北米食肉協会(NAMI)は、カナダ食肉評議会(CMC)ならびにメキシコ食肉評議会(COMECARNE)との間で、北米内での貿易の改善、規制障壁の緩和、情報交換の強化に向けた継続的な取り組みを正式に行う覚書(MOU)に署名した。
また、外国の動物疾病、持続可能性、非関税貿易障壁への対処についての共同声明をとりまとめた。この覚書と共同声明は、メキシコのプラヤ・デル・カルメンで開催されたCOMECARNEの年次総会で共有され、各国の農業・貿易担当の政府機関にも送られた。
今回の3分野の合意とポイントは以下のとおり。
❶アフリカ豚コレラ(ASF)をはじめとする外来動物疾患
各団体は、業界のリスク緩和策とトレーサビリティの取り組みに関する情報を共有し、ASFの合同対策演習に参加。各国政府と緊密に協力して、北米でASFの流行が発生した場合は、国際基準に沿って生体豚と豚肉および豚肉製品の取引継続を促進することを約束。
❷持続可能性(社会的、経済的、環境的)
各団体は、プロテインPACTやCRSBのNational Beef Sustainability Assessment and Strategyといった業界全体の枠組みをはじめ、自発的で証拠に基づいた、貿易促進型の農業持続可能性プログラムを推進する。さらに、持続可能性におけるNAMIのイニシアチブと、カナダ、メキシコ、米国の政府が国内外で採用・支持している農業の持続可能性に関する規制や政策の間で、より良い協力、調整を行うための領域を特定していく。
❸貿易に対する技術的またはその他の障壁
規制プロセスの合理化を促進することで、貿易障壁に対処する。貿易を制限する可能性のある規制や法律に関する情報交換を行い、協調的な対応を考案する。対象は煩雑な包装やラベル表示の方針、生きた動物や製品の差別につながる規制、リスクや科学に基づく原則から外れた、保護主義的で根拠のない措置など。
3団体は今夏にも会合を開いて、優先事項の再評価を行い、既存の共同取り組みの進捗状況について話し合う予定で、「科学とリスクに基づく貿易を共同で提唱し、持続可能性に関するメッセージと行動を一致させるために共同で取り組むことで、北米の食肉業界は革新的、効率的、貿易促進的な慣行と基準における世界的リーダーとしての地位を確立する」としている。
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