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TRADER'S Be & Po

vol.487 Feb.9.2026
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 牛肉小売価格が最高値更新、今後の需要に懸念
生体豚先物上昇、カットアウト価格も上昇
トピック 韓国で今年4例目のASF確認、散発的な発生続く
2026年の政策優先事項を発表―NCBA
新しい食事ガイドラインは豚肉の役割普及の好機
消費関連 食料不安世帯は米国全体の13.7%―2024年調査
リテール クローガーが2026年の食品トレンド予測を発表
ファクトシート ポーク(2025年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

牛肉小売価格が最高値更新、今後の需要に懸念

 
 

牛肉需要は年間で最も弱い時期を迎えており、記録的な高値で推移する牛肉小売価格に対しての消費者の反応が注目される。12月の牛肉小売価格は、ポンドあたり9.55ドル(前年同月比18.2%高)と最高値を更新。チョイスは10.08ドル(同20.3%高)だった。

アナリストは、「この価格水準では、多くの消費者が牛肉製品の購入を控えて、豚肉や鶏肉に切り替える可能性が高い。今後も牛肉需要を維持できるかどうかは消費者の所得次第だ」と指摘する。

12月のインフレ率は2.7%で、前月から横ばいだったが、ホリデーシーズンを反映して食料品と外食費が高い上昇率を示した。クリスマス関連の出費や最近の寒波による暖房費の急騰は、消費者の節約志向をさらに強めるだろう。

1月19日週のカットアウト価格(総合平均)は、100ポンド当たり364.45ドル(前週360.93ドル)、チョイスは361.28ドル(同355.04ドル)、セレクトは357.27ドル(前週352.78ドル)だった。生産量の減少によって小幅上昇したが、それでもパッカーマージンの深刻な赤字は解消されていない。アナリストは、「1月19週には1頭当たり163.87ドルの赤字だった」という。

翌1月26日週のカットアウト価格は、前半4日間でチョイスが1.26ドル下落して367.66ドル、セレクトは同1.67ドル安の360.72ドルとなった。

一方で、肥育牛の現物価格は上昇を続けている。1月19日週の生体牛の平均価格は234.70ドルで、前週比2.20ドル高。枝肉価格は368.80ドルで、同4.16ドルの上昇となった。

肥育業者は売り急ぐ必要がなく、手持ちの牛を堅持している。1月26日週も、前半4日間の現金取引は少なかった。アイオワ・ミネソタで生体牛224頭が234ドルまたは枝肉368ドルで取引されたのみだった。

 

※2026年1月30日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

生体豚先物上昇、カットアウト価格も上昇

 
 

生体豚の先物価格は、年初から大きく上昇している。USDAの12月の飼養動向調査が肥育豚の供給増を示唆していることを考慮すると、この上昇は多くの市場関係者にとって驚きだったかもしれない。

同調査における9〜11月の子豚生産頭数は前年比0.4%増で、当初予想の2〜2.5%減を大幅に上回った。これにより、3〜5月のと畜頭数は前年比約0.5%増となる見込みだが、これに枝肉重量の0.5〜1%増加が加わると、春季の豚肉供給量は確実に前年を上回る見込みだ。

供給の増加予測に反して、生体豚先物価格が昨年より高値を付けているのには、いくつかの理由がある。第一には、年初からのカットアウト価格が前年を上回っていることだ。

1月8日から23日までのポークカットアウト価格の平均は100ポンド当たり93.2ドルで、前年比2.7%高。部位別にはロイン6.8%高、ピクニック7%高、リブ22%高、ハム5%高だった。バラが7%安で推移していなければ、カットアウト価格はさらに高かったはずだ。

第二の要因は、春から夏にかけて感染症(PEDvまたはPRRS)による豚の供給減が再発するとの憶測があることだ。この背景には、昨年の春から夏にかけて起きたのと同じ状況(調査予測と実際の豚と畜頭数との乖離)が今年も起こるのではないかという見方がある。あくまでも憶測だが、育成用子豚の価格が急上昇しているのは事実だ。

