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TRADER'S Be & Po

vol.462 Jan.27.2025
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛は年初から過去最高、カットアウトも上昇
豚肉価格の維持には需要のさらなる増加が必要
トピック メキシコからの肥育素牛輸入、近く一部再開
新6年協約合意で東海岸・メキシコ湾岸のスト回避
ワールドトレード ドイツでの口蹄疫、初発以降の感染拡大なし
フードサービス 2024年の外食チェーンの明暗と2025年見通し
USMEFインフォメーション SMトレードショー(2月14〜16日)に出展、メンバー6社と
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクトシート ビーフ(2024年11月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛は年初から過去最高、カットアウトも上昇

 
 

2025年の生体牛現金取引は、記録的な高値でスタートした。2024年1月の第1週の生体牛価格(100ポンド当たり)は174.01ドル、枝肉価格は274.7ドルだったが、今年の1月第1週は生体牛が198.93ドル、枝肉は314.96ドル。いずれも過去最高値であり、前週比では生体牛が4.12ドル、枝肉は7.91ドルの上昇となった。

第2週はコーンベルト地帯と中央平原に強力な寒波が襲来した影響で、フィードロットからの工場への移動に乱れが生じ、月曜日のと畜頭数は10万9000頭にとどまった。火曜日には12万6000頭に回復したものの、アイオワ・ミネソタでは生体牛が200ドルを突破。カンザス州でも生体牛が196ドルで取引された。木曜日には生体牛が200〜205ドル、枝肉は320ドルを付け、2月限の先物取引価格も390ポイント高の197.60ドルとなった。

一方、1月第1週のカットアウト価格は総合(カット・ひき材・トリム)の平均価格が319.22ドル、前週比3.03ドル高。第2週は週初めには一進一退を繰り返したが、木曜日にはチョイスが330.78ドル、セレクトは308.35ドルに達した。

アナリストは、「チョイスがこれまでの抵抗線だった325ドルを突破したが、この水準で需要を維持できるかどうかを注視する必要がある。さらなる上昇に失敗すれば、今後は反落する可能性がある」と指摘している。

 

※2025年1月10日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

豚肉価格の維持には需要のさらなる増加が必要

 
 

USDAの最新の豚飼養動向調査によると、2025年の豚肉供給は、春季が前年比2.5%増、夏季は1%以上の増加、秋季は2〜3%の増加になると予想される。現状では、スポット市場の供給が予想より少ないことから、生体豚の先物価格が上昇。モモやバラの価格も、供給のひっ迫を受けて上昇している。

今後の供給見通しを、重量区分ごとの飼養頭数から予想すると、まず「180ポンド以上」の肉豚の飼養頭数は前年比0.5%減。これらは12月から1月前半に出荷される。年末年始と寒波による出荷の乱れで、週間と畜頭数の前年比にはズレが生じるが、12月前半の2週間のと畜頭数は同3.7%増加している。

「120〜179ポンド」は同0.6%減。1月下旬から2月にかけて出荷されるが、年初めの寒波の影響で、1月後半に出荷にズレが生じるものの、全体としては微減にとどまることを示している。

「50〜199ポンド」は1.4%増。2月後半から4月中旬までのと畜頭数が1.5%程度増加し、これに重量の増加0.5%増を加味すると、春先の供給は2%増となる可能性がある。4月限の生体豚先物価格は、現在100ポンド当たり90ドル近辺にあり、カットアウト価格は95〜98ドル近辺と示唆されている。これは前年4月のカットアウト価格より若干安い水準だ。

「50ポンド未満」は同1.2%増。4月中旬から5月末にかけて出荷される。同期間の週間と畜頭数が前年水準を上回ることを示唆しており、重量の通常の増加を考えれば、豚肉生産量はさらに多くなる可能性がある。

3〜5月期の分娩見込み頭数が1.4%増と見込まれることから、一腹当たり産子数が同1%以上の増加を維持した場合に重量の増加を加味すると、秋季の供給は同2.5%から3%も増加することになる。

出荷の増加見通しに対して、現在の先物価格、特に夏季の価格は期待が高すぎるのではないかと見る向きもある。2024年第4四半期の価格をけん引したのは、供給面の要因であり、需要の増加ではない。現在の先物価格を正当化するには、需要の改善が不可欠だろう。

 

※2024年12月30日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の4半期毎の子豚生産頭数と予測(前年比増減)
  米国の繁殖豚の飼養頭数の推移と予測
  一腹当たりの産子数の推移と予測
 
トピック

メキシコからの肥育素牛輸入、近く一部再開

 
 

メキシコからの肥育素牛の輸入が、一部再開される見通しだ。新たな規定の導入および試験的実施の必要があるため、当面の輸入ペースは鈍いだろうが、一部再開の後の生体牛輸入は完全再開となる見通しだ。

USDA-APHIS(米国農務省動植物検疫所)は、メキシコ南部の国境沿いで新大陸スクリューワーム(NWS)が検出されたことを受け、2024年11月22日にメキシコからの生体牛およびバイソンの輸入を停止していた。この措置により、メキシコ産の生体牛の輸入が約25〜30万頭減少したと推定される。

NWSは、牛の健康に重大な悪影響を与える可能性がある害虫で、米国当局は国内流入をスクリーニングするための規定の開発に取り組んできた。輸入再開に向けた今後の流れとしては、まず家畜には検査の後、7日間の検疫が行われる。再開に向けた最も重要な港は、ニューメキシコ州のサンタ・テレサであり、そのための準備が進められる予定だ。

 

※2025年1月10日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

新6年協約合意で東海岸・メキシコ湾岸のスト回避

 
 

国際港湾労働者協会(ILA)と米国海運同盟(USMX)は1月8日、新たな6年間の基本協約について全条件で暫定合意に達したと発表した。

この合意により、東海岸とメキシコ湾岸の主要コンテナ港でのストライキは回避された。

共同声明によると、両者は、組合が賃金体系(Wage Scale)委員会の全会合を開いて投票を行い、組合員が最終協約の条項を批准するまで、現行協約のもとで運営を継続することで合意した。

ILAとUSMXは、「批准を条件とする6年間の新ILA-USMX基本協約で暫定合意に達し、ストの発生を回避できたことを嬉しく思う。今回の合意によって、ILAの現在の雇用を保護し、より多くの雇用を生み出す新技術を導入するための枠組みを確立できる。また、米東岸とメキシコ湾岸の港湾を近代化して、サプライチェーンを強固に保つためにも必要となるものだ」と共同声明で述べている。双方のメンバーが最終文書の承認を行うまで、合意内容の詳細は公表されない。

 

※2025年1月9日 FOODMARKET.com

 
ワールドトレード

ドイツでの口蹄疫、初発以降の感染拡大なし

 
 

ドイツ当局は1月10日、ベルリンのすぐ西にあるホッペガルテンの水牛から、少なくとも3件の口蹄疫(FMD)ウイルスを検出したと報告した。国際獣疫事務局(WOAH)の報告書には、最大14頭が感染した可能性があることが示されている。

ドイツ連邦動物衛生研究所(FLI)によると、ドイツでの口蹄疫確認は1988年以来。ドイツのジェム・オエズデミル農業大臣は1月17日、ラジオで「最初の症例の周辺地域の農場で動物を集中的に検査したが、新たな口蹄疫の症例はない」と述べた。

口蹄疫を封じ込めるための措置には、感染国からの肉や乳製品の輸入禁止が含まれことが多く、すでに英国、韓国、メキシコなどがドイツに輸入禁止措置を課している。オエズデミル大臣は、「ドイツは口蹄疫を封じ込め、ドイツの農畜産物に輸入制限を課した国々の信頼を取り戻すための集中的な努力を続ける」と述べた。

欧州委員会の報道官は、ドイツの蔓延防止策の努力により、地域主義(ゾーニング)の原則を利用できるようになると述べた。

 

※2025年1月10日および15日 FOODMARKET.com

 
フードサービス

2024年の外食チェーンの明暗と2025年見通し

 
 

2024年の米国レストラン業界は、外食価格の上昇や消費者の節約志向の強まりを背景に、大手チェーンの明暗が明確に分かれる年となった。2024年の外食産業に関するレポートの要点と、ラスベガスで開催されたレストラン経営開発会議における2025年の見通しのポイントは以下の通り。

業界の状況

  • 外食の価格は、11月までの12か月で3.6%上昇した。一方で、食料品価格の上昇率は1.6%で、外食よりも家庭内調理が人気となった。
  • 消費者は「価値(バリュー)」を重視するようになり、レストラン間での競争が激化した。
  • 多くの消費者が外食の回数を減らし、特に低所得層でファスト・フードの利用を控える傾向が強まった。

勝者

  •  1 バリュー(価値)提供型チェーン
  • マクドナルドやタコベルが、5ドルコンボミールなどの割安メニューを展開。
  • 鶏肉をメインとするチェーン(Chick-fil-A、Raising Cane’s、Wingstopなど)は、安定した鶏肉価格と健康志向で成功している。
  • ファスト・カジュアルチェーン(Chipotle、Cavaなど)は、高所得者層に支持されて売上が増加した。
  •  2 イノベーション
  • 新メニューやAI技術導入などの革新が成功を後押しした。

敗者

  •  1 ファスト・フード
  • マクドナルドは低所得層の顧客を失ったが、チキンビッグマックなどの新メニューで回復傾向。ただし、食品安全問題で一時的な売上減少も。
  • バーガーキングやウェンディーズは競争に苦戦し、一部店舗を閉鎖。
  •  2 カジュアルダイニング
  • Red LobsterやTGI Fridaysなど、老舗チェーンが連邦破産法第11条の適用を申請。
  • 独立系レストランが一部顧客を奪う中、時代遅れとされたブランドが淘汰される傾向にある。

2025年の展望

  • 「価値」だけでなく、「体験」や「品質」も提供するチェーンが成功する。
  • 革新と価値提供に注力するチェーンが、より成功を収めると予想される。
  • 業界全体の売上高の伸びは緩やかだと予測され、シェア競争・価値戦争が激化する。
 

※2024年12月16日 FOODMARKET.com

 
USMEFインフォメーション

SMトレードショー(2月14〜16日)に出展、メンバー6社と

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、2月14〜16日の3日間、千葉市の幕張メッセで開催される「第59回スーパーマーケット・トレードショー2025」にメンバー企業6社とともに出展します。

USMEFブース(小間番号:第2ホール304)では、アメリカンビーフ・ポークの需要拡大に向けた2025年の活動方針と販促提案を紹介します。試食では、アメリカンビーフは、「ブリスケット(BBQ風)」「ボンレスショートリブ(焼肉)」を、ポークでは「ボストンバットハンバーガー(BBB)」や「ロースかぶり」を提供します。各種パンフレット・ガイドブック等も配布しますので、ご来場の際は是非ともUSMEFブースにお立ち寄り下さい。

なお、パッカーブースには以下の6社が出展します。

【共同出展メンバー企業】

Jones Daily Farm
TREX CORP Inc.
N.P.B.Japan Inc.
Certified Angus Beef
Creekstone Farms Premium Beef LLC
Freshmark/Sugardale

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート