カーギル社は9月29日、「ステーキの現状―フードサービス版」レポートを公表した。これは、米国の外食業界全体で、ステーキに対する消費者の意識がどのように変化しているかを包括的に分析した初のレポートだ。 レポートでは、米国のメニューにおけるステーキの位置づけと未来像について3つの主なトレンドを概説している。
- ●同レポートでは、外食産業を形作る重要な消費者動向や予測の要因として、米国の消費者が持つステーキへの特別な思い入れが強調されている。
- ●ステーキを食べるという体験は、他のタンパク質では得難い顧客満足度、ロイヤルティ、消費額に影響を与え続けている。
- ●「ビッグフォー」と呼ばれる主要4部位のステーキが求められる一方で、明確な等級表示、柔軟なサイズ展開、注文を簡単で楽しいものにするメニュー表記も期待されている。
カーギル北米食品事業部のマーケティングディレクター、グレンドン・テイラー氏は、「ステーキは単なるタンパク源ではない。品質、贅沢、体験の象徴だ。ステーキはレストランの収益源だが、焼き加減や柔らかさ、盛り付けといった消費者の期待を満たす場合に限られることを、この調査は示している。だからこそ、顧客の心理を理解することが重要になる」と語る。
また同レポートでは、消費者の好みや品質の定義から、レストランが常に優れたステーキを提供するための運営上の課題を、以下のように説明している。
● 高まる「ステーキ」へのハードル:ステーキ消費者の4人に1人が、最近レストランで食べたステーキに不満があると報告している。理由としては、焼き加減、部位、品質のばらつきが挙げられている。過去の経験がレストラン選択において最も重要となる今日の競争環境で、ステーキで期待に応えられないことは、顧客を獲得する機会を逃すことに等しい。
● メニュー開発で「ステーキ」の質を上げる:ステーキの注文は「ビッグフォー」と呼ばれるリブアイ、ニューヨークストリップ、フィレ、サーロイン(トップサーロインバット)の4種類に集中しており、メニューの明確さと柔軟性を求める傾向が強まっている。
● ステーキの持つ魅力:祝い事やご褒美、贅沢のいずれにせよ、ステーキは顧客にとって深い意味を持つ。同レポートでは、メニュー提供形態や価格設定を、消費者のそうしたニーズに合わせるよう促している。ステーキを特別な日の贅沢品ではなく、日常のプレミアムな楽しみとして位置付けるべきだ。
同レポートは、接客から厨房までの従業員トレーニングが不可欠だと述べている。
また、メニューでは人気部位を前面に押し出して、USDA等級や「人工添加物不使用」といった品質の高さを強調し、サイズや提供形式を柔軟にすることで、幅広い客層にアピールすることも重要だとしている。消費者はステーキを特別な機会と結びつける傾向があるため、レストラン側では「祝い」「ご褒美」「癒し」といった感情に訴えるプロモーションやメッセージをタイミングよく組み合わせることで、さらなる価値を創出できるという。
レポートの完全版では、データに基づく洞察、顧客像の分析、提言など、レストラン経営者やシェフのステーキ品質向上を支援する情報も提供されている。
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