USDAが公表した最新の「Hogs and Pigs」レポートを精査し、今後の生体豚出荷の予測に調整を加えた。今回の報告書で不可解な数字の一つは、3〜5月期の推定子豚生産頭数と、120ポンド以上の豚の供給量の食い違いである。
秋季の出荷見通し:3〜5月の子豚生産頭数は前年比2.1%増で、6月の予想から上方修正された。春に生まれた豚が出荷重量に達するには5〜6か月かかるため、通常、9〜11月のと畜頭数は、この春に生まれた子豚頭数で決まる。180ポンド以上は1300万頭(前年比4.8%増)とされている。
しかし、9月初旬以降(9月1日〜10月5日)の累計と畜頭数は1256万1000頭(同0.3%増)と、微増水準にとどまっている。ここで疑問となるのは、生産者が出荷を遅らせているのか、それともパッカーがと畜を遅らせているのか、ということだ。
パッカーが所有する肥育豚の平均重量は、8月下旬以降で3.2ポンド、1.5%増加した。生産者保有の豚の体重増加は遅く、昨年は通常の2%に対して1.4%の増加であり、過去3年間の平均増加率は1.7%である。
これらのデータから、報告書における180ポンド超の豚の飼養頭数は、過大評価されている可能性が高い。昨年、秋季の週間と畜頭数の平均値は262万4000頭だった。調査結果に基づけば約270万頭と予想されるが、その可能性は低く、実際には268万頭前後にとどまるだろう。
冬季の供給見通し:6〜8月期の子豚生産頭数によって、12〜2月期のと畜頭数が決まる。USDAは、分娩頭数が1.7%減少したため、子豚生産頭数は昨年より0.8%減少したとしている。
2023年と2024年初頭には、一腹当たり産子数が前年比で4%も増加したが、現在は標準的なレベルに戻っているようだ。子豚生産頭数の減少予測が、2025年第1四半期のと畜頭数の減少予測を裏付けている。
来春夏期の見通し:9〜11月期と12〜2月期の分娩見込み頭数は、それぞれ0.1%減、0.2%増と予測されている。一腹当たり産子数が0.8%増とわずかな増加であれば、来年の春夏の供給の伸びは1%未満になると予想される。
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