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TRADER'S Be & Po

vol.493 May.18.2026
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛現物価格が過去最高値を更新
豚モモ反発、次はロイン、バットも上昇か
ワールドトレード アジアの牛肉貿易、豪州の勢いは下期に転換
輸出動向 米国の豚肉輸出、3月に急増
トピック カナダ・豪州の食品インフレも食肉が影響
下院で農業法案可決、全米の豚肉生産者が歓迎
「Beef. It’s What’s For Dinner.」がRoute 66の100周年記念
ファクト・シート ポーク(2026年3月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛現物価格が過去最高値を更新

 
 

4月27日週に生体牛の現物価格が急騰し、最高値を更新した。4月20日週の主要5州の生体牛(去勢)平均価格は246.18ドル、枝肉は386.00ドルで、それぞれ前週比1.84ドル安、2.14ドル安だったが、4月28日(火)に生体牛が急上昇。前週より100ポンド当たりで4〜11ドル上昇した。

南部平原で生体牛は250〜255ドル、コーンベルト地帯では250〜257ドルを付け、大半の取引は255ドルで成立した。枝肉価格は395〜396ドルで始まり、その後400ドルに達した。火曜日の販売頭数は5万5650頭で、うち4万1926頭が北部での取引だった。

生体牛価格の異例の変動により、1頭当たり3桁の赤字状態が続いていたパッカーマージンはさらに悪化。木曜日の時点で、パッカーマージンは1頭当たり187ドルの赤字と算出された。

4月20日週のカットアウト(カット、ひき材、トリム)平均価格は100ポンド当たり385.95ドルで、前週比4.20ドル安。チョイスの平均価格は382.30ドルで、同4.11ドル安だったが、生体牛の大幅上昇にもかかわらず、4月28日、29日ともにチョイスの平均価格は下落した。

アナリストは、「チョイス平均価格の下支えラインは378ドル、その次の水準は365ドル。上値の抵抗線は405ドルと見られる。肥育牛価格255ドルのコストに対して、パッカーの損益分岐点はチョイスが415ドルを付ける必要がある」という。

 

※2026年5月1日 CATTLE BUYER’S WEEKLY

 
 

豚モモ反発、次はロイン、バットも上昇か

 
 

今春はハム(モモ)の価格変動が激しかった。23-27#ボンインハムは2月中旬に100ポンドあたり80ドル台半ばで取引されていたが、3月末までに70ドルまで下落した。しかし、この安値に輸出向けの手当が活発化したこともあり、4月16日には96ドルを超え、3週間前と比べて36%上昇した。

通常、こうした急騰の後には調整局面が訪れている。しかし、と畜頭数は6月までに週当たりで240万頭を下回ると予想される。大局的に見れば、豚肉需要は安定している。スポット市場の短期的な変動に惑わされないことが大切だ。

豚肉はかつてないほど牛肉との競争力を高めている。小売販売戦略の改善により、過去4年間、豚肉価格は晩春から夏にかけて顕著に上昇する傾向が見られた。今年も同様の展開になると予想される。

ロインの価格は、ごく短期的には横ばいで推移している。ボンレスロインは5・6月には小売需要が改善し、季節的な畜頭数の減少と相まって価格は上昇傾向に向かう見込みだ。

ポークバットの価格は、前年を上回って推移しており、と畜頭数の減少と季節的な需要増加に伴い、5月にはさらに上昇すると予想される。ピクニックの価格は、前週にわずかに下落したものの、全体的な傾向は上昇しており、この傾向は5・6月も続くだろう。

スペアリブの価格は、上昇に転じており、例年のこの時期の季節的な傾向と一致している。牛肉価格の高止まりによって、スペアリブの価格は第2四半期も堅調に推移することが見込まれる。

ベリーの価格は、前週に大幅下落したが、その一因はと畜頭数が250万頭を超え急増したことにある。QSR(クイックサービスレストラン)の需要が不安定なことは、ベーコン需要には若干の逆風となる可能性もあるが、現在の価格水準であれば、加工業者は5月下旬から6月にかけての販売予約を確保できるだろう。

 

※2026年4月20日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の週当たり豚と畜頭数の推移
  ベリープライマルの価格推移(左)/バットプライマルの価格推移(右)
   
