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TRADER'S Be & Po

vol.469 May.12.2025
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛は底堅さ出始める、カットアウト堅調
豚先物は回復、カットアウトは変動性強い
生産動向 フィードロットの供給可能頭数は依然として多い
フードサービス 全米レストラントップ50ランキング
消費動向 牛肉需要の脅威は高まる景気後退リスク―ラボバンク
USMEFインフォメーション 6月11日に福岡でアメリカンミートセミナー開催
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクトシート ポーク(2025年3月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛は底堅さ出始める、カットアウト堅調

 
 

乱高下を繰り返してきた生体牛の現物価格は、底堅さを見せ始めた。4月第1週の主要5州の去勢牛価格(100ポンド当たり)は211.14ドルだったが、第2週は207.70ドルまで下落。しかし、第3週には211.63ドルまで上昇した。第4週は、水曜日までの取引が888頭と少なく、210〜213ドルだったが、木曜日に取引が活発化し、カンザスでは生体牛2134頭が210ドルで取引された。

一方、カットアウト価格は堅調だった。第3週の全体(カット・ひき材・トリム)の平均価格は332.08ドル(前週336.53ドル)、チョイスは331.16ドル(同334.48ドル)で、第4週は前半4日間でチョイスが2.18ドル上昇し、333.70ドルを付けた。

アナリストは、「カットアウト価格は季節的な上昇基調にある。チョイスは、340ドルの抵抗線をまだ突破していないが、グリルシーズンが間もなく始まる。牛肉需要が年間で最盛期を迎える5月中旬へ向けて、さらに上昇するだろう」と予想する。

ただ、牛肉需要への懸念も顕在化しつつある。「景気の先行きについての消費者の楽観的な姿勢は、ほぼ消えてしまった。経済と労働市場に対する不安から、消費者の節約志向が広がり始めており、カットアウト価格の季節的な上昇が本格化するかどうかは、イースター以降の動きにかかっている」との見方もある。

さらに、輸出需要も注視する必要がある。ロイターは先週、米国産牛肉が中国のレストランから急速に排除されていると報じた。米国は、これまで毎月1億2500万ドル以上の牛肉を中国に輸出していたが、現在は135%から145%の関税に直面している。

 

※2025年4月25日 CATTLE BUYER’S WEEKLY

 
 

豚先物は回復、カットアウトは変動性強い

 
 

関税政策の発表直後、リーンホッグ先物の6月限は88ドルまで下落し、2月時点より約18ドル(17%減)低下した。報復関税の一時停止、メキシコとカナダへの限定的な関税措置、今後90日間の新たな貿易取引の可能性を受け、現在は4月2日の発表前の水準にまで回復している。

昨年は、6月限が期日を迎えた時期のCME指数とカットアウト価格のスプレッド(価格差)は、100ポンド当たり約9ドルだった。過去3年間で最も大きな価格差だったが、これは豚の供給が予想より多かったためだ。今年は、12〜2月期の子豚生産頭数が0.2%減、供給量もやや減少する見込みで、価格差は昨年ほど拡大しないと見られるが、中国向け輸出と夏場の外食需要が不確定要素となる。

中国が米国産豚内臓に関税を課した場合、パッカーは内臓製品から得てきた利益の減少を、正肉で埋め合わせようとするかもしれない。先物とカットアウトの価格差が昨年と同じだと仮定した場合、現在の先物価格はカットアウト価格が107ドル前後となることを示唆している。

ロインの価格は前年を下回っており、牛肉と鶏むね肉価格の高騰を考えると、ロイン価格は6月に100ドルを上回る可能性もある。ピクニックは、第1四半期に前年を上回って推移したが、輸出減速の影響が出始めている。バットの現在の価格は113ドルだが、先物に合わせると、6月に15%以上の上昇が必要になる。

