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11月最終週の豚肉生産量は4億7000万ポンド(前年同週比4.7%減)で、週間のと畜頭数としては7月上旬以来の低水準となった。減少は予想されていたものの、その減少幅は事前の予測以上だった。11月第1〜3週の豚肉生産量は週平均5億7400万ポンドで、前年比2.5%増加しており、生産者は年末年始の休業を前に、11月前半の3週間で出荷を加速したようだ。
週当たり豚肉生産量が5億7400万ポンドに達したのは1月以来だが、当時のカットアウト価格は100ポンド当たり90ドルまで下落した。11月中旬のカットアウト価格もほぼ同水準となっている。
年末年始に向けた肥育豚供給は大きく変化しそうだ。今年のクリスマスは木曜日のため、週半ばの生産量が制限されるが、パッカーが週末に向けてフル稼働する可能性は低い。この供給動向に伴い、小売用と加工用それぞれの品目への影響を考察すると―。
小売用:1月のと畜頭数が260万頭を下回っても、ロイン、バット、ピクニックは現状の価格帯を維持する見込みだ。CCロインは、年間を通じて極めて狭い価格帯で推移しており、年明け以降も現在の水準を維持するだろう。
バット価格は休日需要によって短期的な下支えが見込まれる。ピクニック価格は季節的に12月までは下支えされ、第1四半期に軟化するだろう。スペアリブは牛肉価格の高騰が下支え要因となる。リブの価格は、今秋の価格高騰で在庫の積み増しが控えられたため、来年は上昇リスクが大きい(特に第2四半期)。
加工用:モモ、バラ、トリミングのなどの加工原料品は、大幅な価格変動が見込まれる。モモの価格は、ここ数週間のと畜頭数の増加で下落傾向にある。また、夏場の価格高騰で年末商戦での販売が抑制される可能性もあり、クリスマス後に底値を付けるだろう。
バラとトリムについては、低価格な食肉を活用したいとの外食事業者のニーズに牽引され、全体的な需要は堅調だ。通常、QSR(ファーストフード)の需要は年明けに鈍化する。しかし春季には供給の増加が限定的であることと、季節的な需要および競合する食肉の高価格を考慮すると、価格は上昇する可能性が高いだろう。
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