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TRADER'S Be & Po

vol.446 May.27.2024
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 下落に転じた牛市場、今後のカギは需要
豚モモは堅調に推移、他の部位は苦戦
ワールドトレード 中国、EU産豚肉の反ダンピング調査の対象企業を指定
供給動向 7月のフィードロット飼養頭数、2019年以来最大か
生産予測 2024・2025年の豚肉供給増加―USDA予測
トピック 中国の食肉輸入量、6月も低水準、上半期13.4%減
USMEFインフォメーション 9月20日からアメリカンビーフ秋冬店頭キャンペーン
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2024年6月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

下落に転じた牛市場、今後のカギは需要

 
 

7月第1週まで予想を越える上昇を続けていた生体牛現金取引とビーフカットアウト価格は、第2週に入って下落に転じた。今後のカギとなるのは需要だ。統計上、6月から7月にかけての牛肉需要は3%減少する。全米を覆う熱波も、牛肉需要減退の一因になるだろう。

肥育牛の供給は、引き続き潤沢だ。アナリストによると、7月1日付のフロントエンド(肥育日数150日以上)の牛は推定267万9000頭、前年同月比10.1%増となっている。

7月第1週の主要5州の去勢牛平均価格(100ポンド当たり)は、生体牛197.09ドル、枝肉313.69ドルで、それぞれ前週比1.28ドル高と0.22ドル高。生体牛価格が190ドルを超えたのは4週連続で、枝肉価格は7週連続で300ドルを超えていた。しかし同週の主要5州の取引頭数は、祝日(7月4日)の関係もあって、わずか3万8763頭だった。

このため、第2週にはパッカーの手当が活発化することが予想されたが、週前半の取引はアイオワ・ミネソタで生体牛190〜191ドル、カンザス・テキサスでは185〜191ドル、北部では生体牛194〜199ドル、枝肉312〜315ドル。南部では生体牛187〜192ドルと、全体的に取引価格は頭打ちとなった。

一方、7月第1週のカットアウト価格は、チョイスの平均価格が前週比7.18ドル高の325.60ドルだったが、第2週は前半4日間で8.78ドルも下落した。木曜日の終値は321.65ドルとなった。

ただ、カットアウト(カット、ひき材、トリム)の全体平均価格は324.47ドルで、前年同週比で2.5%高い。これは、90CL(赤身率90%の牛ひき材)が372.01ドルと史上最高値を更新し続けていることが要因だ。

 

※2024年7月12日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

豚モモは堅調に推移、他の部位は苦戦

 
 

メキシコのペソ安で輸出鈍化が予想されたハム(モモ)の価格は、他の豚肉製品が苦戦する中で比較的堅調に推移している。5月18日時点での為替レートは、1ドル=16.6ペソだったが、メキシコの総選挙の衝撃的な結果と、今後の財政政策に対する懸念を受けてペソが急落し、6月12日には1ドル=18.75ペソとなった。

ペソの下落により、メキシコ向けの米国製品の価格は、実質的に12%以上も上昇した。ハムをはじめとする豚肉製品は、夏場の季節的な価格上昇も相まって、メキシコ市場向けの輸出が大幅に抑制されることが懸念されたが、この4週間のうち3週間は今年最高の輸出量を記録している。

6月第1週のメキシコ向け輸出量は1万4000トン。第2週には一時的に減少したものの、第3週・4週はそれぞれ2万トン・3万5000トン。結果的に6月の週当たり平均輸出量は1万8000トンとなり、今年4月以来の高水準となった。

メキシコ向けの増加は骨付きモモの価格を下支えし、他の部位が苦戦する中で、ポークカットアウトの価格構成で数少ないプラス材料になっている。

 

※2024年7月15日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  ハムプライマル(モモ)の価格推移
 
 
ワールドトレード

中国、EU産豚肉の反ダンピング調査の対象企業を指定

 
 

中国は7月18日、欧州連合(EU)の豚肉輸入に対する反ダンピング調査の対象として、Danish Crown A/S社、ならびにオランダとスペインの豚肉会社を指定した。EUが中国製のEV車に最大37.6%の暫定関税を課したことへの報復措置と見られる。

EUが中国に輸出する豚肉の大部分は、豚の耳、鼻、足、内臓などであり、欧州ではほとんど消費されないため、調査の開始は欧州に大きな影響を与える可能性がある。

中国当局の声明では、デンマークのDanish Crown A/S、オランダのVion Boxtel B.N.、スペインのLitera Meat S.L.U.のサンプルを使ってアンチダンピング調査を行うと述べている。

調査の対象となるのは、チルドおよび冷凍のホールカット、腸、膀胱、胃など、食用の豚肉。中国の税関のデータによると、中国は2023年に内臓を含む60億ドル相当の豚肉を輸入したが、その半分以上が欧州産だった。スペインはEU最大の中国への豚肉供給国であり、オランダ、デンマーク、フランスがそれに続く。調査は2025年6月17日までに終了する予定だが、必要であればさらに半年延長される可能性もある。

 

※2024年7月18日 FOODMARKET.com / Thomson Reuters.

