印刷する
 

TRADER'S Be & Po

vol.495 Jun.22.2026
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛保合、カットアウト価格は上昇の力欠く
ベリーの大幅安が生体豚・カットアウト価格全体に影響
ポーク関連ニュース 豚肉在庫は大幅な前年割れ、夏場の価格上昇の誘因に
生産動向 フィードロット飼養頭数増加、当面の供給は安定継続
トピック NWS感染5件に、対策上級顧問にジョン・ベリンジャー氏
小規模食肉処理施設への支援強化で6000万ドル―USDA
牛肉遠隔格付けプログラム(RGP)アプリをリリース
セーフティー関連 ワールドカップ観戦の訪米者にASF対策を注意喚起
フードサービス 外食各社が夏の集客狙い新プロモーション展開
ファクト・シート ポーク(2026年4月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
定期購読(無料)の登録はこちら バックナンバーはこちら
   
市況ニュース

生体牛保合、カットアウト価格は上昇の力欠く

 
 

6月第1週の主要5州における生体牛の現物取引価格は、去勢牛が100ポンドあたり平均で256.53ドル、枝肉は同404.66ドル。前週比でそれぞれ0.33ドル安、0.53ドル安だった。第2週の取引は、横ばいから弱保合と予想されていたが、木曜日まで取引がほとんどなく、コーンベルト地帯でわずかな取引が見られる程度だった。

6月第1週の牛枝肉格付けでは、プライムならびにチョイス等級の発生割合が過去最高を更新したが、カットアウト価格は平均393.97ドルで、前週比0.41ドル安。チョイスの平均価格は391.97ドル、同0.60ドル高だった。

6月第2週は、前半4日間で、チョイスの価格が1.74ドル上昇した。しかし、パッカーマージンは依然として赤字状態で、アナリストは、「6月10日時点で1頭あたり242.50ドルの損失を計上したとみられる」という。

牛肉需要の最盛期を迎えているものの、カットアウト価格は上昇力を欠いている。第3週は、父の日の販促キャンペーンが強化されることから、回復を期待する向きもあるが、価格の上昇幅は限定的な動きにとどまるだろう。

5月の消費者物価は、前年同月比で4.2%上昇(年率換算)し、3年ぶりの高い伸び率を記録した。しかし、5月の牛肉の小売価格は前月を下回った。前年同月比では、引き続き大幅に上回っているが、チョイスの平均小売価格は4月から1.1%(ポンド当たり12セント)値下がり。生鮮牛肉全体では1.2%、牛ひき肉は2.2%下落した。

 

※2026年6月12日 CATTLE BUYER’S WEEKLY

 
 

ベリーの大幅安が生体豚・カットアウト価格全体に影響

 
 

5月末のポークカットアウト価格は、100ポンドあたり99.5ドルで前年比7.2%安となった。過去2週間の豚と畜頭数は、週当たり231万6000頭・214万3000頭で、3月の週平均250万頭を大きく下回ったにもかかわらず、カットアウト価格は3月とほぼ同水準での推移となった。この要因はベリーの安値だ。

5月29日時点のカットアウト価格は、前年同日比で7.8ドル安。その下落分のうち7.2ドルはベリーによるものだ。枝肉全体に対して16%の重量構成を占めるベリーの安値が、カットアウト全体の価格に大きな影響を与えている。

ベリー価格の低迷には、複数の要因がある。第一に、この下落はQSR(クイックサービスレストラン)の売上不振を反映している。これは、ベリー同様にQSRの主要仕入れ品である骨なし鶏ムネ肉の動向からも明らかだ。

第二の要因は、昨夏の高値と2月・3月の価格上昇が、第2四半期の小売店の販促に影響を与えていることだ。小売チェーンにおける直近4週間のベーコン販売量は、前年同期比で4%近く減少している。

夏場にはBLT需要が増加することから、ベーコンの販売量の伸びが期待できるとの見方もある。豚のと畜頭数の季節的な減少と、7月から8月上旬にかけての販促の相乗効果が現れれば、ベーコン価格が反発することも考えられる。

