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TRADER'S Be & Po

vol.457 Nov.11.2024
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 牛カットアウト反落、年末に向けて再上昇も
豚先物は堅調な需要見込む、今後の輸出増に期待
生産動向 2024年の牛と畜130万頭減、肥育牛肉生産は増加
需給予測 2024年の牛肉生産量を上方修正、輸出は減少―USDA
ワールドトレード 2025年の世界の牛肉生産1%減、輸出量横ばい
リテール グリルシーズン終盤の追い込みでステーキ、リブ増加
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2024年9月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

牛カットアウト反落、年末に向けて再上昇も

 
 

米国の牛肉卸売価格は、2週連続で上昇した後に反落した。チョイスのカットアウト価格は2週間で13.90ドル上昇、10月第4週の前半にはさらに3.31ドル上昇して323.96ドルとなったが、その後2日間で2.79ドル下落した。

アナリストは、「今回の上昇基調はストップしたが、年末年始に向けた手当が近づくにつれて再び上昇するだろう」と予想する。カットアウト価格が底堅い要因は、経産牛のと畜頭数が前年より少ないことから、牛ひき材(90CL)が高値で推移していることだ。

アナリストによると、今年これまでのと畜頭数は、週平均で1万9410頭減少している。90CLの週間価格は、5月第3週以降から350ドル以上を維持している。10月第3週の週間平均価格は352.67ドルだった。

カットアウト価格の堅調さは、生体牛の現物および先物の価格も下支えしている。10月第3週の主要5州の去勢牛平均価格(100ポンド当たり)は187.61ドル、枝肉価格は296.21ドルで、それぞれ前週比で0.40ドル高、0.29ドル高だった。

生体牛価格は、2月第1週以降180ドル以上で推移している。ただし、7月第1週につけた最高値197.09ドルから、水準は徐々に下がっている。10月第4週の生体牛の現物取引価格は、北部で生体牛が190〜192ドル、枝肉が298ドル、南部では生体牛が188〜190ドルで取引された。

 

※2024年10月25日 CATTLE BUYER WEEKLY

 
 

豚先物は堅調な需要見込む、今後の輸出増に期待

 
 

8月の米国産豚肉(調製品含む)の輸出量は19万2376トン(前年同月比7.1%増)となった。7月(14%増)に続く増加で、1〜8月累計輸出量は160万トン(同5.2%増)に達した。この輸出増を牽引したのは2つの市場だ。

最大の市場であるメキシコ向けの8月の輸出量は8万2139トン(同6.6%増)で、輸出量の増加の約40%を占めた。また驚くべきことに、コロンビア向けも85%増と急増し、中国向け輸出量を上回った。メキシコ向けの輸出増と季節的な国内需要が相まって、モモの価格は今後4〜5週間は堅調に推移する可能性が高い。

今秋の豚肉供給は、予想されていたほど潤沢ではない。先週のと畜頭数は前年をわずかに下回り、季節的な生体重量の増加も予想より緩やかだ。このため、豚肉バイヤーは先行きの手当に躍起になっている。その典型的な値動きはベリー(バラ)だ。

110ドル前後と予想されていたベリーのプライマル価格は、150ドルまで上昇した。ポークトリムも同様の傾向にあり、10月18日に42CLは前年比で53%高い84ドルまで上昇した。

カットアウト価格の年末に向けての見通しは、ベリーがカギとなるだろう。2022年10月を振り返ると、ベリーの価格は今年と同様の上昇を見せたが、12月中旬には100ドルを割り込んだ。

現在、生体豚の12月限の先物価格は78ドル強。この時期の先物と現物の価格が例年の13ドル前後とすると、12月中旬のカットアウト価格は91ドル前後となることが見込まれる。ベリーの価格は125ドル近辺、ロインも季節的な傾向通りならば130ドル前後になるかもしれない。

 

※2024年10月21日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国産豚肉(調製品含む)の月別輸出量の推移
  ベリープライマル価格の推移
 
生産動向

2024年の牛と畜130万頭減、肥育牛肉生産は増加

 
 

2024年の米国の牛と畜頭数は、前年を130万頭下回る3432万頭となる見込みだ。年初から10月第3週までのと畜頭数は、前年同期比で100万5000頭減少している。このうち、経産牛のと畜頭数は同77万6400頭減、年間では102万8000頭減となる見込み。

オクラホマ州立大学のダレル・ピール氏によれば、2024年の去勢牛のと畜頭数は前年比横ばい、未経産牛は同1.6%減。肥育牛合計では同0.7%減となる見通し。去勢牛の枝肉重量は、前年比で平均25.5ポンド重く、未経産牛も平均22.6ポンド重くなっている。

肥育牛のと畜頭数が予想よりも多く、枝肉重量も増加していることから、結果的に2024年の肥育牛の牛肉生産量は同1.9%増となる見通し。実際、過去16週間の肥育牛の牛肉生産量は同3.7%増となっている。

肥育牛とは対照的に、非肥育牛の生産量は同12.8%減と大幅に減少している。経産牛のと畜頭数が同15.3%減少していることが要因で、うち肉用牛は16.8%減、乳用牛は13.8%減。雄牛も同8.1%減少している。

このため、低脂肪トリミングの供給がひっ迫して、加工用の牛肉価格は高止まりしている。赤身率90%トリミングの卸売価格は、トップサイドやアウトサイド、ボトム(グースネック)ラウンドの卸売価格よりも高くなっている。

 

※2024年10月25日 CATTLE BUYER WEEKLY

 
需給予測

2024年の牛肉生産量を上方修正、輸出は減少―USDA

 
 

USDA-ERSは最新のレポートで、米国の2024年の牛肉生産量予測を前回予測から2億5千万ポンド多い270億ポンドに上方修正した。第3・第4四半期の生産量予測が引き上げられ、年間で前年をわずかに上回る予測となった。

肥育牛の出荷および経産牛のと畜頭数が前回予想よりも多く、また、枝肉重量も予想より重いことが生産増の要因。2025年の牛肉生産量見通しも、同様の理由で259億2500万ポンドと前回予測より3億ポンド引き上げられた。

10月第1週(〜10/4)の牛肉卸売価格(カットアウト価格)は300.09ドルで、夏のピークであった7月第1週(〜7/5)の324.47ドルから下落しているが、依然として前年を上回っている。主要5州の9月のと畜去勢牛の平均価格(100ポンド当たり)は183.56ドルで、2カ月連続の下落となり、前年同月より0.15ドル低い。

第4四半期のと畜去勢牛価格予測は3ドル引き上げられ、186.00ドルに。年間平均価格は186.50ドルと予測している。

一方、米国産牛肉の輸出予測は引き下げられた。第3四半期の予測は7億3000万ポンド、第4四半期は7億1000万ポンドで、それぞれ2000万ポンド、1500万ポンドの引き下げとなった。2024年の年間予測は29億5500万ポンドで前年比3%減。2025年の牛肉輸出予測は、前回と変わらず26億ポンドとしている。

ERSによると、日本が今年最大の輸出先であることに変わりはなく、8月末までの累計輸出量は前年同期とほぼ同水準。韓国と中国への輸出はそれぞれ12%減と10%減。メキシコは11%増加し、上位6カ国を除く小規模市場への合計輸出量も2%増加したが、8月末までの累計輸出量は約4%減少している。

 

※2024年10月25日 CATTLE BUYER WEEKLY

 
ワールドトレード

2025年の世界の牛肉生産1%減、輸出量横ばい

 
 

USDAが四半期ごとに発表する「世界の食肉需給予測」の最新レポートによると、2025年の世界の牛肉生産量は、2024年比1%減の6090万トンになると予測される。主要生産国ではアルゼンチン・豪州・インド・メキシコで増加するものの、ブラジル・EU・米国の減少がそれを上回る。

豪州の生産量予測は260万トンで過去最高の2%増を記録すると予想され、輸出需要を満たすために雌牛のと畜頭数が増加して、枝肉重量は減少する。2025年の牛飼養頭数は、インドが3億7749万頭で最も多く、次いでブラジル1億8617万頭、中国1億400万頭、米国8600万頭と続く。