豚肉の小売価格は、牛肉と比べると、依然として価格競争力がある。小売業者の販促も活発に行われており、需要が供給量を上回り始めた兆しがある。昨年の価格変動を踏まえると、現在の先物市場は、生産者の利益確定やリスクヘッジの好機といえるだろう。

 

※2026年1月26日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  CME(シカゴ商品取引所)のリーンホッグの現物価格と先物価格指標
  ポークカットアウト価格の前年比較(26年1月23日 Vs 25年1月24日)
   
トピック

韓国で今年4例目のASF確認、散発的な発生続く

 
 

韓国は1月27日、今年4例目となるアフリカ豚熱(ASF)の発生を確認したと発表した。農林畜産食品部によると、新たな感染事例は、ソウルから南へ約320キロの霊光郡にある養豚場で確認された。同農場では約2万1000頭の豚を飼育している。

韓国政府は、ASFの感染豚の殺処分を含む感染拡大防止策を実施しており、全国の養豚場及び関連施設に対し、28日まで有効な48時間の移動制限命令も発令。全国的な封じ込め措置を強化した。

韓国では、年明け早々に今年初となるASF感染が東部の江陵市で確認された後、先週には京畿道の安城と抱川でさらに2件の感染が相次いで確認された。農林畜産食品省は声明で「アフリカ豚熱は、従来安全とされていた地域にも拡大しており、現状はこれまで以上に深刻だ」として、地方自治体・畜産関連団体・養豚業者に対し、徹底的な消毒と防疫措置の実施を要請した。

 

※2026年1月27日 FOODMARKET.com

 
 

2026年の政策優先事項を発表―NCBA

 
 

全米肉牛生産者牛肉協会(NCBA)は2月2日、執行委員会の承認を得て、「2026年の政策優先事項」を発表した。これは、規制コストの削減、自由市場の擁護、貿易機会の拡大、強い牛肉需要の維持など、生産者の収益性に直接影響を与える政策に焦点を当てたものだ。

バージニア州の肉牛生産者で、NCBA次期会長のジーン・コペンヘイバー氏は、「2025年はNCBAの努力により、相続税免除の拡大、新たな水域規則、土地管理局公共土地規則の撤回など、重要な税制および規制の改善が実現した。これらの成果に基づき、2026年には生産者の収益性強化と牛産業全体の新たな課題への対応に焦点を当てた政策事項を推進する」としている。

NCBAの2026年の政策優先事項は以下のとおり。

  • 作業用地の稼働を維持するために、有害な規制の撤廃を引き続き行政に働きかける。
  • NWS(新大陸スクリューワーム)の侵入に対する米国の防御策を強化する。
  • 米国の牛肉輸出の市場アクセスを拡大し、貿易相手国に輸入牛肉と同等の動物健康および食品安全基準を保証するよう働きかける。
  • 科学的根拠に基づく栄養政策を推進し、消費者に向けて信頼できる情報を提供する。
  • 労働時間の柔軟性、トラック積載重量の増加、家畜運搬業者のELD要件(電子ログ記録装置)などを引き続き推進する。
  • 米国の牛および牛肉のサプライチェーンを守るために、行政と協力して労働力の確実な確保に努める。
 

※2026年2月2日 NCBA News Release

 
 

新しい食事ガイドラインは豚肉の役割普及の好機

 
 

新しく改訂された「アメリカ人の食事ガイドライン(2025-2030年版)」(既報参照)に対して、NPB(全米豚肉生産者委員会)はこれを高く評価するコメントを発表。健康的な食事における豚肉の重要性を広めるための取り組みを強化する方針を示した。

NPBのヒューマン・ニュートリション担当ディレクターは、ガイドラインの策定プロセスにも関わり、「新ガイドラインで推奨される食事は、豚肉が高品質で栄養価の高いタンパク質として推奨されている」という。

自然食品と多様なタンパク質摂取の重要性を強調したガイドラインでは、高品質な動物性タンパク源として、豚肉の役割が一段と強調されている。豚肉は、すべてのアメリカ人にとっての「キャリアフード」(主な栄養素の摂取と充足度を高める食品)だ。