 

※2026年6月1日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  ポークカットアウト価格の部位別前年比較(2026年5月29日対2025年5月30日)
  ベリープライマルの価格推移
   
ポーク関連ニュース

豚肉在庫は大幅な前年割れ、夏場の価格上昇の誘因に

 
 

4月末時点の豚肉在庫は、4億3580万ポンド(前年同月比4.5%減)で、過去5年平均比では12%減となった。前月比では8.7%増加し、長期平均を上回ったが、過去4年間の増加率とほぼ同水準だ。

ハム(モモ)の在庫は9930万ポンド(同12%増)で、前月比17%増だった。この時期の在庫積み増しとしては、通常のペースより緩やかだ。加工業者はすでに多くの在庫を蓄積しており、在庫の積み増しを抑制している可能性が高い。

ベリーの在庫は5240万ポンド(同8%減)で、5年平均比15%減。在庫の減少は、市況回復のプラス材料と見ることもできるが、より注視すべきなのは前月比で15%増加したことだ。これは、在庫の積み増しのペースが例年4月の2倍になったことを示しており、弱気材料と見るべきだろう。

豚肉の供給量は、6月~8月に季節的に減少する。輸出が堅調に増加していることを加味すると、夏場に豚肉価格が上昇する可能性が高まっているといえるが、その上昇圧力は3カ月前に予想されていた幅よりは小幅にとどまるだろう。

 

※2026年6月1日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  豚肉の月末在庫量の推移(左)/ポークベリーの月末在庫量の推移(右)
 
生産動向

フィードロット飼養頭数増加、当面の供給は安定継続

 
 

6月1日時点のフィードロット飼養頭数(COF)は1167万7000頭(前年同月比2%増)で、6月としては過去4番目に高い水準となった。過去5年平均も上回っており、肥育牛の基礎的な供給は引き続き高水準を維持している。

5月の導入頭数は同8.8%減少となった。この背景には、4月の前倒し導入や軽量牛の早期移動が指摘されており、導入時期の調整による減少であることから、今後の供給ひっ迫を示すものではない。

一方、5月の出荷頭数は同11%減となった。出荷の鈍化により、フィードロットの在庫の消化も遅れ気味で、結果的に180日以上の長期肥育牛が約54万頭規模(前年比38%増)に達している。フィードロットの現状は、供給余力が前倒しで積み上がる「フロントエンド型」の構造となっており、秋季までの肥育牛の出荷余力は、安定して継続される見通しだ。

 

※2026年6月12日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
トピック

NWS感染5件に、対策上級顧問にジョン・ベリンジャー氏

 
 

USDAは6月8日、新大陸スクリューワーム(NWS)の新たな感染例3件を発表した。新たな感染には、犬とヤギの初感染も含まれており、これでアメリカ国内の感染総数は5件となった。

USDAは会見で、1960年代に根絶が宣言された寄生ハエであるスクリューワームの再感染防止対策の強化と迅速化を約束するとし、連邦政府とテキサス州当局者は、人工知能(AI)を活用した技術を用いてスクリューワームの個体数を監視し、牧場主に対して家畜の感染を識別する訓練を行い、対策の主要な手段である不妊化ハエを生産・放飼する施設数を拡大していることを説明した。

またUSDAは、不妊ハエの生産をより迅速かつ効率的なものにするため、遺伝子組み換えによる新しいハエの使用に緊急許可を与えるかどうかを検討していることを明らかにした。テキサス州のグレッグ・アボット知事は、「我々は以前にも、この害虫の発生を防いで根絶させた。今回も再び成功するだろう」と述べた。

USDAは、トランプ大統領がNWS対策の上級顧問にジョン・ベリンジャー氏を任命したと発表した。ベリンジャー氏は、同害虫への対策として利用可能な技術の活用や、USDAの対応強化に取り組む。

USDAのロリンズ長官は、「国境防衛や家畜保護の観点から、対策を強化する必要がある」と述べ、ベリンジャー氏のテキサスでの経験や食品安全・畜産業界での経歴を高く評価。ベリンジャー氏は、検査・検出・駆除技術の拡充を進め、米国の対応能力を高める考えを示した。