ワールドトレード

アジアの牛肉貿易、豪州の勢いは下期に転換

 
 

第1四半期のアジアの牛肉貿易では、豪州の牛肉輸出が過去最高を記録した。しかし、その勢いが転換しつつある。豪州の第1四半期の牛肉輸出量は前年同期比17.4%増と急増したが、焦点はもはや数量の追求ではなく、代替市場の確保に移りつつある。

この転換は、中国のセーフガード枠をめぐる急速な争奪戦によって余儀なくされた。今年の年間枠の50%が、わずか85日間で使い果たされた。豪州の輸出業者は、中国と韓国双方で迫り来る関税の急激な引き上げに備えた対応が必要になっている。

中国のSGが発動されれば、豪州の食肉産業に10億ドルの打撃を与える可能性があると、豪州食肉産業協議会(AMIC)は警告している。

豪州産牛肉は、韓国でもSG発動がせまっている。豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は、7月下旬までに韓国・豪州自由貿易協定(KAFTA)のSGが発動されると予想している。これは過去最速での発動となる。

SG発動後は、関税率が5.3%から24%に跳ね上がる。このため韓国の主要バイヤーが本格的な在庫補充に動き出すのは、早くても第3四半期以降になると予想される。ただ、豪州はKAFTAのSG発動には慣れている。これは季節的な現象としてよく起こるからだ。

 

※2026年5月5日 FOODMARKET.com

 
 
輸出動向

米国の豚肉輸出、3月に急増

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)によると、3月の米国産豚肉輸出量は過去最大級を記録し、極めて好調な第1四半期を締めくくった。3月の牛肉輸出量は、主に中国による継続的な輸入停止措置の影響で前年を下回ったものの、牛バラエティーミート輸出額は1月の過去最高記録を上回り、月間最高額を更新した。

3月の豚肉輸出量は28万5,567トン(前年同月比6%増)で、過去3番目の規模となり、過去5年間で最多となった。輸出額は8億320万ドル(4%増)で、2021年4月に記録した最高額に次ぐ高水準となった。

第1四半期累計の豚肉輸出量は77万8939トン、輸出額は21億7000万ドルで、いずれも前年同期比3%増。メキシコおよび中米への輸出が過去最高のペースを維持している。

3月の牛肉輸出量は9万7731トン(同11%減)、輸出額は8億4470万ドル(同8%減)。このうち、牛バラエティーミートの輸出量は2万9062トン(同24%増)、輸出額は1億3560万ドル(同50%増)で過去最高を記録した。

 

※2026年5月8日 CATTLE BUYER’S WEEKLY
3月の豚肉輸出の主な国別内訳はファクトシートを参照ください。

 
トピック

カナダ・豪州の食品インフレも食肉が影響

 
 

牛肉価格の上昇を伴う食品インフレは、トランプ政権や一部の議員から引き続き批判の的となっている。しかし、当然のことながら、カナダや豪州でも牛肉価格の上昇が食品インフレを引き起こしている。

カナダの3月の消費者物価指数(CPI)は、全体では2.4%と緩やかなインフレ率を示したが、食品小売価格の上昇率は4.4%と大幅に高い。これは主に牛肉価格(前年同月比13%高)に牽引されたものだ。

カナダの市場アナリストによると、消費者向け牛肉価格は2021年第1四半期以降、64%上昇している。これはCPI全体の上昇率の3倍以上に相当する。牛肉小売価格は同様に約77%上昇しており、消費者物価の上昇率を大きく上回っている。

一方、豪州統計局が発表した最新のCPIデータも食肉価格上昇が食品・飲料品目におけるインフレの主因となっていることを示している。3月のインフレ率は2月の3.7%から急加速して、4.6%に上昇。2023年9月以来の年間上昇率を記録した。

ラボバンク社のアナリストによると、食品の中では、肉類と外食が食品価格インフレ最大の要因となったという。特に牛肉や羊肉などの肉類価格は、前年同月比11.8%と、引き続き2桁のインフレ率で推移している。

