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TRADER'S Be & Po

vol.460 Dec.23.2024
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース カットアウト、ホリデーシーズンを前に下落
豚先物は高値推移、供給減と旺盛な需要を見越して
生産動向 11月のフィードロット飼養頭数は記録的水準に
ポーク関連ニュース 豚肉在庫、高値の反動で急速に減少
需給予測 2025年の牛肉生産上方修正、肥育去勢牛価格は188ドル
ワールド・トレード EU・メルコスール間の自由貿易協定が最終合意
トピック 食生活ガイドラインの改定報告書に反論―NAMI、NCBA
USMEFインフォメーション 焼肉ビジネスフェアでBBQ提案、1月22〜23日池袋で
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ワールド・トレード ビーフ(2024年10月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

カットアウト、ホリデーシーズンを前に下落

 
 

ビーフのカットアウト価格は、ホリデーシーズンに向けた需要増加で価格上昇が期待されていたが、12月に入っても下落傾向で推移している。11月最終週の総合カットアウト(カット・ひき材・トリム)の平均価格は、100ポンド当たり302.00ドルで、前週比0.58ドル安。11月初旬の316.14ドルから徐々に値を下げてきた。

12月第1週も、前半4日間でチョイスが2.68ドル下落して307.84ドルとなった。アナリストは、「カットアウト価格の失速は、感謝祭後の小売での牛肉の動きが鈍いという報告と一致している。クリスマス関連の消費は好調が伝えられるが、ギフト関係の出費が増加すると、食肉の購入が抑えられる可能性もある」という。

好材料の一つは、牛肉の小売価格が10月に大幅に下落したことだ。この傾向が続けば、消費者は牛肉価格に値ごろ感を感じるかも知れない。10月の「All Fresh」の牛肉小売価格は、ポンドあたり8.08ドル、9月比で0.13ドル下落。前年同月比ではまだ1.8%高いが、チョイスの平均価格は9月の8.41ドルから8.11ドルに値下がりして、前年同月比0.7%安となった。

生体牛現物価格は過去6週間、狭い価格帯で取引されてきた。直近の高値は10月最終週の190.05ドル。その後に若干軟化したが、11月最終週には189.87ドルに回復した。12月第1週は北部中心の取引だったが、平均価格は190ドルになった模様だ。

 

※2024年12月6日 Cattle Buyers Weekly

 
 

豚先物は高値推移、供給減と旺盛な需要を見越して

 
 

秋季の豚肉供給が予想より少なかったため、先物市場は今冬から来春にかけて、さらなる減少を見込んでいる。USDAの四半期レポート「Hogs and Pigs」に基づく出荷予想と、実際の供給には誤差がある。特に供給量の急激な変動や市場の転換期には、この誤差が大きくなる。

9月調査の発表では、3〜5月期の子豚生産頭数は3412万3000頭、前年比2.1%増だったが、9月第1週から11月最終週までの週間と畜頭数は3310万4,000頭、前年同期比0.1%減だった。

6〜8月の子豚生産頭数は3503万頭、同0.8%減。50〜119ポンドの飼養頭数は同1.3%減、50ポンド未満は同1.5%減であるため、12〜2月期の出荷は1〜1.5%程度の減少が示唆されるが、前期の誤算を考えると、先物市場は出荷をもっと低めに見積もっている可能性が高い。

2024年の年初8週間の平均と畜頭数は253万7,000頭だった。もし、と畜頭数が1.5%減少すれば、週間と畜頭数は250万頭を下回ることになり、現在の水準より約10万頭減少することになる。

この数年、冬場のPRRS(豚繁殖・呼吸障害症候群)の発生は低下している。UMNの「豚の健康モニタリング・プロジェクト」では、10月下旬から11月上旬にかけて発生率がわずかに上昇したが、来年の供給に影響を及ぼすかどうかは不透明だ。

こうした状況を見越して、先物市場ではマネージド・マネー(ヘッジファンドや投機筋)による買い越しが過去最高を記録している。一方、生産者はリスク軽減の機会としているようで、2021年以降で最大の売り越しを形成している(チャート参照)。

先物市場の強気心理が持続するかどうかは、①供給が予想どおり逼迫するかどうか②需要回復が来年の春夏まで持続するかどうか、にかかっている。次期政権の関税戦略についての議論や脅威は織り込んでいないが、豚肉の場合、米国の輸出量の40%を占めるメキシコに対して関税が導入されれば、明らかな弱気材料になるだろう。

