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TRADER'S Be & Po

vol.475 Aug.4.2025
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛価格が再び記録更新、カットアウトも上昇
豚カットアウト上昇、秋季は他の食肉との競合激化
ポーク関連ニュース 豚肉冷凍在庫、夏場も減少し最低水準に
ワールドトレード 米国の対ブラジル関税、世界の牛肉貿易を再編か
食肉価格指数が過去最高を更新―FAO
消費動向 米国、高級ステーキカットが史上最高値に
価格上昇にもかかわらず牛肉需要は拡大
USMEFインフォメーション 「FOOD STYLE Japan 2025」に共同出店
ビーフ12社、ポーク7社とブランド肉紹介
ファクトシート ポーク(2025年7月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛価格が再び記録更新、カットアウトも上昇

 
 

生体牛の現物相場は、予想を覆し続けており、アナリストは価格がいつどこで頭打ちになるか、予測に慎重になっている。出荷可能な牛の供給は依然として少ない。価格上昇を阻む要因があるとすれば、牛肉需要の急激な減退か、もしくは牛肉輸出に影響を与える家畜疾病の危機だけだ。

8月第3週の主要5州における生体牛(去勢牛平均・100ポンド当たり)は244.25ドルで、前週の過去最高値から1.44ドル上昇した。枝肉価格は同3.39ドル上昇し、386.16ドルを記録した。それぞれ前年同期比で31.6%高、31.4%高。

第4週は、アイオワ・ミネソタ州で242〜245ドル、カンザス州では240〜242ドルで取引された。

一方、8月第3週のカットアウト価格は393.98ドルで、前週比14.47ドル高と今年の最高値(7月4日週の388.64ドル)を更新した。チョイスは392.87ドル(前週比12.87ドル高)、セレクトは369.48ドル(同13.42ドル高)。

第4週は、前半4日間でチョイスが6.50ドル上昇して414.41ドル、セレクトは同2.18ドル高の385.84ドルと、レイバー・デー(祝日)直前の駆け込み需要でさらに上昇した。アナリストは、「これまでのところ、牛肉の需要は好調を維持している。しかし経済状況によっては、消費者の購入パターンが突然変わることもある。そこに今後の牛肉価格に対するリスクが潜んでいる」と指摘する。

 

※2025年8月29日 Cattle Buyers Weekly

 
 

豚カットアウト上昇、秋季は他の食肉との競合激化

 
 

5月中旬以降、週当たりの豚肉生産量は前年同期を下回っている。一方、カットアウト価格は前年同期比10〜25%高で推移している。供給量は依然として前年を約4.4%下回っているが、8月第3週のカットアウト価格は前年比で約15%高だった。この高値のけん引役は加工用部位だ。

8月22日のバラのプライマル価格(100ポンド当たり)は184ドル。これは前年同期比で38%高く、カットアウト価格の前年比の上昇分の半分以上を占める。モモの価格は前年比8%高を付けている。

秋季も、モモの価格は堅調に推移する見込みだ。供給量の減少に加え、七面鳥胸肉や牛肉(チョイスのインサイドラウンド)が高値にあることから、豚モモ肉は総菜コーナーで競争力を維持するだろう。

8月前半2週間の23-27#モモの平均価格は約120ドルで、前年比約20%高だった。しかし、モモと七面鳥胸肉の価格比率はわずか0.22であり、これは過去10年間で最低水準だ。モモとインサイドラウンドの価格比率も0.28と、2022年の最高値(0.4)から低下しており、モモ価格が相対的に割安だ。

一方、ロインは生産量の減少にもかかわらず、価格上昇が追いついていない。同日のロインプライマル価格は95.4ドルで、前年同期比1.4%安。ほぼ昨年の水準を維持しているが、他の食肉との比較で、小売業者にとっては9〜10月の販促商材として注目されるだろう。

8月のボンレスポークロインは約158ドルで、81CL(粗挽き牛ひき肉)の約352ドルと比べて45%未満だ。7月の同ひき肉価格は360ドルだったが、8月後半にはさらに上昇する見込みだ。

 

※2025年8月25日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の豚肉生産量とカットアウト価格の前年比の推移
 