米国の豚肉産業は、消費者や健康・医療・栄養部門の関係者と積極的に関わり、豚肉の栄養価や汎用性を広めていくことが重要だ。特に家庭での食事、豚肉の各部位の特徴と味を生かしてシンプルに調理できるような教育プログラムを推進することは豚肉の需要拡大と新たな可能性に繋がるとしている。

 

※2026年1月26日 NPB Pork Checkoff Industry News

  豚肉の1日当たり栄養素摂取量の割合(%)
 
消費関連

食料不安世帯は米国全体の13.7%―2024年調査

 
 

米国農務省経済調査局(ERS)の報告によると、2024年には米国の全世帯の86.3%が生活に必要な食料を確保できていたが、残りの13.7%(1830万世帯)は食料不安世帯として、家族全員に十分な食料を確保するのが難しかったという。

2024年の食料不安発生率は、2023年の13.5%、2022年の12.8%と統計的には大きな差はないが、5.4%の世帯が「食料の確保が極めて難しい」状態にあり、世帯員の一部が年間を通じて食事量を減らしたり、食事パターンが乱れたりすることがあったという。

ERSによると、2024年には、子どもがいる世帯の9.1%(330万世帯)で食料不安の状態にあったが、これは2023年の8.9%、2022年の8.8%と比較して統計的には同程度であり、子どもが食糧不足を経験した世帯は、子どもがいる世帯の0.9%だった。

 

※2026年1月30日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
リテール

クローガーが2026年の食品トレンド予測を発表

 
 

大手スーパーのクローガ―は、2026年の食品トレンド予測・トップ6を発表した。同社の自社ブランド部門グループ副社長のアン・リード氏は、「今年は、消費者がより手頃な価格でプレミアムな製品を求める傾向が強まるだろう」と述べている。トップ6は以下のとおり。

乳製品の発酵食品ブーム

消費者は腸の健康に意識を向け優しい栄養摂取を意識的に受け入れ、朝食以外でもカッテージチーズやギリシャヨーグルトを食べるようになっており、定番の発酵食品が乳製品売り場の主役となるだろう。風味豊かなディップや高タンパクデザートなど、機能性と味わいを追求した新たな製品が登場する可能性もある。

タンパク質+食物繊維の相乗効果

2025年はタンパク質が主要トレンドとなったが、今年は食物繊維との組み合わせが重視されるだろう。消費者は、腸に優しく持続的なエネルギーを求めて、チーズ風味のひよこ豆パスタやホエイ豊富なオートミールスナックなど、タンパク質と食物繊維を両方含んだ製品を求めている。

一口スナック&ミニミール

2026年には「Grazing(少量ずつ食べる習慣)」が主流になる。一口サイズのスナックやミニミールが、消費者のニーズを牽引するだろう。加熱調理済みのスナックプレートから冷凍ハンディフードまで、一口サイズの便利さが大きな満足感をもたらす。

かんきつ類の祭典

爽やかなユズや鮮やかなブラッドオレンジなど、世界各国の柑橘類が消費者を惹きつけるだろう。スパークリングウォーターからデザートまで、かんきつ類には大きな可能性がある。

家庭料理への回帰

節約しつつもそれ以上の価値を求める消費者が増え、レストラン級の手作り料理が人気となっている。高級部位の食肉、世界各国のソース、シェフ級の長時間煮込みなど、手頃な価格で驚きと満足を追求する実験的な料理が、注目を集めることになるだろう。

アジア風のマッシュアップ

より多くの消費者が世界各国の料理に興味を向けるにつれてアジア風のマッシュアップ(異なる文化や風味を掛け合わせたフュージョン料理)が急成長するだろう。コチュジャン、抹茶、味噌、ゴマといったアジアの風味が、ソースやスイーツなどのあらゆる料理に活用されていくだろう。

 

※2026年1月13日 FOODMARKET.com

 
 

ポークpファクト・シート