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TRADER'S Be & Po

vol.464 Feb.25.2025
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛の高値更新は一服、カットアウト続落
寒波、関税、在庫減など豚肉価格の変動性高まる
生産動向 牛総飼養頭数8666万頭、1951年以降最少に
トピック カナダ・メキシコへの関税発動回避で一時的な安堵感
輸出動向 2024年の豚肉輸出は過去最高、牛肉輸出額も増加
市場展望 2025年の牛肉産業の展望―Cattle Fax社セミナーより
USMEFインフォメーション アメリカンビーフ「春の店頭キャンペーン」4月1日スタート
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクトシート ビーフ(2024年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛の高値更新は一服、カットアウト続落

 
 

5週連続して高値を更新してきた生体牛の現物価格は、2月第2週に横ばいとなった。2月第1週の生体牛去勢の価格は、主要5州の平均で100ポンド当たり209.57ドル、枝肉価格329.07ドル。それぞれ前週比0.38ドル高、0.65ドル安だった。

第2週は、水曜日から取引がスタートし、北部で生体牛207〜209ドル、枝肉は325〜328ドル。南部では生体牛が203〜206ドルでの取引となった。

枝肉重量は、1月第4週から減少傾向に転じたが、依然として前年水準を大きく超えている。去勢牛の平均重量は948ポンド、前週比6ポンド減、前年同週比36ポンド増。未経産牛の平均重量は865ポンド、同3ポンド減、同40ポンド増。全体平均は872ポンド、同2ポンド減、同39ポンド増。

2月第3週の日次ベースのカットアウト価格は、週間と畜頭数が58万4000頭と少なかったにもかかわらず、下落を続けた。2月第1週のカットアウト(カット、ひき材、トリム)の平均価格は、330.51ドル、前週比1.34ドル安。第2週は前半4日間で、チョイスが3.70ドル下落して323.98ドルとなった。

アナリストは、「牛肉処理業者の利益率がさらに悪化している。2月6日時点での推定では、1頭当たり202.95ドルの赤字になっている」という。

 

※2025年2月7日 Cattle Buyers Weekly

 
 

寒波、関税、在庫減など豚肉価格の変動性高まる

 
 

カナダとメキシコに対する関税の即時発効はなかったものの、先行きの不透明感は完全には払しょくされていない。問題は、延期された関税措置が実施された場合、メキシコとカナダがどのように対応するかだ。

メキシコは今年1〜11月累計で、米国産牛肉を3億1100万ポンド(枝肉換算)輸入している。これは米国の牛肉輸出量の11%を占める。カナダは同2億3200万ポンド、輸出に占めるシェアは8%。

豚と豚肉の貿易に与える影響は、さらに深刻になる可能性がある。米国がカナダから輸入する生体豚は、米国でと畜される肉豚の5%を占める。また、今年1〜11月のメキシコへの豚肉輸出量は24億1200万ポンド、シェアは37%を占める。カナダは4億8500万ポンド、同8%を占めている。

寒波も短期的な豚肉供給を不安定にしている。1月第4週の3日間、米国南東部に強い寒波が襲来、国内最大の豚肉処理工場の稼働に支障をきたし、週間の豚と畜頭数は250万頭を下回った(247万7000頭)。

これに伴う生産不足を主因として、ロース・モモ・バラの価格は、わずかに回復した。先物価格は横ばいだが、春・夏季は引き続き大幅なプレミアムを保持している。PRRS(豚繁殖・呼吸障害症候群)の症例の増加、牛肉価格の高騰、冷凍在庫の減少により、今年の春・夏季は豚肉価格が上昇する可能性がある。

12月末の豚肉在庫は4億40万ポンド(前年同期比6.3%減)で、過去5年平均比では12.1%も下回っている。バラは3430万ポンド(同39%減)で2016年以来最低の水準を記録した。モモは6860万ポンド(同25%増)。

 

※2025年1月27日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  牛の週間と畜頭数の推移
  豚肉の月末在庫量の推移
 
生産動向

牛総飼養頭数8666万頭、1951年以降最少に

 
 

USDAが発表した肉牛飼養動向調査によると、1月1日時点の牛の総飼養頭数は8666万2000頭(前年比0.6%減)で、1951年以降で最少となった。1951年と今年の大きな違いは、当時の牛肉生産量は81億ポンドだったが、2024年の牛肉生産量は270億ポンド余りで、1951年の約3.2倍だということだ。

2019年の9480万頭をピークに始まった今回のキャトルサイクルは、これで6年連続の減少となった。アナリストは、「2025年が今周期の最後の牛群減少になる可能性が高い」としている。

繁殖雌牛の年間と畜頭数は、周期的な底に近づいている。対照的に、未経産牛の年間と畜頭数は、昨年はほとんど増加していないが、今年は約40万頭減少すると推定される。そのため、牛群の一掃から拡大へ反転するペースが、過去のサイクルよりも遅いことが今後明らかになるはずだという。

繁殖雌牛の飼養頭数は3720万頭で、2024年1月1日の3740万頭をわずかに下回った。1月1日時点の肉用繁殖牛は2790万頭(前年比1%減)。牛群再構築へ向けて保有された未経産牛は467万頭(同1%減)で、2024年には牛群の再拡大へ向けた動きがスタートしなかったことを示している。

1月1日時点の1000頭以上規模のフィードロットにおける総飼養頭数は1182万3000頭(同8.9%減)。12月の導入頭数は164万2000頭(同3.3%減)だった。出荷頭数は174万2000頭(同1.0%増)だが、と畜日数が1日多いことを加味すると、実質的に前年同月比3.5%減となる。

 

※2025年2月7日 Cattle Buyers Weekly

 
トピック

カナダ・メキシコへの関税発動回避で一時的な安堵感

 
 

トランプ大統領がカナダ・メキシコ製品に対する厳しい関税の発動を延期したことで、米国の農業および食肉業界には、一時的な安堵感が広がっている。カナダとメキシコは当初、米国からの幅広い輸入製品に関税を課すことで報復する意向を示していた。

当初、カナダは300億ドル相当のアメリカ製品に関税を課し、その後さらに1250億ドル相当に対象を広げるとしていた。その報復関税のリストには食肉製品も含まれていた。メキシコは、関税の対象となる米国製品の具体的なリストは発表していないが、“共和党の牙城”とされる州で生産される米国製品に焦点を当てることが計画されていた。

現在、米国・カナダ・メキシコの業界団体は、トランプ大統領に関税を発動しないよう促す努力を強めるべき局面にある。米国食肉輸出連合会(USMEF)は、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の批准を強く支持し、すべての当事者がその協定の条件を尊重することを望んでいると述べ、3カ国のトップ会談により、無関税の赤身肉取引が継続されることを期待するとしている。

北米食肉協会(NAMI)は、特に生体牛・生体豚の輸入関税に関して、複数のメンバーから懸念の声が上がっていると述べた。カナダミート評議会(CMC)は、北米の食肉産業における国境を越えた取引は、年間160億カナダドルを超えているとして、政府関係者に「対話を優先し、バランスの取れた解決策を模索し、深く統合されたサプライチェーンの利益を維持する」ように促している。

 

※2025年2月7日 Cattle Buyers Weekly

 
輸出動向

2024年の豚肉輸出は過去最高、牛肉輸出額も増加

 
 

USDA発表、USMEF集計の食肉輸出統計によると、2024年の米国産豚肉の輸出は、量・金額ともに過去最高を記録。牛肉は輸出量がわずかに減少したものの、輸出単価が過去最高を記録し、輸出額は前年比で5%増加した。

12月の豚肉輸出量は26万7132トンで、前年をわずかに下回ったが、輸出額は1%増の7億7180万ドルとなった。その結果、年間の輸出量は303万トン(前年比4%増)となり、2020年に記録した過去最高(298万トン)を上回った。輸出額は86億3000万ドルで、2023年に記録した最高値から6%増加した。

USMEFのダン・ハルストロム会長兼CEOは、「長年にわたり輸出市場の多様化を推進してきたが、2024年は広域にわたる成長がかつてなく明白な年になった」とコメント。メキシコ向けが4年連続で過去最高を更新したのをはじめ、中央アメリカ、コロンビア、NZ、マレーシア、カリブ海諸島で、豚肉の年間輸出量と輸出額の記録を塗り替えた。輸出額は、韓国、オーストラリア、ドミニカ共和国で過去最高を達成した。

日本向けは、円安が続いているにもかかわらず需要はほぼ安定しており、輸出量は33万6692トン(前年比2%減)、輸出額は冷凍豚肉が増加、チルドが減少したため13億8000万ドル(同1%減)となった。

12月の牛肉輸出量は11万171トン(同1.5%増)、輸出額は8億9760万ドル(同4%増)で、7月以来の高水準となった。年間の輸出量は129万トン(同0.5%減)、輸出額は104億5000万ドル(同5%増)。

「2024年は供給面の課題に加えて、上半期はアジア市場で為替面での強い逆風があったことを考慮すると、牛肉輸出は予想以上に健闘した。アジアの経済情勢は緩やかな改善を示しており、メキシコ向けの2桁成長や、多くの新興市場で年間輸出量・金額が記録を達成するなどの輸出市場の多様化も、米国産牛肉に対する国際的な需要の強さを物語っている」。

韓国向けは輸出量が23万2481トン(同6%減)と減少したにもかかわらず、輸出額は22億2000万ドル(同4%増)と4年連続で20億ドル超えを達成。台湾向けは、上半期は低調だったが、下半期には好調に転じ、6万2503トン(同4%増)・7億920万ドル(同13%増)と、過去2番目に高い水準となった。

日本向けは、豚肉と同様に需要が安定していた。輸出量は24万2869トンと微減したが、輸出額は18億7000万ドル(同3%増)と増加した。中国・香港向けは21万5603トン(同6%減)と引き続き減少したが、年後半に回復傾向を見せ、輸出額は20億ドル(同2%減)まで戻した。

 

※2025年2月10日 USMEF NewsRelease

 
市場展望

2025年の牛肉産業の展望―Cattle Fax社セミナーより

 
 

キャトルファックス社主催のセミナー「2025年の牛肉産業の展望」で、専門家が示した2025年の米国産牛肉の生産・価格見通しのポイントは以下のとおり。

生産動向

◦2025年の米国の牛肉生産は、牛群の縮小が続き減少傾向で推移する。
◦牛供給の減少によって、市場の主導権は生産者側にシフトする。
◦2025年の繁殖牛頭数は2024年より15万頭少ない2800万頭でスタート。
◦肥育素牛および子牛の供給が減少し、肥育牛のフィードロット導入が鈍化するため、と畜頭数は前年より70万頭減少し、2490万頭となる見込み。
◦これにより、牛肉生産量は6億ポンド減少し、263億ポンドとなる。一人当たり牛肉供給量は0.8ポンド減少すると予想される。

価格動向

◦牛肉価格は2024年の上昇傾向が継続し、小売価格の平均はポンド当たり8.25ドルに上昇する見込み。
◦2025年の去勢牛平均価格は、昨年より12ドル高い100ポンド当たり198ドルと予想される。
◦800ポンド級の肥育素牛は270ドル、550ポンド級の子牛は340ドルと、いずれも価格上昇が予想される。
◦高品質牛肉(チョイスグレード以上)の需要は依然として強く、プレミアム市場は堅調 を維持する。
◦ただし、消費者の購買力に影響を与えるインフレや代替食肉(鶏肉、豚肉)との競争がリスク要因として顕在化する。

市場リスクと展望

◦干ばつの影響で牧草地の状況が厳しく、牛群再構築のペースは緩やかになる可能性がある。
◦2025年の牛肉輸出は生産量の減少と価格上昇により5%減少する見込み。
◦国内の赤身牛肉供給の減少を補うために、輸入は増加すると予測。
◦関税を含む貿易政策の不確実性が国際市場に影響を与える可能性がある。

 

※2025年2月11日 FOODMARKET.com

 
 
USMEFインフォメーション

アメリカンビーフ「春の店頭キャンペーン」4月1日スタート

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、4月1日から6月30日までアメリカンビーフ「2025春の店頭キャンペーン」を実施します。春から夏にかけての商戦を盛り上げる消費者プレゼントキャンペーンとして展開しますので、行楽シーズン・大型連休等での販売拡大、平時の需要喚起策としてご活用ください。

今年は、「買って当たる!!アメリカンビーフキャンペーン」として、抽選で1600名に賞品をプレゼントします。店頭価格216円以上のパック商品に、2層式のキャンペーンシールを貼付していただくだけで、キャンペーンに参加できる仕組みになっています。

シール内部に記載のシリアルナンバーを応募Webに入力(QRコードで遷移)すると、その場で当落がわかります。賞品は、A賞「USプライムビーフ肩ロースステーキ用(3枚・総量約600g)」300名とB賞「USプライムビーフ使用プルコギ焼肉用(味付、300g×2袋)」300名、C賞「アメリカンビーフオリジナルトートバッグ」1000名を用意しました。

キャンペーン告知資材として「キャンペーンシール」のほか「キャンペーン告知POPセット」(B5POP・棚帯POP、1000セット限定)も作成し、無償で提供します(発送は3月28日より)。

本件に関するお問い合わせは担当:笠谷(tkasatani@usmef.org)まで。

  買って当たる!!アメリカンビーフキャンペーン
 
 

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