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TRADER'S Be & Po

vol.456 Oct.28.2024
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース カットアウト回復で、パッカーの赤字は縮小
生産予測 来年の豚供給見通し、冬は減少、春夏季は1%未満の増加
去勢牛枝肉重量、記録的高水準で推移を続ける
輸出動向 牛肉輸出は勢い欠く、豚肉は年間で記録更新の勢い
ワールドトレード 中国が豪州産牛肉に特別セーフガード発動
消費動向 米国の2023年の一人当たり食料支出額が過去最高に
USMEFインフォメーション 「FOOD STYLE Kyushu」に出展、11月13〜14日開催
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2024年8月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

カットアウト回復で、パッカーの赤字は縮小

 
 

ビーフパッカーは、過去3週間赤字に苦しんできたが、10月第2週にはカットアウト価格が回復したことで損失は縮小した。アナリストによると、「パッカーマージンは、10月第1週は一頭当たり平均83.70ドル、その前週には40.80ドルの赤字だった。しかし、第2週はカットアウト価格が急激に反発したことにより、20ドル弱に減少した」という。

10月第1週のカットアウト(カット、ひき材、トリム)平均価格は、前週比1.09ドル安の300.09ドル。チョイスは同1.21ドル安の298.48ドルだった。しかし、第2週は前半の4日間で7.37ドル上昇し、木曜日に309.95ドルをつけた。セレクトは3.12ドル上昇し、290.73ドルとなった。

輸出が増加する季節を迎えているものの、9月から10月上旬にかけての輸出量は依然として例年より少ない。アナリストは、「週間輸出統計では、生産量に占める輸出割合が1桁になることもあった。この時期に輸出需要が大幅に増加しなければ、カットアウト価格は引き続き苦戦する可能性がある」という。

輸出の増加が見られないことが、週間のと畜水準を抑制する要因となる可能性もある。10月第1週の肥育牛(去勢牛・未経産牛)のと畜頭数は、49万6000頭にとどまった。しかし、フィードロット外にいる子牛や肥育素牛も減少しており、生産者側は依然として強気だ。

10月第1週の主要5州の去勢牛平均価格は186.89ドル、前週比0.74ドル高。枝肉平均価格は2.47ドル高い296.00ドル。第2週は、火曜日にアイオワ・ネブラスカで生体牛187ドル、枝肉は294〜296ドル。木曜日には、アイオワで生体牛が192ドルの最高値をつけたことが報告された。南部の生体牛価格は186〜187ドル。

 

※2024年10月11日 Cattle Buyers Weekly

 
生産予測

来年の豚供給見通し、冬は減少、春夏季は1%未満の増加

 
 

USDAが公表した最新の「Hogs and Pigs」レポートを精査し、今後の生体豚出荷の予測に調整を加えた。今回の報告書で不可解な数字の一つは、3〜5月期の推定子豚生産頭数と、120ポンド以上の豚の供給量の食い違いである。

秋季の出荷見通し:3〜5月の子豚生産頭数は前年比2.1%増で、6月の予想から上方修正された。春に生まれた豚が出荷重量に達するには5〜6か月かかるため、通常、9〜11月のと畜頭数は、この春に生まれた子豚頭数で決まる。180ポンド以上は1300万頭(前年比4.8%増)とされている。

しかし、9月初旬以降(9月1日〜10月5日)の累計と畜頭数は1256万1000頭(同0.3%増)と、微増水準にとどまっている。ここで疑問となるのは、生産者が出荷を遅らせているのか、それともパッカーがと畜を遅らせているのか、ということだ。

パッカーが所有する肥育豚の平均重量は、8月下旬以降で3.2ポンド、1.5%増加した。生産者保有の豚の体重増加は遅く、昨年は通常の2%に対して1.4%の増加であり、過去3年間の平均増加率は1.7%である。

これらのデータから、報告書における180ポンド超の豚の飼養頭数は、過大評価されている可能性が高い。昨年、秋季の週間と畜頭数の平均値は262万4000頭だった。調査結果に基づけば約270万頭と予想されるが、その可能性は低く、実際には268万頭前後にとどまるだろう。

冬季の供給見通し:6〜8月期の子豚生産頭数によって、12〜2月期のと畜頭数が決まる。USDAは、分娩頭数が1.7%減少したため、子豚生産頭数は昨年より0.8%減少したとしている。

2023年と2024年初頭には、一腹当たり産子数が前年比で4%も増加したが、現在は標準的なレベルに戻っているようだ。子豚生産頭数の減少予測が、2025年第1四半期のと畜頭数の減少予測を裏付けている。

来春夏期の見通し:9〜11月期と12〜2月期の分娩見込み頭数は、それぞれ0.1%減、0.2%増と予測されている。一腹当たり産子数が0.8%増とわずかな増加であれば、来年の春夏の供給の伸びは1%未満になると予想される。

 

※2024年10月8日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の四半期ごとの子豚生産頭数の推移と予測
  9月1日の繁殖母豚飼養頭数に占める9-11月の分娩頭数の割合
 
 

去勢牛枝肉重量、記録的高水準で推移を続ける

 
 

去勢牛の枝肉重量は、年明けから9月中旬まで過去最高の水準で推移している。直近2週間でも連続して過去最高を更新し続けており、現在は948ポンド、前年同期比3.27%増。7月以降の増加幅は3.6%増となっている。

