テキサス州フォートワースで開催された米国食肉輸出連合会(USMEF)の春季会議では、貿易上の課題を克服するために、海外事務所のシニア・スタッフがそれぞれの主要市場での新たな取り組みを報告した。
アジア太平洋地域担当副会長のヤン・ジヘイ氏は、「中国への米国産豚肉および牛肉の輸出が高関税やその他の障壁によって大きく制限されている現状を受けて、従来中国で人気のあった部位を他の市場に展開する取り組みを強化している」と述べた。
たとえば、中国での輸出工場認定の不確実性や関税の上昇によって流通が難しくなったショートプレートについては、「韓国の大手小売業者と提携し、販促キャンペーンを実施した。中国との貿易停滞が続くようであれば、東南アジアの輸入業者や流通業者に対して、より多くの米国産ショートプレートが提供されることになるだろう」という。
さらに、韓国のミールキットメーカーや日本の流通業者と連携して、米国産豚の塊を使用した商品開発・販売促進を行っており、またポークタントリミングは日本のカジュアルダイニング業態で提供される人気メニューとして積極的にプロモーションが行われているという。
メキシコ・中米・ドミニカ共和国担当ディレクターであるジェラルド・ロドリゲス氏は、メキシコが米国産赤身肉の最大の輸出先に成長してきたことを説明するとともに、現在はかつてないレベルの競争に直面していることを説明。
同氏は、米国の赤身肉を他国の製品と差別化し、そのユニークな特性について消費者に啓蒙することがこれまで以上に重要であるとの判断から、次世代の消費者に米国産赤身肉のロイヤリティを確立させることに重点を置き、いくつかの新しいプログラムを開発。移動式グリル・アカデミーはその好例で、メキシコ全土で米国産赤身肉の特長への理解を普及しているという。
ラテンアメリカ代表のホメロ・レシオ氏は、コロンビアの米国産牛肉に対する規制を克服するための取り組みを報告。この規制は、米国内の乳牛から高病原性鳥インフルエンザが検出されたことに関連するもので、一時は米国の14州で生産された牛肉にまで拡大されたが、2024年9月に解除された。この規制が他国産の新たなビジネスチャンスとなったこともあり、その影響を払しょくするために、米国産牛肉に対する顧客の信頼を回復してシェアを奪還した取り組みを報告した。
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