ポーク関連ニュース

豚肉冷凍在庫、夏場も減少し最低水準に

 
 

7月末時点の冷凍豚肉の総在庫量は4億460万ポンド(前年同月比10.8%減)、過去5年平均比では16.4%減となった。7月末としては2010年以降で最低の水準となった。

前月比では3.4%減と、例年この時期の減少傾向に沿った動きだった。しかし、既に低水準だった在庫がさらに減少したことで、7月の豚肉のスポット供給量と価格に大きな影響を与えた。

レイバー・デー以降、豚肉供給量は季節的に増加する見込みであり、枝肉重量も増加するだろう。牛肉や鶏肉に対する価格競争力と供給量の増加が相まって、小売業者は豚肉の販促を強化するだろう。

 

※2025年8月25日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の豚肉の月末在庫量の推移
 
ワールドトレード

米国の対ブラジル関税、世界の牛肉貿易を再編か

 
 

米国がブラジル産牛肉に対しての関税を引き上げたことで、世界の牛肉貿易の流れが再編される見通しだ。アナリストらは、「メキシコや豪州から米国への輸出が増加する一方で、ブラジルは米国市場の代替を模索することになる」と指摘する。

ブラジルは世界最大の牛肉輸出国であり、中国が主要な貿易相手国だ。8月のブラジルの輸出先では、メキシコが米国を抜いて第2位となった。ブラジルの1〜7月の累計牛肉輸出量は、前年同期比13%超の増加を示している。

畜産コンサルティング会社「アテナグロ」のディレクターは、「8月6日にブラジル産牛肉に50%のトランプ関税が発動された後も、今年のブラジルの牛肉輸出予測に変更はなく、前年比7.5%増の308万トンの見通しだ」という。

また、「ブラジル産牛肉を迂回貿易できる国々は、メキシコの例に倣って購入量を増やす可能性が非常に高い」と述べ、、アルゼンチンもその候補国となり得るとしている。

ブラジル農務省の貿易局長は、「ブラジル産牛肉がメキシコのインフレ抑制に寄与している」と述べているが、メキシコがブラジルから輸入した牛肉をどう扱うかは把握していないとしている。

エコノミストは、「世界の牛肉流通に変化が起こるのは確実だ。例えば、これまで豪州が輸出していた市場に、ブラジルが進出する可能性がある。米国の牛群が過去最低を記録する中で、世界的に牛肉供給がひっ迫し、輸入国の需要がブラジルに向かう可能性がある」と予測する。

 

※2025年8月28日 FOODMARKET.com

 
 

食肉価格指数が過去最高を更新―FAO

 
 

国連食糧農業機関(FAO)の月次肉類価格指数は、7月に過去最高を更新した。平均値は127.3ポイントで、前月比1.2%の上昇、前年同月比では6%の上昇となった。主因は世界的に牛肉価格が上昇していることで、 牛肉価格指数も過去最高値を記録している。

米国の労働統計局によれば、7月の米国産100%の牛ひき肉の平均価格はポンドあたり6.34ドル(前年同月比16%高)で、過去5年平均価格比では27%高となった。アナリストは、「牛肉価格の上昇傾向が近い将来に反転する見込みはない。むしろ、さらなる上昇リスクがある」という。

現在の牛肉価格の急騰は、「地政学的動向、供給圧力、そして衰えを知らない消費者需要という複数の要因が重なり合って起きた“嵐”だ」と指摘している。

 

※2025年8月29日 Cattle Buyers Weekly

 
消費動向

米国、高級ステーキカットが史上最高値に

 
 

例年、夏の終わりとともにグリル需要は減少するが、今年はテンダーロインとリブアイの価格上昇が続いている。両品目は52週ぶりの高値で取引されており、テンダーロインは過去最高値圏に突入している。

今年の両プライマルカットの価格上昇は、例年より早く始まっている。牛の供給ひっ迫と、記録的な生体牛の現物価格を受け、年末需要を見据えたバイヤーが早期確保に動いているためだ。テンダーロインはポンドあたり18.15ドル、前年同期比50%高。骨なしリブアイは13.95ドル、同46%高。

