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TRADER'S Be & Po

vol.467 Apr.7.2025
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛市場、肥育業者の優位続く
豚肉の供給増は限定的ながら先物は下落
ワールドトレード 中国への輸出認可更新を待つ米国の牛肉処理施設
生産動向 フィードロット飼養頭数、3カ月連続で前年割れ
トピック トランプ政権、食肉処理ラインの速度引き上げを承認
消費動向 2024年の食肉小売販売、過去最高を記録
USMEFインフォメーション 4月22日に沖縄でU.S.ミートセミナー&提案メニュー試食会
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクトシート ポーク(2025年1月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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米国食肉輸出連合会(USMEF)は、「Trader’s Be&Po」の内容充実を図るために、読者アンケートを実施しています。アンケートの内容は、質問項目にチェックいれる簡単なものですので、下記URLよりご協力の程をよろしくお願い申し上げます。

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市況ニュース

生体牛市場、肥育業者の優位続く

 
 

1〜3月(第3週まで)の主要5州の生体牛平均価格(去勢・100ポンド当たり)は203.34ドル、最高値は209.57ドル、最安値197.65ドルだった。第1四半期に生体牛の週間平均価格が200ドルを下回った週は、これまでに3回しかない。

フィードロットでは、肥育日数150日以上の牛の飼養頭数が前年を上回って推移しているが、生体牛取引では、依然として肥育業者が優位なポジションを維持しており、パッカーマージンは悪化している。

アナリストは、「年初からの11週間におけるパッカーのマージンは、1頭当たり平均で109.58ドルの赤字。週間の損失幅は最大で203.80ドル、最小でも16.99ドルとなっており、第1四半期の損失は過去最大となる見込みだ」という。

3月第3週も、肥育業者は売値を前週より高く設定した。パッカーも木曜日までは抵抗して、現物取引はほとんど行われなかったが、金曜日にはそれも崩れて取引が活発化し、パーカーは高値での購入を余儀なくされた。生体牛の平均価格は205.30ドル、枝肉価格は324.97ドル。前週比ではそれぞれ5.02ドル、8.54ドル上昇した。

チョイス等級の発生率が72〜73%を維持していることも、チョイスのカットアウト価格が上昇しない一因となっている。チョイスのカットアウト価格は、1月24日週の328.58ドルをピークに、2月21日週には313.66ドルまで下落。その後やや回復したが、3月第3週は318.06ドルとなった。

 

※2025年3月21日 CATTLE BUYER’S WEEKLY

 
 

豚肉の供給増は限定的ながら先物は下落

 
 

3月1日時点での繁殖豚の飼養頭数は、12月1日時点より2万頭ほど増加するが、前年同期比ではほぼ同水準になると予想される。2024年12月〜25年2月期の子豚生産頭数は2%増となる可能性が高いが、これは一腹当たりの産子数の増加と分娩頭数の小幅増によるものだ。

USDAは2025年の豚肉供給を2%増と予想しているが、実際の肉豚供給はより限定的になる可能性がある。2月時点の生体豚先物価格(リーンホッグ・100ポンド当たり)は、6月限が106ドルだった。これは、今夏のカットアウト価格が110ドル近辺、モモのプライマル価格を90ドル台後半になることを想定したものだろう。

しかし、この1カ月で6月限先物は約9ドル下落した。これは、主にモモとピクニックの価格が下落することを予想したものだ。米国産豚肉のモモとピクニックは生産量の半分近くが輸出されており、メキシコ・カナダとの関税問題が潜在的な懸念となって市況見通しをより不透明にしている。

先物市場がメキシコとの貿易紛争を懸念するのは、過去に経験があるからだ。メキシコは2018年6月、米国産豚肉に10%の関税を課し、7月には20%に引き上げた。これにより、2018年下半期からモモの輸出量と価格は劇的に変化した。

通常、米国の豚肉生産は秋季に増加する。豚のと畜頭数が増え、枝肉も重くなるためだ。この季節的な拡大は輸出量を増やす要因となる。しかし、2018年の秋冬はメキシコ向け輸出量が減少したことから、全体の輸出量は2ケタ台の減少となった。

さらに重要なことは、モモの価格が下半期に急落したことだ。現在、10月限先物は、供給増が予想されるにもかかわらず、1年前に近い水準で取引されている。これは、先物市場がメキシコ・カナダとの関税問題の影響を長期的視点でまだ織り込んでいないことを示唆しており、今後の成り行きを注視する必要がある。

 

※2025年3月24日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の繁殖豚の飼養頭数(四半期毎)
  2017-2018年の骨付きモモの対メキシコ輸出量(左)/2017-2018年の骨付きモモの価格(右)
 
ワールドトレード

中国への輸出認可更新を待つ米国の牛肉処理施設

 
 

中国に牛肉製品を輸出している米国の390施設が、中国による登録更新を待っている。これらの施設の認可は3月16日(一部は2月下旬)に失効した。同時に認可が失効した豚肉処理・冷蔵施設(300以上)は、すでに全ての施設が更新され、向こう5年間の認可を受けている。

世界最大の食肉消費市場である中国は、米国産豚肉、特に豚バラエティーミートにとって重要な輸出先だ。米国の2024年の中国向け輸出量は36万7000トン、輸出額は11億ドル以上に達し、うちバラエティーミートが約55%を占める。

USDAとUSTRはここ数カ月間、期限切れまたは最近期限切れとなった米国の豚肉・牛肉施設の登録更新のために、中国税関総署と協力して協議してきた。豚肉生産者が勝利を祝う一方で、牛肉工場はいまだ待機状態にある。

USMEFのジョー・シューレ氏は、「牛肉分野でも近いうちに同様のニュースが届くことを期待している」とし、輸出業者に対しては、「3月16日以前に輸入検疫許可を取得していれば、3月16日以前に生産された牛肉は通関できるはずだ」と助言している。

USMEFは、中国へのアクセスが失われた場合、牛肉業界は年間で41億3000万ドルの影響を受けると推定している。問題となっている登録は、2020年に初めて発行されたもので、当時のトランプ政権の下で成立した米中第1段階貿易合意の一環だった。

 

※2025年3月21日 CATTLE BUYER’S WEEKLY

編集部追記:中国は3月31日、牛肉輸入に関する調査の公聴会を開き、「公正かつ客観的な」裁定を下すことを約束したが、国内生産者がリスクにさらされていることが判明した場合は、関税の引き上げや輸入制限につながる可能性があるとした。中国商務部は、公聴会には米国はじめブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、豪州など主要供給国の当局者を含む約180人の代表者が集まったとしている。

 
生産動向

フィードロット飼養頭数、3カ月連続で前年割れ

 
 

3月1日時点のフィードロットの飼養頭数は、3カ月連続で前年同月を下回った。総飼養頭数は1158万頭、前年同月比2%減となった。これは、2月の導入頭数が昨年を大きく下回ったことが影響している。

アナリストによると、3月1日時点のフロントエンド(肥育日数150日以上)の牛は277万7000頭と推定され、前年同月を1.7%上回った。過去5年平均比では12.3%増・30万4000頭の増加。

フィードロットの飼養頭数は、2月にピークを迎え、8月にかけて減少傾向をたどる。3月から8月までの季節的な減少幅の過去5年平均は74万4000頭。MBSリサーチのアナリストは、「2月の導入頭数の大幅な減少は、記録的な水準だった2024年2月との比較によるもので、2025年の肥育牛導入頭数は典型的な季節パターンに沿っている」という。

同氏は、「1月と2月の導入を合わせると、前年比で約8%減。過去4カ月間での導入は40万頭以上(約6%)減少している。肥育業者は導入コストの上昇を、出荷重量を増やすことで対応しようとするため、結果的に肥育牛の供給減少は夏季の後半に遅れて起こるだろう」と指摘する。

 

※2025年3月15日 CATTLE BUYER’S WEEKLY

 
トピック

トランプ政権、食肉処理ラインの速度引き上げを承認

 
 

トランプ政権は、米国の鶏肉・豚肉加工工場がより迅速に操業できるようにすることを認めると発表した。USDAの今回の決定は、処理ラインの高速化を提唱してきた食肉会社や全米チキン協議会などの業界団体にとっては勝利となる。

USDAは、一部施設で認められている処理速度の上限引き上げを恒久化するためのプロセスを開始する予定だ。認可を受けた鶏肉工場では、1分間の処理能力を、従来の140羽から175羽まで拡大できる。USDAの発表では、加工速度と労働災害との間に直接的な関連性はないとしている。

トランプ大統領は第1期目の2019年、豚肉加工施設が処理ラインの速度を自由に設定できる規則を発令した。しかし、労働組合の異議申し立てを受け、2021年に連邦裁判官がこの規則を無効化。2023年にバイデン政権は6つの豚肉加工施設に対し、試験的に処理速度の引き上げを許可し、USDAは労働者の負傷に関するデータ収集を行った。

6つの豚肉工場のうち1つでは、ライン速度の引き上げがリスク増加と関連し、別の1つでは逆にリスクが低下、4つでは統計的に有意な影響はなかった。全米豚肉生産者協議会(NPPC)は、速度引き上げの恒久化が生産者の安定につながると述べている。

 

※2025年3月18日 FOODMARKET.com

 
消費動向

2024年の食肉小売販売、過去最高を記録

 
 

FMI(食品産業協会)とNAMI(北米食肉協会)が発表した「Power of Meat 2025」(肉の力・第20回年次報告書)によると、2024年の小売市場における食肉の売上高は過去最高の1050億ドル(前年比4.7%増)を記録した。販売量は同2.3%増。

2024年の食肉販売の主役は牛肉だった。牛ひき肉は8万5000店舗の生鮮食品の中で、絶対的な成長率を誇るナンバーワン商品だった。米国の消費者のうち、肉を食べる人の割合(80%)と食肉を購入する世帯の割合(98%)は横ばいだったが、食肉の消費量を減らそうとする世帯の割合は、2020年比で20%減少した。

同報告書によると、米国の消費者の94%が生活費に懸念を抱いており、価格や販促がいっそう重視されているが、同時にレストランでの食事に代わるものを求め、バリュー・カットとプレミアム・カットの両方が増加した。

消費者の53%は、時間とお金のバランスを考え、ゼロから調理するものと、調理済みあるいは総菜を組み合わせて食事を準備している。消費者は、献立、買い物、調理に利便性を求め、付加価値のある惣菜や冷凍肉を食事のラインナップに加えることが増えている。

10人中7人以上の消費者が、食肉は栄養素の宝庫であり、全体的に健康的な選択であると考えている。消費者の関心はタンパク質に向いており、90%が毎日十分なタンパク質を摂取することが重要だと考えている。

家畜の飼育や調達基準について、消費者はますます透明性を求めるようになっている。米国内の家畜飼育を肯定的に感じている消費者は半数にのぼり、10人中4人は、利用する店が人道的に飼育された肉を販売していると信頼している。

精肉販売におけるスーパーのシェアは減少を続け、EDLP業態がシェアを拡大している。従来のスーパーの食肉売上シェアは、2019年の52.8%から2024年には46.3%に低下した。ミレニアル世代の強い関与に後押しされ、スーパーセンター・会員制・オンライン販売は過去20年間でシェアを拡大した。

消費者はケースレディミートを、店内でカットされた食肉や鶏肉と同様、あるいはそれ以上に良いと考えるようになっており、またポーションサイズの多様性や賞味期限の長さなどのパッケージの利点を求めている。

 
USMEFインフォメーション

4月22日に沖縄でU.S.ミートセミナー&提案メニュー試食会

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、「アメリカンミートトレードセミナー2025 IN 沖縄」を開催します。本セミナーでは、アメリカンビーフ&ポークの最新の市場動向とUSMEFの販促計画をご説明するとともに、沖縄におけるアメリカンミートの有効活用策についてのパネルディスカッションを行います。テイスティングセッションでは、USMEFの2025年春夏向け推奨メニューを中心に、リゾート地に適したBBQ・ステーキ、バーガーなどの多彩なメニューの試食をお楽しみいただけます。

アメリカンミートトレードセミナー&テイスティングセッション 2025 IN沖縄
〜沖縄におけるアメリカンミートの有効活用策と提案メニュー試食会〜

● 開 催 日 時 ●

2025年4月22日(火)
14:30〜18:00(受付開始14:00)
主催:米国食肉輸出連合会(USMEF)

● 開 催 場 所 ●

ロワジールホテル那覇 本館3階「天妃」
〒900-0036 沖縄県那覇市西3-2-1

《主なプログラム》

【 第 1 部 】
情報提供セミナー…14:30〜
◎米国の食肉市場の最新動向とUSMEFの販促活動のご説明
◎パネルディスカッション
〜沖縄におけるアメリカンミートの有効活用策〜

【 第 2 部 】
テイスティングセッション…16:30〜18:00
USMEFが推奨する2025春夏メニューを中心に、アメリカンビーフ・ポークそれぞれの焼肉・ステーキ・BBQ・バーガーなど多彩なメニューを、着席ブュッフ形式でご試食いただけます。

【 定 員 】 160名

【 参 加 費 】 無料(テイスティングセッションからの参加はご遠慮願います)

【 申込方法 】 申込フォームに必要事項をご記入の上、4月11日までに送信下さい。
(定員になり次第締め切らせていいだきますことを予めご了承願います)

◆申込フォーム https://forms.gle/PoBXjLLw9UgAN1sMA

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

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