USDAが近く発表する最新のHogs&Pigsレポート(四半期毎の豚飼養動向調査・9月度)の結果予想と、それに伴う今後数カ月間の豚の供給見通しを以下に提示する。
秋季の供給:秋季の供給頭数は前年を上回るとの見方が強い。6月度調査では、3〜5月期の子豚生産頭数は前年同期比1.8%増。しかし、昨年の繁殖母豚の減少と生産者マージンの赤字を考えると、この増加率には変動がありそうだ。夏季には生体豚重量が予想以上に増加しており、今後3カ月間(9〜11月期)の豚肉生産量は、前年同期比で約3%増加することが予想される。
冬季の供給:次のレポートで注目すべき点は、6-8月期の子豚生産頭である。6月1日時点で繁殖豚頭数は前年比3.2%減と推定されたため、分娩頭数は減少する見込みである。過去3年間、繁殖豚頭数に占める分娩頭数の割合は49%近辺で推移しており、6月度調査の49.3%と大差はない。一番の不明点は、この夏の一腹当たり産子数である。比較的穏やかな夏だったため、生産性向上の追い風となったかもしれない。
下のグラフが示すように、一腹当たりの産子数は、COVID前の状態に戻りつつあり、9月調査では11.66頭、前年比0.4%増になると推定される。もう少し高くなる可能性もあるが、1%以上にはならないだろう。結果、6〜8月の子豚生産頭は前年を下回り、0.5%〜1.5%減となる可能性が高い。これは、12〜2月期の豚と畜頭数が減少することを意味する。
2025年の春夏:現在の予想では、9月1日時点の繁殖豚頭数は602万6000頭。6月時点より約2万頭多いが、前年同月比では2.5%減。今春から夏にかけて、穀物価格が下落したため、生産者マージンが改善しており、未経産豚の保持率は前年比増が続くだろう。
9〜11月期と12〜2月期の分娩頭数は、繁殖豚群の水準を基にすると、前年比0.5%〜1%減少すると予想される。一腹当たり産子数の増加率が今後の2四半期で1%未満になることを考慮すると、子豚生産頭数と来春から夏にかけてのと畜頭数は、増加するにしても緩やかなものになるだろう。この期間のと畜頭数はほぼ横ばいで、2025年全体では微減(0.3%減)と予想する。
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