世界的に、中東紛争によるコスト上昇が食品供給全体に影響を及ぼしているため、今後数カ月でいくつかの食品はさらなる価格上昇が見込まれる。この紛争は農場レベルでの燃料費や肥料費を押し上げている。この圧力は農場出荷後のコストにも影響し、加工・包装・流通といった各工程を通じて、食品価格を引き上げている。

 

※2026年5月1日 CATTLE BUYER’S WEEKLY

 
 

下院で農業法案可決、全米の豚肉生産者が歓迎

 
 

全米の豚肉生産者6万人以上が2026年農業法案の下院通過を歓迎―。224対200という超党派による圧倒的な賛成多数で可決された「2026年農業・食料・国家安全保障法」には、全米豚肉生産者協議会(NPPC)が求めていた政策要望が100%盛り込まれた。カリフォルニア州Prop12の深刻な影響からの救済措置を提供する、極めて重要な要望事項も含まれている。

NPPCのロブ・ブレネマン会長は、「下院での農業法案の可決は、農場と将来世代のために団結して立ち上がった時のアメリカ農村地域の力を証明した。正しいことを守るため、戦いを決して諦めなかった下院農業委員会のトンプソン委員長をはじめとする支援者に心から感謝する」と述べた。

2026年農業法案では、Prop12の是正に加え、以下の事項も盛り込まれた。

  • 「野生豚根絶・管理試行プログラム」への資金提供と本プログラムへの移行。
  • 市場アクセスプログラム、海外市場開発プログラム、E.キカ・デ・ラ・ガルサ新興市場プログラム、特産作物技術支援、および優先貿易基金など、重要な農業貿易促進プログラムへの資金増額。
  • 米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の変更または失効が農業に与える影響について、米国農務省(USDA)に報告を義務付ける。
  • 貿易障壁をより効果的に特定し克服するため、農業貿易執行タスクフォースを設置する。
  • 「動物衛生保護法(Animal Health Protection Act)」を拡充し、動物疾病の追跡可能性の向上を含める。
  • 「ビーグル・ブリゲード法」に基づき、追加の訓練施設およびプログラムの設立を許可する。
  • 外国由来の動物疾病の発生によって生産者が甚大な経済的損失を被る場合に備え、USDAの生産者支援について詳細な文書化を義務付ける。
  • 「国家動物疾病予防・対応プログラム」および「国家動物衛生研究所ネットワーク」の管理経費に上限を設け、研究に充てられる資金の割合を高める。
  • 壊滅的な疾病発生による経済的損失から養豚生産者を補償する保険制度について、USDAに研究・開発を実施させる。
 

※2026年5月1日 National Pork Producers Council

 
 

「Beef. It’s What’s For Dinner.」がRoute 66の100周年記念

 
 

米国の牛肉生産者・牧場経営者が資金提供する「Beef. It’s What’s For Dinner.」は、Route 66の100周年を記念して、“マザーロード(Mother Road)”を新しい形で楽しめる企画「Route 66 Beef Trail」を展開する。

これは無料のモバイル限定デジタルパスポートで、ロードトリップ旅行者を、伝説的ステーキハウスやBBQ店、文化的名所、そして牛肉にまつわる歴史スポットへ案内するもの。

旅行者は、参加施設でチェックインすることで景品を獲得できるほか、アメリカで最も象徴的な幹線道路の一つである Route 66 が、米国の牛肉文化と深く結びついていることを学べる。

対象はRoute 66が通る全8州に及び、牛肉の名店や文化的ランドマークを厳選した内容となっている。参加者は登録後にテキストメッセージまたはメールでモバイルパスが送られ、アプリのダウンロードは不要。参加レストランや観光施設では、スマートフォンを提示するだけで特典を受け取れ、地域ごとの牛肉文化について学びながら、限定リワード獲得のためのポイントを集められる。

昔ながらのダイナーや歴史的な家畜市場から、現代的なBBQの人気店、そして象徴的なロードサイド飲食店まで、多彩なスポットを楽しめる。指定スポットでチェックインすると、記念ステッカー、コレクター向けグッズ、Route 66テーマのアイテム、さらには豪華賞品抽選への応募権などが提供される。

 

※2026年4月30日National Cattlemen's Beef Association

 
 
 

ポークpファクト・シート