歴史的に見ると、テンダーロインは2020年のコロナ禍の時期に見られた傾向を再現している。当時は、と畜待ちの牛が滞留し、コロナ対策による広範囲の工場の閉鎖によって、供給が急激に制限されていた。現在の要因とは異なるが、結果は類似している。

 

※2025年9月2日 FOODMARKET.com

  テンダーロインとリブアイの価格推移
 
 

価格上昇にもかかわらず牛肉需要は拡大

 
 

CoBank社の調査によると、2025年は食料品価格が上昇しているにもかかわらず、牛肉製品の需要は拡大している。拡大要因としては、①タンパク質摂取への関心の高まり②牛肉に対する健康観の変化B小売店でレストラン品質の牛肉の入手が可能になったことなどを挙げている。

同社の動物性タンパク質主任エコノミストは、「1年前は、値上がりの中で牛肉需要が維持できるかが疑問視されていたが、現在では大半のアナリストが牛肉価格の上昇リスクを確信している」と語る。

今年、米国の国民一人当たりの小売牛肉消費量は60ポンドに達する見込みだ。労働統計局の最新データによると、コアインフレ率の前年比は2.9%だが、牛肉価格の上昇率はそれ以上だ。7月の「All Fresh」小売価格は前年同月比9%高と大幅に上昇し、ポンドあたり8.90ドルに達している。

同社では、牛肉の品質向上と小売店での高級部位の供給増加が、需要を牽引していると指摘する。米国では肉牛生産において、霜降り度が高く、風味の良い牛肉を生産するため、遺伝子改良を選別的に進めてきた。その結果、現在の牛肉格付けでは85%がUSDAチョイス等級以上となっている。高品質な牛肉へのアクセスはかつてないほど身近になり、消費者はその味を好むようになったという。

この背景には、コロナ過の影響で、「高級サービス」よりも「高級品の購入」によって生活をランクアップさせようとする傾向が強まったこともあるという。高品質な牛肉を自宅で消費すれば、高級レストランでの食事に比べて割安なコストで楽しむことができる。

また、牛肉を食べる消費者の健康意識が著しく向上していることも指摘されている。筋肉の生成に必要なたんぱく質を求めるフィットネス志向の消費者が、牛肉を好む傾向にあるという。減量目的のGLP-1薬の普及も消費者の関心を変化させ、食事に含まれるたんぱく質量の増加につながっている。

 

※2025年8月29日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

「FOOD STYLE Japan 2025」に共同出店
ビーフ12社、ポーク7社とブランド肉紹介

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、10月25〜26日の2日間、東京ビッグサイトで開催される「FOODSTYLE Japan 2025」に出展。「アメリカンミート パビリオン」を展開し、米国産食肉を輸入販売する企業との共同出店により、多彩な米国産ブランドビーフとブランドポークを紹介します。

「アメリカンビーフ パビリオン」には、輸入販売会社12社が共同出展し、独自の特長ある米国産ブランドビーフ製品を展示紹介。アメリカンポークでは7社がオリジナルブランドのポークや加工品を紹介します。

各社のこだわりが詰まった多種多様なアメリカンビーフ・アメリカンポークの商材が一堂に介する貴重な機会です。是非とも来場の上、アメリカンミートのバラエティに富んだ商品力を確認いただき、今後の商品購入にお役立てください。

ブランドビーフ、ブランドポークの出展企業は以下のとおりです。USMEFブースでは、各種ガイドブックの配布及び販促提案、試食サンプルも用意しています。

【ブランドビーフ出展社】 【ブランドポーク・加工品出展社】
  • 住商フーズ株式会社
  • 丸大食品株式会社
  • エスフーズ株式会社
  • テンダープラスジャパン株式会社
  • 株式会社アイコン アグリ
  • 兼松食品株式会社
  • スターゼン株式会社
  • 伊藤ハム米久ホールディングス株式会社
  • ハニューフーズ株式会社
  • 日本ハム株式会社
  • プリマハム株式会社
  • 日鉄物産株式会社
  • 日本ハム株式会社
  • プリマハム株式会社
  • 株式会社ラクト・ジャパン
  • 株式会社ハーネット・コーポレーション
  • 住商フーズ株式会社
  • 伊藤ハム米久ホールディングス株式会社
  • ハニューフーズ株式会社
 
 

ポークpファクト・シート