 

※2024年12月3日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の週当たり豚と畜頭数の推移
  シカゴ商品取引所のリーンホッグ先物相場ーCFTCネットポジション
 
生産動向

11月のフィードロット飼養頭数は記録的水準に

 
 

11月1日のフィードロット飼養頭数(COF)は1198万6000頭で、同日としては過去最高となった。前年同月比で3万頭多く、前月比で38万6千頭増加した。10月の導入頭数は228万6000頭(前年同月比5.3%増)。10月の導入頭数としては、2015年以来3番目の高水準だった。

アナリストは、「干ばつの状況を受けて素牛の導入が早まり、10月の導入が季節的なピークに達したようだ。その後の降雨により、干ばつ状況が大幅に改善されたため、今後の導入は鈍化するはずだ」という。

10月の出荷頭数は184万5000頭(同4.7%増)。と畜日数が昨年より1日多いことで、2007年以来4番目の多さとなったが、出荷率(出荷頭数/COF)は過去4番目に低い。これは、枝肉重量の記録的な重さに繋がっている。

フロントエンド(肥育日数150日以上の牛)の供給は、5月までに前年の水準を下回る見通しだが、これが実現するには、今後も牛肉需要が堅調であることが必要だろう。12月から5月までのフロントエンドの牛の季節的な増加幅は65万2000頭で、前年同期を3万3000頭上回るが、過去5年平均比では1万2000頭少ない。

2024年は子牛生産頭数が減少したことから、今後の導入頭数は減少することが予想される。未経産牛の保留は控えめだったものの、来年は増加することが予想されるため、フィードロットへ導入できる素牛供給はさらに減少する見込みだ。

 

※2024年12月6日 Cattle Buyers Weekly

 
ポーク関連ニュース

豚肉在庫、高値の反動で急速に減少

 
 

USDAが発表した10月末時点の豚肉在庫は、4億2600万ポンド(前年同月比2.7%減)。過去5年平均を13%下回り、2004年10月以来の低水準となった。前月比は7.1%減で、10月としては2015年以来最大の減少幅となった。

ベリー(バラ)の在庫はわずか1620万ポンド(同42%減)で、2021年以降で最低の在庫量となり、過去最低の水準に近い。

ハム(モモ)の在庫は1億1610万ポンド(同2.3%増)だが、過去5年平均比では15%減。前月比では25%減少し、10月としては過去最大の減少幅となった。

ロインの在庫はほぼ横ばい。例年なら秋季に増加するが、今年の10月は旺盛な需要により、在庫への供給が制限されたようだ。トリムの在庫も限られており、過去5年平均比7.6%の減少となった。

 

※2024年12月3日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  豚肉の月末在庫の推移
 
需給予測

2025年の牛肉生産上方修正、肥育去勢牛価格は188ドル

 
 

USDA―ERSが発表した最新の食肉需給予測では、11月初旬までの牛と畜実績を反映して、第4四半期の牛肉生産量予測を2000万ポンド上方修正。また2025年の牛肉生産量予測は、10月時点の予測から3億5500万ポンド引き上げ、262億8000万ポンドに修正した。

修正要因は、フィードロット導入が当初予想より多く、肥育素牛の輸入も引き続き多いことで、2024年の第4四半期と2025年上半期の導入頭数を引き上げたことによる。また、2024年後半の枝肉重量の増加は、2025年も継続すると予想している。

肥育素牛価格は、9月の相対的な安値から反発し、10月と11月には最高値を更新。10月のオクラホマ国立家畜市場における750〜800ポンドの去勢素牛の加重平均価格は、100ポンド当たり254.19ドルで、前月比7.41ドル高、前年同月比で約11ドル高かった。

肥育去勢牛の10月の平均価格(主要5州)は188.62ドルで、9月から5ドル以上上昇。第4四半期の価格予想は、前回予想より2ドル高の188.00ドルへ引き上げられた。2025年の年間平均価格も188.00ドルと予想している。

 

※2024年12月6日 Cattle Buyers Weekly

 
ワールドトレード

EU・メルコスール間の自由貿易協定が最終合意

 
 

欧州連合(EU)と南米のメルコスール(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)は12月6日、自由貿易協定(FTA)に最終合意した。この協定はEUにとって、人口および関税削減の面で過去最大の協定となり、メルコスールにとっても、エジプト・イスラエル・シンガポールとの協定を上回る最大の協定となる。

EUは、最終合意について正式な批准が必要であり、EU加盟27か国中15カ国以上の承認が求められる。特にフランスや一部の農業国には、農産品の競争や環境への影響に対する懸念が残っている。協定のサステナビリティ項目では、パリ協定の遵守と2030年までの森林破壊禁止が義務付けられ、違反時は恩恵停止の可能性があることが盛り込まれた。

農産物関係の協定の主なポイントは以下のとおり。

EUは、メルコスールからの農産物輸入の82%を自由化し、メルコスールはEUからの輸出関税の93%を撤廃する。一部の品目については、関税率割当が適用される。

EUは、関税率7.5%の牛肉9万9000トンの割当を5年間で段階的に導入する。これは、EU全体の年間牛肉消費量の1.6%に相当する。EUはすでに、年間約20万トンの牛肉をメルコスールから輸入している。

鶏肉については、EU全体の消費量の約1.4%に相当する輸入枠がある。メルコスール4カ国は、すでにEUの主要供給国となっており、ブラジルはウクライナを抑えて第1位の供給国となっている。

EUの農家は基準を満たさない南米産品の輸入増加に懸念を示しているが、欧州委員会は、EUの基準が緩和されることはないとしている。

 

※2024年12月6日 FOODMARKET.com

 
トピック

食生活ガイドラインの改定報告書に反論―NAMI、NCBA

 
 

12月10日、2025年食生活ガイドライン諮問委員会の報告書が連邦官報に掲載され、60日間のコメント募集期間が設けられたことに関して、食肉関係団体が相次いで反論のコメントを発表した。

同報告書は、5年ごとに改訂される「アメリカ人のための食生活ガイドライン」(2025-2030年版)に関して、米国保健福祉省(HHS)および米国農務省(USDA)への提言をまとめたもので、両省庁はこの報告書とパブリックコメントを評価した上で最終案を決定する。

NAMI(北米食肉協会)のジュリー・アンナ・ポッツ会長兼CEOは、「本報告書が食肉消費量の削減を推奨することに強く反対し、各機関に対して本報告書を却下するよう働きかけていく。食肉製品は、強靭な筋肉の発達・維持・修復、および子供の成長と脳の発達に不可欠であり、満足感を与えて健康的な体重を維持するのに有益であり、高齢者の筋肉減少を防ぐのに不可欠である。肉を消費する95%のアメリカ人にとって、報告書の勧告は的外れで非現実的だ。アメリカ人は、健康的な食生活に肉がどのように適合するかについての指針を必要としている」とコメントした。

NCBA(全米肉牛生産者牛肉協会)は、牛肉が健康的な食生活において重要な役割を果たすという質の高い科学的証拠が豊富にあるにもかかわらず、同委員会が赤身肉の消費量削減を盛り込むよう推奨したことに反論した。

マーク・アイゼル会長は、「今日、ほとんどのアメリカ人は、すでにガイドラインの範囲内で牛肉を食べている。肥満と慢性疾患はわが国の重大な健康問題であり、牛肉を食べることはその解決策だ。赤身の牛肉1人前(3オンス)で、アメリカ人は1日に必要なタンパク質の半分を摂取でき、鉄分やビタミンB群など10種類の必須栄養素も摂取できる。NCBAは、牛肉が健康に果たす積極的な役割を支持する豊富な科学的証拠を次期の農務長官に提供し、最終ガイドラインで検討されるよう、今後数ヶ月間、引き続き努力していく」とコメントした。

 

※2024年11月18日 NAMI News Release

 
USMEFインフォメーション

焼肉ビジネスフェアでBBQ提案、1月22〜23日池袋で

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は1月22、23日の両日、東京・豊島区の池袋サンシャインシティ文化会館/展示ホールで開催される外食ソリューションEXPO「ミートフードショー〜焼肉ビジネスフェア」(同時開催=居酒屋 Japan)に出展します。

USMEFブースでは今回、アメリカンビーフ・ポークの新しいメニューや食べ方提案の一環として、BBQに特化した商品展示ならびに試食を行います。

ブリスケットは、これまで日本での流通が少なかった部位ですが、アメリカ国内ではBBQ商材として非常に人気のある部位です。新たな提案書なども作成配布いたしますので、ご来場の際は是非ともUSMEFブースにお立ち寄りいただき、本格的なアメリカンBBQの味わいをご確認下さい。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート