティックなどの低価格部位を中心に販促することで、割安感を訴求している。一方、鶏肉の中でも高価格のムネ肉(骨なし・皮なし)の需要は低下している。
【卵】価格変動を経て安定化
通常、卵はグリル料理とは直接関連していないが、タンパク質カテゴリー全体の売上に引き続き大きく寄与しており、直近週の売上高は1億2120万ドルとなった。販促時の平均価格は1ダース当たり4.32ドルで、前年同週の5.52ドルを下回った。近年の急激な価格変動を経て、市場環境の安定化が続いていることを示している。
【シーフード】高価格でもプレミアムな位置づけを維持
シーフードは引き続き、高価格帯に位置している。主要なグリル向け製品の中では販促時の平均小売価格が最も高く、ポンド当たり10.03ドルを記録している。それでも週間売上高は7770万ドルに達しており、グリル料理に高級な材料を取り入れたいという消費者の関心が依然として高いことを示している。 |