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TRADER'S Be & Po

vol.455 Oct.15.2024
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛上昇、カットアウト下落でパッカーマージン赤字に
生産動向 豚肉供給見通し、秋季は3%増、2025年は微減か
フィードロットの飼養頭数、前年超えを維持
トピック 東海岸・メキシコ湾岸のスト、暫定合意で再開
消費動向 消費者の牛肉支出増加、生産者に還流
USMEFインフォメーション 米国中西部生まれの食の祭典「Porktober」2024
各地で多彩なイベント・フェア開催、1400店参加
秋冬アメリカンポーク店頭CP、10月〜12月31日まで
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2024年8月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛上昇、カットアウト下落でパッカーマージン赤字に

 
 

肥育牛のパッカーマージンは、8月下旬から5週連続でプラスだったが、再びマイナスに転じた。過去3週間、肥育牛価格が上昇した一方で、ボックスビーフ価格が下落したことが要因だ。肥育牛の主導権は依然として肥育業者が握っているようだ。

一方、カットアウト価格はまだ底値を探っている。アナリストによれば、「季節的な輸出需要が強まれば、カットアウト価格は回復するかも知れないが、輸出需要が盛り上がらない場合は、10月中旬以降まで苦戦が続くだろう」という。

9月第3週の主要5州における去勢牛平均価格(100ポンド当たり)は184.01ドル、前週比1.90ドル高。枝肉価格は平均290.41ドル、同20セント安。同週のカットアウト(カット、グラインド、トリム)の全国平均価格は303.96ドル、同4.14ドル安。同週の牛肉取引量(6767コンテナ)のうち、輸出は6.8%にとどまった。

カットアウト価格は4週間で13.67ドル下落しており、チョイスのカットアウトは9月第4週も前半4日間で3.82ドル下落し、296.37ドルとなった。

一方で、牛肉の小売価格は高値を更新している。8月の牛肉小売価格(USDAのAll fresh)は8.16ドルと過去最高をつけ、前月比で1セント、昨年同月比で4.3%上昇した。チョイスの平均価格は8.52ドル、前月比9セント高、同3.5%上昇した。

豚肉の平均小売価格は4.90ドル、同2セント高、同1.4%上昇。鶏肉は2.44ドルで、7月から1セント上昇したが、前年同月比では3.6%下落している。アナリストは、「消費者が牛肉を好むことに変わりはないが、競合する食肉と絶対的な価格差があれば、収入が減少している状況では低価格品が有利になる。その場合、消費者の購買意欲が変化して、牛肉から他の食肉への需要シフトが強まる可能性がある」と予想する。

 

※2024年9月27日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
生産動向

豚肉供給見通し、秋季は3%増、2025年は微減か

 
 

USDAが近く発表する最新のHogs&Pigsレポート(四半期毎の豚飼養動向調査・9月度)の結果予想と、それに伴う今後数カ月間の豚の供給見通しを以下に提示する。

秋季の供給:秋季の供給頭数は前年を上回るとの見方が強い。6月度調査では、3〜5月期の子豚生産頭数は前年同期比1.8%増。しかし、昨年の繁殖母豚の減少と生産者マージンの赤字を考えると、この増加率には変動がありそうだ。夏季には生体豚重量が予想以上に増加しており、今後3カ月間(9〜11月期)の豚肉生産量は、前年同期比で約3%増加することが予想される。

冬季の供給:次のレポートで注目すべき点は、6-8月期の子豚生産頭である。6月1日時点で繁殖豚頭数は前年比3.2%減と推定されたため、分娩頭数は減少する見込みである。過去3年間、繁殖豚頭数に占める分娩頭数の割合は49%近辺で推移しており、6月度調査の49.3%と大差はない。一番の不明点は、この夏の一腹当たり産子数である。比較的穏やかな夏だったため、生産性向上の追い風となったかもしれない。

下のグラフが示すように、一腹当たりの産子数は、COVID前の状態に戻りつつあり、9月調査では11.66頭、前年比0.4%増になると推定される。もう少し高くなる可能性もあるが、1%以上にはならないだろう。結果、6〜8月の子豚生産頭は前年を下回り、0.5%〜1.5%減となる可能性が高い。これは、12〜2月期の豚と畜頭数が減少することを意味する。

2025年の春夏:現在の予想では、9月1日時点の繁殖豚頭数は602万6000頭。6月時点より約2万頭多いが、前年同月比では2.5%減。今春から夏にかけて、穀物価格が下落したため、生産者マージンが改善しており、未経産豚の保持率は前年比増が続くだろう。