ベリンジャー氏はテキサスA&M大学の評議会メンバーで、食品安全企業や畜産関連企業の経営経験を持つ実業家でもあり、業界団体の会長職も経験している。学術・産業の両面での経歴を背景に、今回の政策対応に関与することになる。

 

※2026年6月12日 CATTLE BUYERS WEEKLY / ※6月8日 FOODMARKET.com

 
 

小規模食肉処理施設への支援強化で6000万ドル―USDA

 
 

USDAは6月3日、小規模な食肉・家禽処理施設への支援を強化する「小規模加工業者アクションプラン(Small Processors Action Plan)」を発表した。トランプ政権が進める「米国牛肉産業強化計画」の一環として実施される同ブランには、新たに6000万ドルの資金が追加される。

USDAのロリンズ長官は、「本施策は、国内の牛肉産業の再建に向けた新たな一歩だ。国内の食肉加工業者や中小企業に対するUSDAのアプローチを近代化するもので、煩雑な規制を取り除いてサービスを改善し、小規模加工施設の安全な操業と成長、競争に必要な透明性を提供する」と述べている。

同プランでは、連邦検査対象施設の多数を占める小規模施設を、地域経済および食料供給に重要な役割を持つと位置づけている。食品安全基準を維持しつつ、USDAとの連携を容易にして、小規模食肉加工施設の「顧客対応・レスポンスの改善」「各種手続要件の明確化」「負担軽減」を推進する。

USDAの地方事業・協同組合サービス局は、6000万ドルの資金提供に関する公募を通知(NOFO)した。牛肉の加工施設を主対象として、食肉加工業者の生産能力拡大を支援する。これは「食肉・家禽加工拡大プログラム(MPPEP)」の第4フェーズへの資金提供となるものだ。

 

※2026年6月3日 USDA news Release

 
 

牛肉遠隔格付けプログラム(RGP)アプリをリリース

 
 

USDAーAMS(米国農務省農業マーケティング局)は、牛肉遠隔格付けプログラム(RGP)へのアクセスをさらに容易にするための、新しいモバイルアプリをリリースした。

マーケティング・規制プログラム担当次官のダドリー・ホスキンス氏は、「肥育牛肉の90%以上は、主に大規模加工施設で公式格付けを受けているが、このRGPは、特に小規模加工業者に対して低コストの格付けサービスを提供するものだ。新たなモバイルアプリは、対応力向上、ワークフローの効率化、格付けサービスの正確性と信頼性の維持を通じて、生産者や加工業者への支援を強化する」としている。

RGPは、モバイルアプリの画像撮影機能を活用して遠隔で枝肉の特性を評価し、格付けを行う。プログラム参加者は、この新アプリによって、安全な画像送信やアップロードミスの減少、可視性の向上や格付けされた枝肉の確実な追跡が可能となる。

 

※2026年6月5日 FOODMARKET.com

 
 
セーフティー関連

ワールドカップ観戦の訪米者にASF対策を注意喚起

 
 

USDA-APHIS(米国農務省動植物衛生検査局)は、FIFAワールドカップが6月11日から7月19日まで北米16都市で行われることを受けて、観戦のために訪米ならびにメキシコ、カナダに移動する旅行者に対して、アフリカ豚熱(ASF)の感染防止対策への注意喚起を強化している。公式Webや配布物では、以下のように呼びかけている。

アフリカ豚熱から米国を守る

米国へ渡航の際は、次の点に十分ご注意ください

「豚肉製品を持ち込まない!」野生および家畜の豚に感染する、伝染性が高く致死率の高い病気であるアフリカ豚熱(ASF)は、ドミニカ共和国やハイチを含む世界70カ国以上で確認されている。このウイルスは、加熱済み・未加熱を問わず豚肉製品に生存するため、旅行者がこれらを米国へ郵送または持ち込むことは禁止されている。