去勢牛枝肉重量の月間平均の最高記録は、これまでは2023年12月の942ポンドだったが、過去10年平均という点から見ると、過去3年間はすべての月で一貫して増加している。現在の重量は、過去10年平均と比較すると、4.5%増となる。他の牛も全体的に同様のパターンで推移しているが、現時点で過去最高を記録しているのは去勢牛のみだ。

 

※2024年10月9日 FOODMARKET.com

  去勢牛枝肉重量の推移
 
輸出動向

牛肉輸出は勢い欠く、豚肉は年間で記録更新の勢い

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)によると、8月の米国産牛肉の輸出量は10万2682トン(前年同月比6%減)で、1月以来の低水準となった。輸出額は8億4590万ドル(同4%減)。1〜8月累計の輸出量は85万6834トン(同3%減)、輸出額は70億ドル(同4%増)だった。

主要市場であるアジア諸国への輸出がやや勢いを失ったが、メキシコ、台湾、中東への輸出は引き続き好調。USMEFの会長兼CEOのダン・ハルストロム氏は、「アジアでの逆風は依然として手強いものの、この地域で観光業界の回復が続いていることが追い風となっている。9月下旬にコロンビアが米国産牛肉に対する規制を撤廃したことも、前向きな動きだ。これは8月の結果に影響を与えるには遅すぎたが、ラテンアメリカでの第4四半期の需要を強化するのに役立つだろう」と述べている。

一方、8月の米国産豚肉の輸出量は23万8989トン(同6%増)、輸出額7億290万ドル(同8%増)。1〜8月累計輸出量は200万トン弱で同4%増、輸出額は7%増の56億8000万ドルとなった。USMEFは、豚肉の輸出額は8月まで記録的なペースで推移しており、今年は輸出量・輸出額のいずれも過去最高に達すると予測している。

 

※2024年10月11日 Cattle Buyers Weekly

 
ワールドトレード

中国が豪州産牛肉に特別セーフガード発動

 
 

中華人民共和国税関総署の声明によると、中国は、豪州産牛肉に特別セーフガード(SSG・2024年のトリガーは17万8418トン)を発動すると発表した。これによって、豪州産牛肉には12.0%のMFN(最恵国待遇)関税が課せられることになる。

驚くことに、この公式発表は中国の7日間の「ゴールデンウィーク」(国慶節)の休暇中の10月6日(日)に行われた。しかし豪州の牛肉業界は、中国のSSGメカニズムに不慣れではない。今回の発動は、2018年・2019年・2020年・2023年に続いて5回目となるからだ。

12.0%のMFN関税は2024年12月31日まで適用され、その後、関税の免除枠は新しい暦年にリセットされる予定だ。2025年のSSGのトリガー数量は20万8307トンに設定されている。

豪州産牛肉にとって、中国は4番目に大きな輸出先である。そのアクセスが滞ることから、この課税は貿易の流れにも影響を与える可能性があると予想される。

 

※2024年10月11日 Cattle Buyers Weekly

  中国の豪州産牛肉年間輸入量(2024年は1-8月)
  中国の豪州産牛肉輸入量と特別セーフガード数量
 
消費動向

米国の2023年の一人当たり食料支出額が過去最高に

 
 

2023年の米国における食料支出額は、一人当たりベースで過去最高を記録した。USDA―ERS(農務省経済調査局)の新しいレポート「Food Expenditure Series(FES)」によると、米国の消費者・企業・政府機関による食料支出は2兆5700億ドルに達し、最高となった。1人当たり支出額は7672ドルに相当し、前年比7.5%増加した。

増加の主因は、家庭外調理食品(FAFH)への支出が2022年の4004ドルから4485ドル(前年比12.0%増)と増加したこと。家庭内向け食品(FAH)への支出も、同3130ドルから3187ドルへと1.8%増加した。

FAFHとFAHの支出成長率の違いは、消費者行動の変化を反映しており、自宅で食事を用意するよりも、レストランなどの外食店から食品を購入する個人が増えたことを意味している。

コロナ禍の後、消費者行動が外食にシフトしたことで、FAFH支出は総食品支出の58.5%となり、同調査が1930年代に始まって以来、最も高い数値となった。

FES調査は、米国で購入されたすべての食品の合計額を総合的に測定して、内食や外食への支出を追跡するものだ。

外食支出の増加に伴い、可処分所得における家庭外食費の割合は、2022年の5.6%から5.9%に拡大。家庭内食費の割合は、同5.6%から5.3%に減少した。ただ、2023年に個人可処分所得の占める割合は11.2%で、2022年と変わっていない。

 

※2024年10月11日 Cattle Buyers Weekly

 
USMEFインフォメーション

「FOOD STYLE Kyushu」に出展、11月13〜14日開催

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、11月13日〜14日の2日間、福岡市のマリンメッセ福岡で開催される「FOOD STYLE Kyushu」に出展します。USMEFは、アメリカ農産物貿易事務所(ATO)のアメリカパビリオン内にフーズを設け、アメリカンビーフ、アメリカンポークに関する情報提供を中心にブースを展開します。

各種のガイドブックや提案書の配布とともに、アメリカンビーフでは「ハンギングテンダー」、アメリカンポークでは「テンダーロイン」の焼肉を試食に提供いたします。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート