USDAの最新の豚飼養動向調査によると、2025年の豚肉供給は、春季が前年比2.5%増、夏季は1%以上の増加、秋季は2〜3%の増加になると予想される。現状では、スポット市場の供給が予想より少ないことから、生体豚の先物価格が上昇。モモやバラの価格も、供給のひっ迫を受けて上昇している。
今後の供給見通しを、重量区分ごとの飼養頭数から予想すると、まず「180ポンド以上」の肉豚の飼養頭数は前年比0.5%減。これらは12月から1月前半に出荷される。年末年始と寒波による出荷の乱れで、週間と畜頭数の前年比にはズレが生じるが、12月前半の2週間のと畜頭数は同3.7%増加している。
「120〜179ポンド」は同0.6%減。1月下旬から2月にかけて出荷されるが、年初めの寒波の影響で、1月後半に出荷にズレが生じるものの、全体としては微減にとどまることを示している。
「50〜199ポンド」は1.4%増。2月後半から4月中旬までのと畜頭数が1.5%程度増加し、これに重量の増加0.5%増を加味すると、春先の供給は2%増となる可能性がある。4月限の生体豚先物価格は、現在100ポンド当たり90ドル近辺にあり、カットアウト価格は95〜98ドル近辺と示唆されている。これは前年4月のカットアウト価格より若干安い水準だ。
「50ポンド未満」は同1.2%増。4月中旬から5月末にかけて出荷される。同期間の週間と畜頭数が前年水準を上回ることを示唆しており、重量の通常の増加を考えれば、豚肉生産量はさらに多くなる可能性がある。
3〜5月期の分娩見込み頭数が1.4%増と見込まれることから、一腹当たり産子数が同1%以上の増加を維持した場合に重量の増加を加味すると、秋季の供給は同2.5%から3%も増加することになる。
出荷の増加見通しに対して、現在の先物価格、特に夏季の価格は期待が高すぎるのではないかと見る向きもある。2024年第4四半期の価格をけん引したのは、供給面の要因であり、需要の増加ではない。現在の先物価格を正当化するには、需要の改善が不可欠だろう。
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