夏場のカットアウト価格を左右するのは、モモとバラだ。メキシコとの貿易摩擦が再び激化すれば、モモの価格はより大きなリスクを負うことになる。メキシコ産トマトに対する関税は7月14日に発動される予定で、メキシコは対抗措置として米国産豚肉と鶏肉に独自の反ダンピング関税を課すと予告している。

現在の先物価格が示唆する6月のモモ価格は、現在より10%ほど高い90ドル台前半となる。バラは140ドル台半ばから後半と想定されるが、これは前年よりも高く、外食需要が付いてくるかどうかを注視する必要がある。

 

※2025年4月21日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  ポークカットアウト価格の推移
  豚先物価格の推移(左)/カットアウト価格の部位別価格比2025年4月18日Vs2024年4月19日(右)
 
生産動向

フィードロットの供給可能頭数は依然として多い

 
 

米国内のフィードロットでは、依然としてフロントエンド(肥育日数150日以上の牛)が多く、枝肉重量もこの時期としては記録的な高水準となっている。

通常、フロントエンドの牛の頭数は、5月1日までにピークを迎え、その後10月まで減少していく。その減少幅は、昨年には63万6000頭だったのに対し、今年は60万8000頭と見込まれている。

アナリストは、「5月1日のフロントエンドは、前年より12万6000頭、過去5年平均より38万9000頭多い。5月から10月までの減少幅は昨年より大きく、過去5年平均も超えるものの、5月1日の期首在庫もかなり大きいため、依然として高い水準が続くはずだ。枝肉重量のデータもそれを裏付けている」という。

枝肉重量が前年比で8.5ポンド増加するごとに、週間の牛肉生産量は1%増加する計算になる。また、枝肉重量は6月に季節的な最低値を記録し、その後11月中旬まで増加傾向をたどる。過去5年間の季節的な底から年末にかけての増加は、去勢牛平均が45ポンド、未経産牛は32ポンドだ。

USDA-ERS(経済調査局)は、最新の需給予測で「枝肉重量の増加は、と畜頭数の鈍化を補って余りある」とし、2025年の牛肉生産量予測を先月公表時より1500万ポンド上方修正し、267億ポンドとした。

今年の去勢牛と未経産牛のと畜頭数は、先月予測から下方修正されたが、この減少は各四半期の枝肉重量の増加見通しによって相殺されると見込んでいる。ERSによると、第1四半期にと畜された牛に占める去勢牛と未経産牛の割合は、2006年以降で最も多く、また、この時期の枝肉重量としては最も重かった。枝肉重量は年内を通して緩やかに増加する見通しであり、フロントエンドの牛の割合は高止まりすることが見込まれる。

 

※2025年4月7日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

 
フードサービス

全米レストラントップ50ランキング

 
 

Circana™社が発表した2025年の米国レストラン・ランキング・レポートによると、2024年の外食消費支出は前年比で2%増加し、4年連続の成長となった。同社は、「2024年の最大のトピックは『バリュー(値頃感)』だった。インフレが続く中で、チェーン各社は手頃な価格を重視した施策を展開。トップ50社のうち、20社が値頃感のあるメニューを提供した。こうした競争は2025年に入っても続いている」としている。

トップ50のレストランは、米国の外食産業全体の売上額の61%を占めているが、店舗数としては24%にすぎない。業態別内訳では、クイックサービスレストラン(QSR)が34社、カジュアルダイニングが11社、中規模ファミリースタイルチェーンが5社。QSRハンバーガーが最も勢いのある業態で、10チェーンがランクインしている。

上位50社のうち28社で売上高が増加し、31社で店舗数が増加した。上位10社はすべてQSRだ。カジュアルダイニングチェーンの最大手は18位のオリーブガーデン。トップ3はマクドナルド、スターバックス、チックフィレイで、この3社合計の売上高は1000億ドル以上と、50社合計の32%を占めている。

  U.S.レストラントップ50社ランキング2025
 
消費動向

牛肉需要の脅威は高まる景気後退リスクーラボバンク

 
 

ラボバンクの最新レビューによると、米国では関税による景気後退の可能性が高まっており、消費者心理の悪化によって、外食産業と小売業にとっては今年が「回復の年」になるという期待が危うくなっているという。

特に、貿易の混乱が豚肉価格の重荷になり始めており、豚肉生産者は慎重になっている。牛肉需要は北米全域で堅調さを保っており、米国の牛肉小売価格は最高値を更新しているものの、不確実性も根強い。

米国と世界各国との関税・貿易交渉は日々変化を続けており、ラボバンクは2025年の大半を通じてこの状況が続くと予想している。

ただ、米国の消費者が自国産の牛肉を多く消費することに変わりはない。2024年の米国の牛肉輸入量は過去最多の46億ポンドだったが、これは米国の牛肉消費量の18%に過ぎない。米国産牛肉の輸出割合も生産量の11%にとどまっている。このため米国産牛肉の国内需要は、最需要期を前に異例の強さを維持している。

USDAの「All Fresh」が示す牛肉小売価格は、3月にポンド当たり8.42ドルと史上最高値を記録(チョイス価格も8.75ドルと史上最高値)。前年同月比では、それぞれ6.7%と7.8%上昇した。カットアウト価格は同期間中に9%上昇している。

今年の米国民一人当たり牛肉供給量は2%増と推定され、小売と卸売の牛肉需要は前年比でそれぞれ6%増、9%増と予想される。ラボバンクは牛肉需要に対する潜在的な脅威として、景気後退リスクの高まりと消費者心理の悪化を指摘。消費者の経済的懸念によって、近年のカットアウト価格の上昇を支えてきたミドルミート(ロイン系)の需要が弱まる可能性があるとしている。

 

※2025年4月25日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

6月11日に福岡でアメリカンミートセミナー開催

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、「アメリカンミートトレードセミナー 2025 IN九州」を下記内容にて開催します。本セミナーでは、アメリカンビーフ&ポークの市場動向とUSMEFの販促計画をご説明するとともに、メンバー企業等によるパネルディスカッションでアメリカンミートに関する最新情報の提供と商品提案を行います。テイスティングセッションでは、USMEFの2025年推奨メニューを中心に、ビーフならびにポークの焼肉・BBQ・ステーキ・バーガーなどの多彩なメニューの試食をお楽しみいただけます。参加希望の方は、下記の申込フォームからご送信ください。

アメリカンミートトレードセミナー&テイスティングセッション 2025 IN 九州
〜米国の食肉市場の最新動向と提案メニュー試食会〜

● 開 催 日 時 ●

2025年6月11日(水)
15:00〜18:30(受付開始14:30)
主催:米国食肉輸出連合会(USMEF)

● 開 催 場 所 ●

ホテルオークラ福岡 4階「平安の間」
〒812-0027 福岡県福岡市博多区下川端町3-2

《主なプログラム》

【 第 1 部 】
情報提供セミナー…15:00〜
◎米国の食肉市場の最新動向
◎USMEFの販促活動のご説明
◎USMEFメンバー企業によるパネルディスカッション&プレゼンテーション

【 第 2 部 】
テイスティングセッション…16:30〜18:00
USMEFの2025年推奨メニューを中心に、アメリカンビーフ・ポークそれぞれの焼肉・ステーキ・BBQ・バーガーなど多彩なメニューを、着席ビュッフェ形式でご試食いただけます。

【 定 員 】 150名

【 参 加 費 】 無料(テイスティングセッションからの参加はご遠慮下さい)

【 申込方法 】 申込フォームに必要事項をご記入の上、5月28日までに送信下さい。
(定員になり次第締め切らせていいだきますことを予めご了承願います)

◆申込フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e
/1FAIpQLSeVMUhE7PIcjdhxJVLirl37MXv2MPQe6oWVd07YrnWCj5GJog
/viewform

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポークpファクト・シート