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TRADER'S Be & Po

vol.443 Apr.8.2024
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛価格、アイオワの上昇が全体をけん引
生鮮豚肉が堅調、第2四半期は先高リスク増
ポーク関連ニュース 2月末豚肉在庫12%減、今後の価格上昇の一因
トピック ステーキカットはロイン系下落、ラウンド上昇
消費動向 NAMI・FMIが「Power of Meat」第19回年次報告書
フードサービス 2024全米レストラン上位50社ランキング
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2024年2月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛価格、アイオワの上昇が全体をけん引

 
 

生体牛の現金取引は、サザンプレーンズ(南部平原)に対して、アイオワ・ネブラスカが大幅なプレミアムをつけている。3月第3週の主要5州の生体去勢牛の平均価格(100ポンド当たり)は187.47ドル、枝肉価格は298.06ドル。それぞれ前週比2.35ドル高、4.67ドル高で、年初来の最高値をつけたが、第4週はさらに上昇した。

3月20日に、アイオワでは生体牛2222頭が190ドルをつけて、サザンプレーンズとの価格差が4ドルに拡大。カンザスも追随し、1425頭が186ドルで取引された。アイオワ・ネブラスカの枝肉価格は300ドルを超え、過去最高値を更新した。

これを受けて、21日には全地域で取引が活発化し、ネブラスカで生体牛が193ドル、枝肉は306ドルの高値をつけた。アナリストは、「コーンベルト地帯で拡大するプレミアムが、生体牛市場の全体を支えている」と指摘する。

カットアウト(カット・ひき材・トリム)の価格も続伸している。しかし、これは牛肉需要の増加よりも、と畜頭数の大幅な低下が主因だ。第3週のカットアウト平均価格は、前週比4.93ドル高の308.78ドル。第4週には、前半4日間でチョイスが1.83ドル高、セレクトは1.33ドル高となった。

ミドルミート(ロイン系)と牛ひき肉が、小売市場で好調な売れ行きだったことが要因の一つだが、一方で輸出ビジネスは精彩を欠いており、最新の週間輸出量は680コンテナにとどまっている。

枝肉重量は依然として、前年を大幅に上回っている。去勢牛の平均重量は922ポンド、前週比3ポンド増、前年比19ポンド増。未経産牛は843ポンド、同3ポンド減、13ポンド増。このため、肥育牛の等級割合では、プライムとチョイスが引き続き上昇しており、3月第3週はプライム10.23%、チョイス74.54%、セレクト12.20%だった。

 

※2024年3月25日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

生鮮豚肉が堅調、第2四半期は先高リスク増

 
 

第1四半期のポークカットアウト価格は、概ね90ドル台前半で推移し、前年からの弱気ムードを引き継いでいる。ベリーの価格は上昇したが、これまでのカット別の価格推移での注目点はベリーではなく、小売用の生鮮豚肉だ。

1・2月の豚肉生産量は前年比で6%・2億6200万ポンド増加したものの、3月22日週のロインプライマル価格(100ポンド当たり)の終値は92ドル、前年同期比で9%高だった。バットプライマル価格も8%高、スペアリブは52%高となっている。

2023年下半期、特に年末には、カリフォルニア州のProp12およびマサチューセッツ州のQuestion3による影響が懸念された。規則に準拠した豚肉が供給不足で高値となる一方で、他の地域での流通量が増加して価格を圧迫すると予想されていたが、結果的に生鮮豚肉の価格は上昇基調をたどった。

4・5月は季節的に豚肉需要が増加して、肉豚供給が徐々に減少へと転じるため、価格はさらに上昇すると予想される。今後の焦点は、近く発表されるUSDAの豚飼養動向調査における12〜2月期の子豚生産頭数と、3月1日時点の繁殖豚の飼養頭数だ。

3カ月前の調査では、夏に向けて供給が緩やかに拡大すると予想されたが、その後、生産者は継続的に母豚の出荷を増やしており、12〜2月期の母豚のと畜頭数は約6%増加している。夏の豚肉供給が前年水準に近づく中で、小売・外食での需要が安定すれば、春夏季の豚肉価格は底堅くなるだろう。

ポークチョップ(現状価格は前年比6%高)と牛ひき肉(81CL・同31%高)、鶏むね肉(同23%高)の価格比率は、過去5年平均の範囲の下限にあり、小売業者は春季の販促計画で豚肉の活用を増やす可能性がある。

  米国の国民一人当たりの豚肉消費量予測
 
ポーク関連ニュース

2月末豚肉在庫12%減、今後の価格上昇の一因

 
 

豚肉の冷凍在庫は、依然として前年水準を下回っている。2月末の豚肉の総在庫は4億5650万ポンド(前年同月比12%減)で、前年同月より6500万ポンド少ない。前月比では1%減だが、2月はと畜日数が1日多かったことで豚肉生産が増加したこと、また1月の寒波によって生産に影響を受けたパッカーが補てんに動いたことを考慮すると、在庫の消化は良好だ。

ベリーの在庫は6380万ポンドと前月比で微増したものの、前年同月比では10%減。ボンレスロインは同5%増・同8%増と前年を上回っているが、他の部位は2ケタ台の減少となっており、第2四半期の価格動向に影響を与える可能性がある。

 

※2024年3月25日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

 
トピック

ステーキカットはロイン系下落、ラウンド上昇

 
 

第1四半期のボックスビーフ市場におけるステーキカットは、品目によって大きく異なる値動きを見せた。リブとテンダーロインの価格は、年初に季節的な要因で大幅に下落したが、1月に広範囲で寒波が発生したことをきっかけに底を打ち、2月以降は安定して推移している。

テレスメジャー(ペティットテンダー)とフランクステーキの価格は、今年これまでのところ一定している。フランクステーキは、2023年の春季に在庫懸念から価格が大幅に上昇したが、今年は在庫の懸念はまだ表面化していない。固定需要者の取引が主体となっているようだ。

テレスメジャーは過去10年間で最高水準の価格帯で取引されている。現在の価格(ポンド当たり)は6.67ドルで、この時期としては少なくとも2014年以降で最高値にある。この価格帯で推移すると、年間を通じてバイヤーのテレス離れが進むかも知れない。

ストリップロイン(0x1)は、年始からの約2カ月半で19%近く上昇した。これは、リブと比較した割安感が好感されたものだろう。

 

※2024年3月20日 FOODMARKET.com

  ポークカットアウト価格の推移(実績と先物価格)(左)/ポークベリープライマルの価格推移(右)
 
消費動向

NAMI・FMIが「Power of Meat」第19回年次報告書

 
 

NAMI(北米食肉協会)とFMI(食品産業協会)が発表した第19回年次報告書「Power of Meat」によると、米国の消費者のうち、肉を食べる人の割合(80%)と食肉を購入する世帯の割合(98%)は横ばいだったが、食肉の消費量を減らそうとする世帯の割合は、2020年比で20%減少した。

米国の食料品小売市場における食肉の売上高は990億ドル(前年比0.1%増)、購入量は前年比1.0%減。生鮮食品の中では最大の収益源であることに変わりはないが、食料品売上に占めるシェアは、2019年の42.8%から39.7%に低下した。

食肉の購入における世代間の特徴を見ると、X世代は食肉売上に占める割合が最も高く(32%)、ベビーブーマー世代は最も頻繁に肉を購入(年間53回)、ミレニアル世代は食肉購入単価が最も高い(約17ドル)。

インフレが買い物や食事の選択に影響を与えており、アメリカ人の43%がレストランでの食事を減らしている。このうち、75%は自宅でレストランの食事を再現しようとしている。

食料品店では、アメリカ人の73%が節約のために食肉の購入内容を変更している。最も一般的な変更は、購入量だ。節約目的で購入量を変更する消費者のうち、30%はより小さなパッケージを購入し、42%は大容量パックを購入。一方で10人中9人以上が、休日や祝い事などのために支出を増やすことがあると答えている。

食肉購入と食事に関する情報源では、デジタルリソースやテクノロジーが急速に浸透している。団塊の世代は家族や友人、レシピサイトに依存しているが、Z世代はTikTok、YouTube、Instagramから情報を得ている。

Power of Meat 2024の「インフォグラフィック」と「調査結果トップ10」は、下記より閲覧・ダウンロードできます。
Power of Meat 2024 infographic here.
The Top 10 Findings of the Power of Meat 2024 here.

 

※2024年3月10日 FOODMARKET.com

 
フードサービス

2024全米レストラン上位50社ランキング

 
 

Circana™社が発表した2024年の米国レストランランキングレポート決定版によると、2023年の米国のレストラン業界の来店客数は前年比1%増、支出額は5%増を記録し、市場規模は5000億ドル台に達した。

業態別では、ファストカジュアルレストランが売上を9%伸ばし、次いでクイックサービスレストラン(QSR)が同8%増を記録。上位50社の店舗数は、全体の24%にすぎないが、売上高は7%増の3130億ドルに達し、全体の61%を占めている。

上位50社の中で特に注目されるのは、36位にランクインしたThe Cheesecake Factoryだ。1店舗当たりの年間平均売上が1283万ドルと際立って高く、同2位のChick-fil-A(チックフィレイ)を500万ドル以上上回っている。

2023年は、上位50社のうち40社が増収となり、特に上位10社は全て増収となった。上位3社はマクドナルド、スターバックス、チックフィレイのQSRチェーンで、3社の合計売上高は1000億ドルを超え、上位50社の33%を占めている。

 

※2024年3月26日 FOODMARKET.com

  U.S.レストラントップ50社ランキング2024
 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート