7月の米国産豚肉(内臓・調製品含む)の輸出量は、19万4818トン(前年同月比14%増)。民間予想を大幅に上回り、特にメキシコ向け輸出が好調なモモの価格が上昇する要因の一つとなった。1〜7月累計輸出量は同5%増。
メキシコ向けの輸出量は8万8124トン(同29%増)で、輸出量全体の45%を占め、年初から好調に推移している。しかし、堅調な輸出が秋季以降も継続するかどうかは不透明だ。
メキシコ向け輸出は、ペソ安の影響もあって減速しており、8月の輸出量は前年同月並みの水準となることが予想される。メキシコ以外の主要市場では、輸出量が大幅に減少している。7月の日本向け輸出量は9%減少した。
日本市場は、円安が多少解消されたものの、冷凍豚肉の在庫は減少している。日本市場で輸入が増加しているのはブラジル産豚肉だ。ブラジルの8月の日本向け豚肉輸出量は、前年比で177%増、年初来の累計でも130%増加している。
ブラジルの豚肉輸出は、2019年から21年までの間は、中国からの需要によって増加してきた。しかし現在は、中国以外の市場への参入を積極的に進めている。8月のブラジルの豚肉輸出量は、中国向けが49%減少したにもかかわらず、10万6018トン(同6%増)と増加。8月のフィリピン向けは2万5000トン(同86%増)だった。
ブラジルは、メキシコに対しても豚肉の出荷を再開した。8月のメキシコ向けは約5700トンで、米国産に比べてまだ少ないが、ブラジルはドミニカ共和国やその他の小規模市場への豚肉輸出を再開している。
米国の豚肉生産量は、第4四半期に5%増加すると予想されている。昨年の第4四半期は、輸出量が10%増加したが、今年もそれを実現するためには、他の豚肉供給国(ブラジル・カナダ・EU)との競合上、豚肉価格が下がる必要があるだろう。
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