 
供給動向

7月のフィードロット飼養頭数、2019年以来最大か

 
 

7月1日付のフィードロット飼養頭数は、前年同月よりわずかに増加し、同日としては2019年以降で最大となった可能性がある。アナリストの予想によると、6月の導入頭数は前年並みから小幅増、出荷頭数はと畜日数が前年より2日少ないことで約8%減少したと見られる。

MBS Researchのマイク・サンズ氏は、「6月のフィードロット導入は前年同月比2%増の171万5000頭と推定され、2020年以降最大になった」と指摘する。ただ、導入頭数の前月比は約33万頭減。季節的に7月はさらに減少する可能性がある。

1〜6月の導入頭数は、昨年より約2%少ないと推定されるが、800ポンド超の導入は昨年より2%近く増えている。重量の重い牛の導入増加は、飼養頭数の増加と相まって、7〜12月の肥育牛供給が前年を超える可能性を示唆している。

サンズ氏は、「6月の導入増と出荷減により、7月1日時点の飼養頭数は前年比で20万頭ほど多く、2019年以降で最多となった模様だ。これらの牛の大部分が、今年の残りの期間に出荷されることになる。上半期の導入が比較的多いことから、未経産牛の保有率が上がった可能性はほとんどない。来年の春子牛の生産へ向けた繁殖期の半ばを過ぎていることから、2025年の子牛生産頭数は縮小する可能性が高く、結果として肥育牛の供給は2027年まで縮小することになるだろう」という。

 

※2024年7月12日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
生産予測

2024・2025年の豚肉供給増加―USDA予測

 
 

米国農務省(USDA)の6月の「Hogs and Pigs」調査では、今年下半期の豚肉生産量の見通しはほとんど変わらなかった。2024年の豚肉総生産量は281億5400万ポンドで、1月に発表された予測よりも約1億6900万ポンド・0.6%多い。増加予測の理由は、前年より豚の飼養頭数が多いこと、また重量が増加していることを反映したもので、前年比では8億ポンド・3%の増加となる。

2024年の国民一人当たり豚肉供給量は、小売重量ベースで51ポンドと予測されている。グラフが示すように、供給量予測は安定しており、2025年も1.5%増の見込みで大きな変化はない。

最新の予測では、2024年の米国産豚肉の輸出量は72億4700万トン。1月から5月までの豚肉輸出が6%増加していることを加味して、USDAは2024年全体の予測を引き上げた。2025年は、増加する供給量の大部分が輸出に仕向けられると見ているが、輸出が伸びない場合は、国内消費を促すために値下げ圧力がかかる可能性もある。

 

※2024年7月15日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の国民一人当たり豚肉供給量(消費量)予測
 
トピック

中国の食肉輸入量、6月も低水準、上半期13.4%減

 
 

中華人民共和国海関総署が発表した通関統計速報によると、2024年6月の中国の食肉輸入量(バラエティーミートを含む)は51万4957トンで、12カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。前年同月比31.3%減、前月比7.5%減。

2024年上半期の食肉輸入量は、前年同期比13.4%減の329万トン、輸入額は115.3億USドル。中国国内で経済不安が広がる中、多くの消費者が外食や肉の消費を控えている状況が浮き彫りになっている。

 

※2024年7月17日 FOODMARKET.com

  中国の月間食肉輸入の推移
 
 
USMEFインフォメーション

9月20日からアメリカンビーフ秋冬店頭キャンペーン

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、アメリカンビーフの「2024秋冬店頭キャンペーン」を9月20日〜12月31日まで実施します。秋から年末に向けた商戦を盛り上げる消費者プレゼントキャンペーンとして展開します。

「買って当たる!アメリカンビーフキャンペーン」として7月末まで展開した春夏キャンペーンが好評なことを受けて、秋冬も賞品内容を変更し、プレゼント数も拡大(合計1600名に)して店頭キャンペーンを実施することを決定しました。

内容は、指定のキャンペーンシールを貼付したアメリカンビーフ商品を購入したお客さまが懸賞に応募できるシステムです。シール内部に記載のシリアルナンバーを応募Webに入力(QRコードで遷移)すると、その場で当落がわかります。

賞品は、A賞「USプライムビーフ肩ロースステーキ肉3枚(約600g)」300名、B賞「USプライムビーフ使用プルコギ焼肉用(味付・300g×2袋)」300名、C賞「アメリカンビーフオリジナルトートバック」1000名を用意しました。

昨年4−7月に実施した同形式キャンペーンでは、当選者の約45%の方が「キャンペーンに複数回応募した」「期間中のアメリカンビーフ購入頻度が増えた」と回答しており、リピート購買を増やすきっかけとなっています。

店頭で販売中のアメリカンビーフ(内臓・味付品含む)にシールを貼り付けるだけでお客さまの注目度が向上します。キャンペーン期間中、長期間シールを使用して、アメリカンビーフの売上拡大の販促手法として是非ご活用ください。参加希望の皆様にはキャンペーンシール、キャンペーン告知POPセット(B5POPと棚帯のセット・限定1500)を無償で提供します(資材提供開始は9月17日より)。
お問い合わせは担当:笠谷(tkasatani@usmef.org)まで。

  「買って当たる!アメリカンビーフキャンペーン」
 
 

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ビーフ・ファクト・シート