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TRADER'S Be & Po

vol.475 Aug.4.2025
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース カットアウト下落、生体牛は横ばい
豚肉市況は加工原料品がカギ、トリム高騰
トピック 日米貿易協定合意を称賛−USMEF
ワールドトレード 豪州が米国産牛肉の輸入を承認
中国が豪州産牛肉にSSG発動、昨年より早く
関税問題 ブラジルが直面する損失の可能性
セーフティ USDA・FSISの新長官、新たな食品安全計画を発表
ファクトシート ポーク(2025年6月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

カットアウト下落、生体牛横ばい

 
 

ビーフのカットアウト価格は下落を続けている。7月第3週のカットアウト総合(カット・ひき材・トリム)平均価格は、100ポンド当たり376.86ドルと、前週から10.68ドル下落した。チョイスは372.42ドルで前週比14.28ドル安、セレクトは360.94ドルで同10.71ドルの下落となった。

第4週は、前半4日間でチョイスがさらに5.46ドル下落して368.09ドルに、セレクトは4.49ドル安の347.00ドルとなった。しかし、牛ひき材(90CL)は418.19ドル(前年同期比11.3%高)と依然として高く、8週連続して過去最高値を更新した。50CLは257.43ドル(同8.2%高)。

一方、生体牛の現物価格は高値安定で推移している。7月第3週の主要5州の去勢牛平均価格は237.78ドル、枝肉は379.36ドル。前週比でそれぞれ0.57ドル、0.15ドル高だった。これは今年の最高値かつ過去最高値の238.91ドル(6月15日週)をわずかに下回る水準だ。

第4週は、水曜日までに報告された取引頭数は2011頭にとどまった。アイオワで少数の牛が236ドル、南部では1717頭が230ドルで取引された。北部の取引価格が南部を大幅に上回っている。

7月第2週の平均枝肉重量は、去勢牛が934ポンド(前年同期比19ポンド増)で、前週比1ポンド増。未経産牛は855ポンド(同24ポンド増)で、前週比横ばい。プライムおよびチョイスの格付け割合は84.39%で、高水準を維持している。

 

※2025年7月25日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

豚肉市況は加工原料品がカギ、トリム高騰

 
 

豚肉供給は季節的な底に近づいている。7月第1週の豚と畜頭数は237万1000頭と、前年同期比でほぼ横ばいだった。第2週は238万頭前後と予想され、前年同期をやや上回る見込みだ。

6月第1週以降、と畜頭数は前年同期比で平均2.5%減少している。これは、USDAの豚飼養動向の6月度調査で見込まれた0.6%減を大幅に下回る水準だ。と畜頭数の不足と季節的な枝肉重量の低下が相まって、供給量が予想以上に少なく、これがここ数週間のカットアウト価格を支えてきた。

7月のカットアウト価格は117ドル前後と予想される。前年同月比では17%高いが、2023年7月とほぼ同水準だ。生鮮品は、供給量の減少と強い需要を受けて好調に推移している。牛肉・鶏肉の価格高騰も追い風となっている。

全体の供給減と、BBQ需要によるショルダーの価格上昇は、トリミングの価格も押し上げている。42CLは120ドルに迫り、昨年のほぼ2倍の水準に達している。72CLは前年比で56%上昇している。トリミングの高値は、と畜頭数が250万頭近くに回復する8月後半まで続くだろう。

これまで高値を続けてきたベリーは、7月11日に大幅下落したが、8月初旬までは現状水準を維持する見込みだ。季節的な供給減少・低水準な冷凍在庫・小売における販促の増加が、ベリー価格を下支えするだろう。

 

※2025年7月14日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  42CL(赤身率42%の豚ひき材)の価格推移(左)/72CL(赤身率72%の豚ひき材)の価格推移(右)
  米国の週当たり豚と畜頭数の推移
 
トピック

日米貿易協定合意を称賛−USMEF

 
 

米国肉類輸出連合会(USMEF)は、米国産牛肉と豚肉の輸出先第2位の日本との新たな貿易合意について、日本への輸出を安定させ、機会を拡大するものだとして、トランプ政権の措置を高く評価している。

トランプ大統領は、トゥルース・ソーシャルへの投稿で、日本との「大規模な」合意を発表。日本からの米国向け輸出には15%の相互関税を課し、自動車関税も同水準となる見込みだ。

USMEFは、「トランプ大統領は最初の任期中に、重要な日米貿易協定を締結した。これにより、米国の赤身肉は日本で再び公平な競争条件を獲得し、非常に信頼性の高い市場としての地位を取り戻した」と評価。

「ホワイトハウスが発表した情報によると、新たな協定は、数十年にわたって米国の畜産・食肉産業および日本の消費者・輸入業者・顧客に莫大な利益をもたらしてきた、日米間の長期的な経済連携を強化することに焦点を当てている。USMEFは、アジア太平洋地域という重要な市場で再び合意が成立したことに感謝し、日本との継続的な成長と相互利益の拡大を期待している」と述べている。

 

※2025年7月25日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ワールドトレード

豪州が米国産牛肉の輸入を承認

 
 

豪州は7月24日、米国産牛肉の輸入制限を解除し、生鮮および冷凍の牛肉製品の輸入を許可すると発表した。豪州のジュリー・コリンズ農業大臣は、豪メディアに「米国産牛肉の輸入に関する見直しは、過去10年間にわたり科学的かつリスクに基づいた厳格な評価が行われてきた。米国が導入・強化してきた管理措置はバイオセキュリティ上のリスクを効果的に管理していると判断した」と述べた。

豪州は、米国産牛肉の一部については、牛海綿状脳症(BSE)の発生に対する懸念から輸入を禁止していた。全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)のバック・ヴェルベイン会長は、「20年間、豪州は米国産牛肉の輸入を拒否してきた。一方で豪州は米国へ290億ドル相当の牛肉を輸出してきた。科学に基づいた双方向の貿易ができていなかったことは長年の懸案事項だった。トランプ大統領が豪州市場を開放したことは喜ばしい。米国の農家と牧場経営者のために闘い、輸出市場を拡大し、世界中の不公正な貿易協定を是正する大統領がいることを誇りに思う」と述べた。

今回の決定は、米国と豪州の貿易協定の交渉の中で発表された。両国は鉄鋼・アルミニウムならびに医薬品の関税率に関して交渉を続けている。

 

※2025年7月24日 FOODMARKET.com

 
 

中国が豪州産牛肉にSSG発動、昨年より早く

 
 

中国国際貿易単一窓口(中国国家港湾管理局が運営するウェブサイト)の最新の発表によると、中国の豪州産牛肉輸入量が7月24日時点で、2025年特別農業セーフガード(SSG)の発動条件を満たしたとしている。

今年度の年間割当量が増加したにもかかわらず、割当量は205日で消化され、昨年より75日早く終了した。

2015年12月に発効した中国・豪州自由貿易協定(ChAFTA)によって、豪州産牛肉の関税は撤廃された。ただし、中国は牛肉輸入(内臓を除く)が指定された年間制限を超えた場合、セーフガード措置を課す権限を維持している。割当量は、当初の2017年に17万トンに設定され、毎年増加して2031年までに段階的に24万9000トンまで引き上げられる予定だ。

中国が豪州産牛肉に対してSSGを発動するのは今回で6度目となるが、今年は米国の牛肉供給が急減する中、豪州からの輸入が拡大した。4月以降、豪州産の穀物肥育牛肉は、中国のプレミアム市場で著しいシェア拡大を遂げている。この変化は、米中の貿易摩擦が激化する中で、中国が米国産牛肉の加工施設の認定を更新しないことも要因となっている。

中国は5月27日、豪州産牛肉の2025年SSGのトリガー量を19万985トンに更新した。この調整は、2024年末時点で輸送中と申告された豪州産牛肉1万7321トンを反映し、元のセーフガード量20万8307トンから削減したもの。この基準値を超過したため、豪州産牛肉には2025年12月31日まで最恵国待遇(MFN)関税12%が適用される。ゼロ関税枠は2026年1月1日にリセットされる。

豪州のDAFFのデータによると、豪州産牛肉の中国向け出荷量は、SSG発動の可能性を前にした6月には13万4596トン(前年比26.8%増)に達し、月間輸出量としての過去最高を記録した。

 

※2025年7月22日 FOODMARKET.com

 
関税問題

ブラジルが直面する損失の可能性

 
 

ブラジル食肉パッカー協会(CBW)は、「ブラジルは、トランプ大統領が8月1日から実施するとしている50%の追加関税について、何らかの救済措置を交渉できない限り、2025年後半には米国向けの牛肉および畜産製品の売上高が、少なくとも13億ドルの損失を被る可能性がある」との予測を発表した。

既報のとおり、既存の関税26.4%(枠外関税)に加えて50%の追加関税が課せられると、ブラジル産牛肉の関税率は76.4%になる。ブラジル国内外の貿易アナリストは、このような条件では貿易は成立しなくなるとしている。

ブラジルにとって、米国は現在、中国に次ぐ第2位の牛肉輸出先だ。今年1月から5月までの間で、米国のブラジル産牛肉輸入量は16万5000トンに達し、前年同期比で85%増加している。ブラジル政府は追加関税に対する抗議を正式に表明する書簡を送付したが、同書簡では同時に、ブラジルが米国当局との対話に臨む用意があり、相互に受け入れ可能な解決策を交渉するという意向を示している。

 

※2025年7月25日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
セーフティ

USDA・FSISの新長官、新たな食品安全計画を発表

 
 

米国農務省食品安全検査局(USDA-FSIS)の新長官に、ジャスティン・ランサム博士が7月14日に正式就任した。ランサム博士は、FSISの近代化の取り組みを推進し、検査システムの合理化、米国の公衆衛生保護の強化、および同機関の科学に基づく政策の推進を担当することになる。

ランサム博士は、食品安全、品質管理、動物福祉、持続可能性の分野で20年以上の経営リーダーシップ経験を有しており、今回の任命前には、タイソン・フーズの持続可能食品戦略シニアディレクター、マクドナルドやOSIグループのリーダーシップ役職を歴任してきた。

 新長官就任の翌日、USDAは公衆衛生の向上とFSISの保護手法の近代化を目的とした新たな「5つの食品安全計画」を発表した。この計画の取り組みの要点は、食中毒予防の強化、検査プログラムの強化、規制監督の見直しなどで、ポイントは以下のとおり。

  • 微生物検査と検査監督の強化(リステリア菌に対するより強力な検査や、対面による食品安全評価など)
  • 検査官に最新の研修やツールを提供し、食品安全リスクを積極的に特定・対応する能力を強化する
  • 規制による不要な負担を最小限に抑えながら、サルモネラ菌による食中毒を減らすための、実用的かつ新しいアプローチの導入
  • 協力協定の更新と1,450万ドルの新規資金投入により、州の検査プログラムとの提携を強化する。
  • 検査官の権限を強化し、より強力なコンプライアンス措置を講じる(執行管理の強化、必要な再訪問など)。
 

※2025年7月22日 FOODMARKET.com

 
 

ポークpファクト・シート