この規制は、米国をASFから守るためのものだ。ASFは人間の健康への脅威ではないが、衣服、靴、調理済み・未調理の豚肉製品などの汚染された物品を通じて、知らないうちにウイルスを拡散させてしまう可能性がある。

ワールドクラスのディフェンダーになろう

ASFの拡散を防ぐために、旅行「ゲームプラン」に簡単なルールを加えよう:

  • 豚肉製品を持ち込まない — 豚肉製品(加熱済み・未加熱を問わず)の持ち込みは、即座に「レッドカード」!ペルニル、豚肉餃子、プロシュットなどの品目はASFを媒介する恐れがあり、米国への持ち込み、および米国本土、プエルトリコ、米領バージン諸島間の移動が禁止されている。
  • 出発前に確認を — 感染した豚との接触により、人がASFを拡散させる可能性がある。豚がいる施設を訪れた場合は、必ず手を洗い、衣服や靴の消毒を。
  • 5日間の待機期間 — 旅行中に野生または家畜の豚と接触した場合は、一旦ストップ!米国の農場を訪問する前に、少なくとも5日間の待機を。
  • 申告の準備を—空港で米国検査官に対し、すべての食品、動物製品、農産物を申告することで、ASFから国内を守る。

米国ではこれまでASFの発生は確認されておらず、今後もこれを維持したい。感染予防策を遵守し、広がるのはサッカーへの情熱だけだと約束しよう。

ASFの詳細および感染拡大防止策についてはこちらをご覧ください:

www.aphis.usda.gov/traveling-with-ag-products/asf

  ASFの詳細および感染拡大防止策について
 

※2026年6月3日 FOODMARKET.com

 
フードサービス

外食各社が夏の集客狙い新プロモーション展開

 
 

外食業界全体で、夏の販促活動が活発化している。消費者が支出に慎重になる中で、大手チェーン各社は集客力の向上を図ろうと、コストパフォーマンス、ノスタルジー、ロイヤリティ、期間限定オファーなどに注力している。主要企業による具体例は以下のとおり。

チポトレは6月1日から8月31日まで、ロイヤリティプロモーション「Summer of Extras」を再開。リワード会員に対して、月7回の来店でメインディッシュ1品を無料提供するとともに、リーダーボードや期間限定チャレンジといった新たなポイント獲得機能を追加する。昨年獲得した3780万のSNS表示回数をもとに、顧客のロイヤリティをデジタル体験によって刺激することで、リピート来店とSNSでの拡散効果を狙う。

ソニックは、期間限定の1.99ドルメニューを刷新し、「ジュニア・ベーコン・チーズバーガー」「バニラ・ソフトクリーム・カップ」「チーシー・バハ・クリスピー・テンダー・ラップ」「スモール・ルートビア・フロート」などを新たに追加。フランチャイズ展開を通じて店舗網を拡大している。

バーガーキングは、家族とノスタルジーをテーマにした夏の期間限定メニューを展開。6月2日から全国で王冠型のチキンナゲットを復活させ、6月9日にはクレヨンをテーマにした「キング・ジュニア・ミール」を導入した。共同ブランドのクレヨンや塗り絵にもなるパッケージが特徴。

マクドナルドは6月4日より、期間限定の「FIFAワールドカップ2026™ミール」および「ハッピーミール」を発売。世界のサッカー選手やぬいぐるみのスクイッシュマローズをモチーフにしたコレクターズカップや、ゴールドパッケージのビッグマックソースなどが含まれる。このキャンペーンは、同社の新戦略「McDonald’s > NEXT」の一環だ。

ステーキ・アンド・シェイクは調達方針の転換をめざし、6月1日から使用する牛肉を100%グラスフェッドの放牧牛に限定すると発表した。同社は社内で「MakeAmerica Healthy Again(アメリカを再び健康に)」の担当最高責任者を任命するなど、メニューの栄養と透明性への取り組みを強化している。今回のメニュー刷新は、揚げ油を植物油から天然牛脂に切り替えたことに続くもので、QSR業態でも品質・健康・価値のバランスが重視されることを象徴している。

 

※2026年6月5日 FOODMARKET.com

 
 

ポークpファクト・シート