9〜11月期と12〜2月期の分娩頭数は、繁殖豚群の水準を基にすると、前年比0.5%〜1%減少すると予想される。一腹当たり産子数の増加率が今後の2四半期で1%未満になることを考慮すると、子豚生産頭数と来春から夏にかけてのと畜頭数は、増加するにしても緩やかなものになるだろう。この期間のと畜頭数はほぼ横ばいで、2025年全体では微減(0.3%減)と予想する。

 

※2024年9月23日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の繁殖母豚の一腹当たり産子数の推移
  米国の繁殖豚の飼養頭数の推移
 
 

フィードロットの飼養頭数、前年超えを維持

 
 

9月1日時点のフィードロットの総飼養頭数は1119万8000頭(前年同月比0.6%増)。前年同月をわずかに上回ったが(7万1000頭増)、2020年9月1日の過去最高記録と比べると19万6000頭少ない。

8月の導入数頭数は197万5000頭(同1.3%減)。導入頭数の重量区分ごとの増減をみると、600ポンド未満は前年より2万頭少なく、600〜699ポンドは横ばい、700〜799ポンドは20万頭も少ない。一方で、900〜999ポンドは2万頭増、1000ポンド以上は横ばいだった。

8月の出荷頭数は、と畜稼働日が昨年より1日少ないことを反映して、181万8000頭(同3.6%減)となった。カリフォルニア・アイダホ・ミネソタ・オクラホマの4州は前年を上回ったが、主要生産地のテキサスは4%減、ネブラスカとカンザスは各5%減。

アナリストは、「フロントエンド(肥育日数150日以上の牛)の供給は、来年第1四半期まで前年を上回る見込みだ。11月にピークを迎えるが、10月から2月までの間に1万3000頭増加すると予測される」という。

これは季節的な傾向に逆行している。同期間の過去5年平均では、8万9000頭減少している。フロントエンドの牛は、来年第1四半期には減少傾向になると予測される。2〜3月には季節的な要因で、過去5年平均で32万4000頭増加しているが、2025年は11万5000頭の増加にとどまると予測される。

こうした予測を踏まえて、USDA-ERS(米国農務省経済調査局)は、2025年の牛肉生産量の予測を前回予測から1億8000万ポンド引き上げ、256億2500万ポンドに上方修正した。ERSは、肥育牛のと畜頭数の増加と枝肉重量の増加を、生産量増の要因にあげている。

 

※2024年9月27日 Cattle Buyers Weekly

 
トピック

東海岸・メキシコ湾岸のスト、暫定合意で再開

 
 

国際港湾労働者協会(ILA)と米国海事同盟(USMX)は10月3日、東海岸とメキシコ湾岸の港湾を塞いでいる労働ストライキを終わらせる暫定合意に達したと共同声明を発表した。ILAとUSMXは、賃金とマスター契約を2025年1月15日まで延長することで合意し、未解決の問題を引き続き交渉しながら港湾業務を再開できるようにした。

メイン州からテキサス州までの港湾労働者は、10月1日、既存の労働契約が切れた後、ストライキに突入。東海岸では1977年以来、初めてのストとなった。労使交渉は、賃金と自動化に対する雇用の保護を中心に行われたが、もし契約更新がなければ、米国の農業部門は大きな打撃を受けることが予測されていた。

暫定合意に対して、USMEFの会長兼CEOのダン・ハルストロム氏は、「食肉業界がこれらの港のアクセスに大きく依存しているおり、ILAとUSMXの決定を称賛する。米国の食肉および畜産業界全体が安堵している。毎週約1億ドル相当の牛肉・豚肉製品が、東海岸とメキシコ湾岸の港を通じて輸出されている。米国の食肉産業にとって、輸出はあらゆるレベルで重要な収益源であり、国際的な顧客のニーズを満たし、信頼できる供給国としての米国の地位を維持するためにも、円滑な港湾運営が大事だ」と述べている。

 

※2024年10月4日 Meat & Poultry.com

 
消費動向

消費者の牛肉支出増加、生産者に還流

 
 

Drovers誌に掲載されたエコノミストのネビル・スピア氏の寄稿文によると、昨年の米国国民一人当たりの牛肉支出額は461ドルで、過去最高を14ドル上回る新記録となった。牛肉の供給はますますひっ迫しているが、それでも価格が上昇している要因は、堅調な牛肉需要にあるという。

スピアー氏は、消費者のインフレに対する不満の第1位が食費関連であることを考慮すると、8月の牛肉の小売価格(ポンド当たり)が8.16ドルと過去最高を記録したことは、堅調な牛肉需要の証左であるという。

「タンパク質の選択肢を減らす機会はいくらでもあるにもかかわらず、消費者は価格が上がっても牛肉を選び続けている。その結果、肥育牛価格は2024年に最高値を更新することになった。こうした消費者の購入支出が、生産部門の収益に還流している。これは、牛肉の需要を高めるために、肥育牛の品質と一貫性の向上に努力してきた牛肉業界の成功を意味するとともに、さらなる向上への継続的な取り組みの重要性を物語っている」と指摘する。

肥育牛の供給は安定しているものの、今後数年間で圧迫される可能性が高い。今年の肉牛の繁殖牛の飼養頭数は、2820万頭でスタートした。1月1日の肥育素牛はわずか2420万頭で、前年比5%減、最近のピークだった2017年比では10%減。従って、今後数年間はタイトな状況が続き、牛群再建に向けた未経産牛の保留が増えれば、さらに供給が先細り、その時が価格のピークになるだろう。

一方で、“ビーフ・オン・デイリー(乳用種由来の牛肉)”が引き続きトレンドの一つとなり、今後数年間は乳牛の子牛が肥育牛肉に占める割合が大きくなる可能性がある。「乳牛の子牛は生産が安定しており、トレーサビリティも容易なため、多くのフィードロットが生産に取り組むだろう」と予想している。

 

※2024年9月27日 Cattle Buyers Weekly

 
USMEFインフォメーション

米国中西部生まれの食の祭典「Porktober」2024
各地で多彩なイベント・フェア開催、1400店参加

 
 

10月はアメリカンポークを食べつくせ!!―米国食肉輸出連合会(USMEF)は、2021年10月から、米国中西部生まれの食の祭典「Porktober(ポークトーバー)」キャンペーンを展開しています。4年目となる今年は、アメリカンポークのおいしさと魅力をより多くの方に気軽に楽しんでいただくために、多彩なイベントやフェアが各地で展開されています。

2024年のキャンペーンの協力企業の一例として、昨年に引き続き、かつ丼チェーン大手の「かつや」で10月18日からオリジナルメニューが提供されるのをはじめ、「グランフロント大阪ショップ&レストラン」の14店舗では、10月1日〜10月31日に特別メニューが提供されています。また東海地方では、新たに「若鯱家」で、名物カレーうどんにアメリカンポークのみそ角煮をトッピングした期間限定メニューが登場しました。

イベントでは、東京・中野区の「中野セントラルパーク」(10月4−6日)と、愛知・名古屋市の「サカエヒロバス」(10月12−14日)でPorktober festivalが開催され、10店舗のご協力の下で、アメリカンポークのさまざまなメニューが提供されます。いずれも今年が初の開催です。

スーパーなどのリテール分野では、1400店舗がポークトーバーフェアに協力参加する予定です。店頭などでご使用いただくPOPなど販促資材も用意しておりますので、ご活用いただければ幸いです。

  《ポークトーバー協力企業の告知例》/《ポークトーバー用販促資材》
 
 

秋冬アメリカンポーク店頭CP、10月〜12月31日まで

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、4月から実施している2層式シールを用いたアメリカンポークのプレゼントキャンペーンが大好評をいただいていることから、10月1日〜12月31日まで「2024秋冬アメリカンポーク店頭キャンペーン」として実施します。

この消費者プレゼントキャンペーンは、抽選時にアカウント登録の必要がなく、シリアルコードを入力していただくだけで当落がわかります。応募の手軽さもあって、@2024年春のキャンペーンでは3カ月で約7万件、A2024年夏キャンペーン(2024年7月〜9月開催)では1週間で約1500件のご応募があり、大好評をいただいております。

秋冬キャンペーンの賞品は、「アメリカンポーク ロース&肩ロース詰め合わせ1kg」(400名)、「U.S. Porkカトラリーセット」(2000名)を用意しました。平時のアメリカンポーク 商品の需要喚起に、また行楽シーズンでの売り上げ拡大に、ぜひキャンペーンシールをご活用ください。

キャンペーン告知の交通広告は都内のみになりますが、窓上広告も出稿してキャンペーンを盛り上げさせていただきます。キャンペーンの販促資材(印刷用データ)は、下記よりダウンロードできます。
https://www.americanmeat.jp/trd/publications/tool/download/index.html
本キャンペーンのお問い合わせは担当:植村(tuemura@usmef.org)まで。

  【キャンペーン告知POP】B5セット
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ポーク・ファクト・シート