アルゼンチンは、国際需要の増加と、新たに実施された国内政策が生産の増加を後押しする。ブラジルの牛群は2年連続で縮小して、牛肉生産量は1%減の1180万トンとなる予想。EUは経済的逆風と不透明な規制環境が相まって、2%減少する。

2025年の世界の牛肉輸出量は、ほぼ横ばいの1290万トンとなる予想。アルゼンチン・豪州・インドの増加を、カナダ・EU・米国の輸出減が相殺する格好だ。米国の輸出が減少する中で、ブラジルと豪州が市場シェアを拡大する見通し。豪州の輸出量は前年比2%増の190万トンで、過去最高を記録すると予想される。

米国の牛肉生産量は4%減の1181万トンと予想される。特に加工用赤身肉が減少して、アルゼンチン・豪州・ブラジルなどからの輸入が増加。輸出は、国内供給のひっ迫と東アジアにおける豪州との競合により、12%減の117万9000トンの予想となっている。

●世界の豚肉生産量も1%減、輸出量は1%増

2025年の世界の豚肉生産量予測は、1%減の1億1513万トン。米国・ベトナム・ブラジルでの増加分を、中国とEUの減少が相殺する。ベトナムの生産量は、養豚部門の統合とASF(アフリカ豚熱)の管理改善で飼養頭数が増加し、3%増の380万トンになると予想される。

ブラジルは、旺盛な輸出需要と投入コストの緩和により、1%増の460万トンと予想される。中国は2024年に母豚が淘汰されたことで、2%減の5550万トンになる予想。EUは、豚肉価格の低下の影響で2%減の2090万トンになると予測される。

世界の豚肉輸出量は、米国とカナダからの輸出が増加、EUは減少して、全体では1%増の1040万トンになる見込み。カナダの輸出量は、アジア市場向けが継続的に増加しているため、1%増の150万トンになると予測される。EUの輸出量予測は、供給量の減少とASF発生国の貿易規制の影響で、2%減の295万トンとなる。

米国の生産量は2%増の1294万1000トン。2024年に収益性が改善し、飼料コストの低下により、生体重量の増加が見込まれる。米国の輸出は、十分な国内供給と強力な輸出価格競争力を背景に、3%増の335万4000トンになると予想される。

 

※2024年10月18日 CATTLE BUYER WEEKLY

 
リテール

グリルシーズン終盤の追い込みでステーキ、リブ増加

 
 

米国の10月最終週のスーパーの販促は、牛肉と魚介類がそれぞれ広告スペース全体の25%で拮抗し、次いで「ポークトーバー」の最終週として豚肉が20.8%を占め、鶏肉(20.4%)を僅差で上回っている。

販促品目は、グリルからローストへの切り替えが数週間前から始まっているが、今週は米国中部と東部の一部で記録的な暖かさが予想され、冬季が到来する前のバックヤード・クッキング(裏庭調理での食事)の最後のチャンスだ。このため、余剰在庫の消化を含めてステーキ、リブ、ポークチョップなどグリル商品のシーズン終盤の販促に拍車がかかっている。

Circana社のデータによると、生鮮豚肉のバックリブの特売価格はポンド当たり4.61ドルで、前年同期の4.29ドルから上昇している。しかし、ポークチョップは同5.3%安の3.77ドルで販促されている。

多くのスーパーで、感謝祭(11月第4木曜日)の目玉としてターキーの販促も開始され、広告全体の5%を占めている。生鮮のホールターキーの平均特売価格はポンド当たり1.55ドルで、前年の1.63ドルから値下がりしているが、需要は依然低迷している。

Expana調べの今週の牛肉小売指数はポンド当たり平均8.12ドルで、前週の7.77ドルから上昇した。豚肉も前週の4.36ドルから4.47ドルに上昇したが、鶏肉は前週の3.26ドルから3.01ドルに値下がりした。

 

※2024年10月30日 FOODMARKET.com

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート