印刷する
 

TRADER'S Be & Po

vol.465 Mar.10.2025
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛、カットアウト価格ともに値下げ圧力
豚肉価格は供給減が下支えも関税問題で不透明に
トピック カナダと中国が報復関税、貿易摩擦激化で先物急落
ワールドトレード 中国の豚肉消費量は頭打ち―研究機関が報告
メキシコでスクリューワーム発生も輸入継続−USDA
USMEFインフォメーション アメリカンポーク「春の店頭キャンペーン」を展開
4月から7月31日まで期間延長、当選者数も拡大
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクトシート ポーク(2024年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
定期購読(無料)の登録はこちら バックナンバーはこちら
 
市況ニュース

生体牛、カットアウト価格ともに値下げ圧力

 
 

生体牛の現物取引と牛肉卸売価格は、週間と畜頭数がここ数年で最低水準にあるにもかかわらず、依然として値下げ圧力が強まっている。3月は、2月に次いで牛肉需要が弱い月であることから、向こう1カ月間の価格回復は期待できないだろう。

半面、牛肉の平均小売価格(ポンド当たり)は高騰している。1月の平均価格は8.15ドル(前年同月比4.4%高)、特にチョイスは8.53ドル(同5.6%高)で過去最高を更新。豚肉や鶏肉との価格差が拡大している。

カットアウト価格は、と畜頭数が非常に低い水準にあるにもかかわらず続落している。2月第2週のカットアウト(カット・ひき材・トリム)平均価格は、前週比5.28ドル安の324.40ドル。第3週も、前半4日間でチョイスは24.07ドル、セレクトは3.96ドル下落した。

生体牛価格は3週連続で下落した。第2週の平均価格は生体牛202.91ドル、枝肉320.52ドルで、それぞれ前週比4.14ドル安、6.46ドル安。第3週は生体牛が199〜200ドル、枝肉は315ドルで取引された。

経産牛のと畜頭数は、年初来の6週間で週平均1万5000頭減と大幅に減少していることから、90CLの価格は年初から急騰している。1月第1週の329.42ドルに対して、2月第2週は373.07ドルまで上昇した。これは前年同週比で22.8%高く、過去最高値の376.17ドル(昨年8月3日週)に迫る水準だ。

 

※2025年2月21日 Cattle Buyers Weekly

 
 

豚肉価格は供給減が下支えも関税問題で不透明に

 
 

過去3週間の豚と畜頭数は、前年同週比で8%減・4.9%減・3.3%減だった。この減少幅は、USDAの12月の豚飼養動向調査に基づく予測とはかなりずれている。

飼養調査では、180ポンド以上の豚は1375万7000頭(前年比0.5%減)、120〜179ポンドは1482万4000頭(同0.6%減)。これに対して、1月後半から2月8日までの4週間のと畜頭数は1019万8000頭(同4.1%減)だった。

12月第1週以降、週間と畜頭数は1.5%減少しており、調査結果に基づく予測に比べて1ポイント低い。と畜頭数の減少は、在庫にも影響を与えており、特にベリーは在庫薄で高値になっている。直近のカットアウト価格は97ドル、前年比13%高。ベリーのプライマルは165ドル、同37%高。

メキシコ・カナダとの関税問題が、今後の価格にどう影響するかは不透明だ。予測は難しいが、関税紛争の展開に応じて、短期的な影響と長期的な影響を区別することが重要だ。

例えば、カナダからは非常に多くの肥育素豚が輸入されているが、その多くはマニトバ州から来ている。米国が25%の関税を課した場合、カナダの生産者が単純に追加コストを米国の顧客に転嫁できる保証はない。

カナダには、生産した子豚を全て肥育する収容力はないため、一部で生産の縮小あるいは事業からの撤退も考えられる。短期的には価格への影響が弱くても、最終的には、関税を反映した価格調整をサプライチェーン全体で負担することになるだろう。

 

※2025年2月10日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  ポークカットアウト価格の推移
 
トピック

カナダと中国が報復関税、貿易摩擦激化で先物急落

 
 

米国は3月4日、カナダとメキシコに25%関税、中国にはさらに10%の追加関税を課した。これに対して、カナダと中国は報復関税を発表した。カナダは1550億ドル相当の米国製品に関税を課し、300億ドル相当の対象品への関税を直ちに開始し、残りは21日以内に開始するとしている。

一方、中国政府は米国からの輸入品に追加関税を課すと発表した。鶏肉・小麦・トウモロコシ・綿花に15%、ソルガム・大豆・豚肉・牛肉・魚介類・果物・野菜・乳製品に10%の追加関税を課す。

メキシコは、「緊急時対応計画」を策定して、米国製品に対する独自の関税で対応することを表明している。こうした動きに反応して、CME(シカゴ商品取引所)の家畜と穀物の先物価格は急落した。

生体牛の4月限取引は1.975ドル下落して190.275ドルに、肥育素牛は4.125ドル下落して267.925ドルに、リーンホッグ先物は1.225ドル下落の82.475ドルとなり、昨年9月以来の低水準となった。

 

※2025年3月5日 FOODMARKET.com

 
ワールドトレード

中国の豚肉消費量は頭打ち―研究機関が報告

 
 

中国農業科学院(中国科学院傘下の国家支援研究機関)の研究員は、このほど行われたセミナーで「近い将来に中国の豚肉消費量が拡大する余地はない」との見通しを示した。

中国はこれまで、豚肉需要の増加により養豚の拡張と近代化を進めてきたが、近年は経済の低迷によって消費が落ち込み、生産余剰が価格の下落圧力となっている。同氏は、「現在、中国の豚肉の需要は安定しており、これ以上増加する可能性は低い。繁殖母豚の生産能力を拡大することは推奨されず、代わりにコスト削減や繁殖母豚の生産性向上に注力するべきだ」と述べた。

中国は2024年に、繁殖母豚保有数の国家目標を4100万頭から3900万頭に引き下げた。今年2月に発表された農村労働政策の年間青写真(中央1号文件)の中でも、国務院は豚のと畜を厳格に管理・監督して生産能力を規制すると述べている。

同氏は、「繁殖母豚が増加すれば、豚の価格には年間を通じた下落圧力が継続する。2025年の豚と畜頭数は前年を上回る見込みで、豚の平均価格は10〜20%下落する可能性がある」と予測。中国の豚肉輸入量(内臓肉含む)は4年連続で減少しており、2024年は前年比15.7%減だったが、2025年は昨年(107万トン)よりさらに減少するとの見通しを示した。

 

※2025年2月24日 FOODMARKET.com

 
 

メキシコでスクリューワーム発生も輸入継続-USDA

 
 

国際獣疫事務局(WOAH)によると、メキシコのタバスコ州の牛から新たに「新大陸スクリューワーム」が確認された。この疾病は、ラセンウジバエの幼虫が生体動物の皮下へ潜り込んで深刻な損傷を引き起こすもので、致命傷となる場合もある。この害虫は、家畜や野生生物に寄生し、人間への寄生は希である。

昨年11月にメキシコで同症が発生し、USDAはメキシコからの家畜の輸入を停止したが、その後、メキシコから米国に輸入される動物の健康状態を評価するための新しいプロトコルを策定。2月1日に輸入禁止措置を解除した。

今回の新たな発生に対しては、米国政府は輸入停止措置を行わない方針を明らかにした。USDAは、「包括的な事前審査・処理プロトコルが実施されており、牛とバイソンの米国への移動に対する安全を確保している。新大陸スクリューワームの脅威は軽減されており、追加措置は講じない」としている。

 

※2025年2月19日 FOODMARKET.com Copyright © 2025 Reuters Limited.

 
USMEFインフォメーション

アメリカンポーク「春の店頭キャンペーン」を展開
4月から7月31日まで期間延長、当選者数も拡大

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、4月1日から7月31日まで、アメリカンポーク「2025春の店頭キャンペーン」を実施します。

毎年好評をいただいている消費者プレゼントキャンペーンですが、今回は、「スーパーで買って当てよう!アメリカ産豚肉555kg山分けキャンペーン」として、実施期間を1カ月延長、抽選で当たる賞品の当選者数も5555名に拡大しました。

春から夏にかけての商戦を盛り上げる消費者プレゼントキャンペーンとして展開しますので、行楽シーズン・大型連休等での販売拡大、平時の需要喚起策としてご活用ください。

店頭価格100円以上のパック商品に、2層式のキャンペーンシールを貼付していただくだけで、キャンペーンに参加できる仕組みになっています。シール内部に記載のシリアルナンバーを応募Web(QRコードで遷移)に入力すると、その場で当落がわかります。賞品は、「アメリカンポークロース&肩ロース詰め合わせ1kg」(555名)と、W賞として「アメリカンポークごちポオリジナルシートまな板」(5000名)を用意しました。

ご希望の方にキャンペーン用トレイパックシールを提供します(専用のキャンペーン申込書にて発注下さい)。店頭でのキャンペーン告知用の資材(B5POPと棚帯POP)は、下記よりダウンロードできます(3月24日より)。 https://www.americanmeat.jp/trd/publications/tool/download/index.html
本件に関するお問い合せは担当:植村(tuemura@usmef.org)まで。

  スーパーで買って当てよう!アメリカ産豚肉555kg山分けキャンペーン
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポークpファクト・シート