保健福祉省(HHS)のロバート・ケネディ Jr. 長官と Make America Healthy Again(MAHA)委員会は、「Make Our Children Healthy Again Strategy Report(子供たちを再び健康にするための戦略報告書)」と題した新計画を発表した。
これはトランプ政権が、食品・栄養システムの確立および米国の子供たちの健康改革を検討するもので、子供の慢性疾患の増加に関する4つの潜在的要因(不健康な食事・化学物質への曝露・運動不足と慢性的なストレス・過剰な医療化)について考察している。
戦略の主な要素には、米国民向けの食事ガイドライン(DGA)の更新も含まれている。これに合わせて、HHSと米国農務省(USDA)が連携した新たな啓発キャンペーンが実施される。同ガイドラインの見直しを目的として、たんぱく質が豊富な食品、果物、野菜を含む自然食品を優先する一方で、加工食品や添加物を最小限に抑えて、健康増進への意識向上を図る。新DGAは2025年末までに発表される予定だ。
USDAのロリンズ長官は、「この報告書は、わが国にとって新しい歴史的なマイルストーンであり、米国の農業界は医師・保護者・地域社会と協力して、改革に向けた中心的な役割を担うことになる」としている。
同戦略の一環として、主要食品メーカーは人工着色料の自主的な排除に取り組み、ジャンクフードやソーダを制限する州には技術支援を提供して、再生農業実践プログラムなどの新しいツールを生産者に提供する計画だ。
食肉業界の反応、NAMIやNCBAは好感、NPPCは苦言も
上記の新たなMAHA戦略については、米国の食肉産業団体がそれぞれの立場や見解を発表している。
北米食肉協会(NAMI) ジュリー・アンナ・ポッツ会長
栄養価の高い食肉・家きん類製品が、バランスの取れた食事に不可欠であることは科学的に証明されている。過去の政権は長年にわたって、主に栄養とは無関係な理由で肉類の消費を控えるよう働きかけてきた。その結果、最も脆弱な層である子供・思春期の少女・授乳中の母親・高齢者が、たんぱく質や鉄分・亜鉛などの重要な栄養素を十分に摂取できなくなっていた。
HHSとUSDAが食品安全について連携するのは素晴らしいことであり、今回の計画を歓迎する。この計画はHACCPの食品安全基準に沿っており、アメリカ国民は良質で入手しやすい栄養源としてより積極的に肉類を摂取できることになるだろう。
全米鶏肉協議会(NCC) 広報担当 トム・スーパー氏
今回のMAHAの計画に、家きん類業界は全面的に協力する。鶏肉は、栄養価、健康へのプラスの効果、人気、汎用性、手頃な価格などを兼ね備えており、アメリカ国民を再び健康にする上で重要な役割を果たすたんぱく質源となるだろう。
全国豚肉生産者協議会(NPPC) デュアン・ステイター会長
当初、MAHAの報告書には農業界の声がほとんど反映されていなかったため、今回の報告書の発表前に耳を傾けてくれた現政権に感謝する。しかし、この戦略は現代農業を否定的に扱う恐れがあり、またトランプ大統領の「食料安全保障・安全性・価格の手頃さ」に関する指示から逸脱することも懸念している。報告書で示された規制の拡大によって、食品や農業分野を含む米国企業への訴訟の増加につながる可能性もある。
この目標を最善の形で達成するには、さらなる取り組みと理解が必要だ。NPPCは同戦略の発表に先立って、MAHA委員会に以下のような提言を行っている。
- ・「高度加工食品」の公平かつ実用的な定義
- ・食品の安全性、保存期間、栄養価の向上に寄与する食品添加物の使用保護
- ・動物の健康保護のために「一般に安全と認められる基準」の改革で飼料を除外
- ・食品生産技術の評価において、危機ベースではなくリスクベースでのアプローチを採用
全国肉牛生産者・牛肉協会(NCBA) イーサン・レーン政府渉外担当上級副会長
MAHA戦略の中で、牛肉は積極的な役割を果たすことができる。現政権が指摘している通り、牛肉はアメリカ農業の宝だ。毎週、何百万もの米国の家庭が牛肉をメインに健康的な食事を作っている。我々は今後もトランプ政権と協力してサプライチェーンを維持するとともに、世界で最も安全かつ高品質な牛肉を提供し続けるために努力していく。
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