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TRADER'S Be & Po

vol.441 Mar.4.2024
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 肥育牛価格緩む、と畜頭数の減少で
2024年の豚肉供給安定、小売・外食には好材料
生産動向 寒波の影響で1月のフィードロット導入減少
トピック NAMIと北米内の食肉団体が協力合意
ワールドトレード 豚肉貿易市場、第1四半期も課題多い―ラボバンク
市場展望 2023年の肥育牛価格は過去最高、今年さらに上昇
USMEFインフォメーション フーデックス出展、メンバー4社共同出展
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2023年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

肥育牛価格緩む、と畜頭数の減少で

 
 

1月第2週以降、続伸してきた生体牛価格は、2月第2週に上げ止まった。2月第1週の主要5州の去勢牛平均価格は、生体牛181.15ドル、枝肉287.37ドル。それぞれ前週比3.36ドル高、7.84ドル高で、いずれも昨年11月第1週以来の高値を付けたが、第2週には水曜から木曜にかけて、生体牛価格が1〜2ドル下落した。

下落の主因は、牛肉の需要が鈍いことと、パッカーマージンの悪化でと畜頭数が減少したことだ。2月は年間で最も需要の弱い時期だが、牛肉の卸売・小売価格ともに前年同期より大幅な高値にあることで、売れ行きが鈍っている。

2月第1週のカットアウト平均価格は、100ポンド当たり296.59ドル。前週比0.24ドル高だが、前年同週比では10.8%高。12月のチョイスの小売価格は前年比7.5%高、生鮮牛肉全体では同9.5%高となっている。

第2週の牛肉生産量が少なかったことで、カットアウト価格は上昇し、前半4日間でチョイスが1.26ドル高の295.30ドル、セレクトは2.91ドル高の287.99ドルとなった。

アナリストによると、「前週のパッカーマージンは、1頭当たり平均123.70ドルの赤字。年始からの6週間の平均では1頭58ドルの赤字で、大幅な赤字が続いている」という。過去5週間のと畜頭数は、前年比で22万5000頭減、週平均では4万5000頭減。2月第1週のと畜頭数は62万2000頭、第2週は60万2000頭前後まで減少した。

 

※2024年2月19日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

2024年の豚肉供給安定、小売・外食には好材料

 
 

USDAの最新予測によると、2024年の豚肉生産量は278億9500万ポンドで、前年比では5億7900万ポンド多い。推定される豚肉輸出量は70億8000万ポンド(前年比3.8%増)となり、2024年のアメリカ国民一人当たりの消費可能量は、2023年から1%増加すると予想されている。

2023年に豚肉生産者の収益性は大幅に悪化したものの、母豚の減少は生産性の向上で相殺される見込みで(一腹当たりの産子数増など)、2024年の豚肉供給は安定している。米国の小売業者や外食事業者にとっては好材料だろう。

豚肉供給量が前年を上回ると予想されることは、一方では、豚肉価格が全体的に下落することも示唆する。2023年のカットアウト価格(下のグラフ参照)を見ると、第2四半期の価格が例年になく低いことが分かる。

これは、春季の在庫水準の高さと、カリフォルニア州およびマサチューセッツ州の動物福祉規定に関する最高裁の決定が、スポット市場の取引に大きな混乱を引き起こしたためで、2024〜2025年にはこうしたことはもう起こらないだろう。

また、2023年の価格が低かった主な要因は、4・5月のベリープライマル価格が100ポンド当たり70ドルに近かったことだが、現状のカットアウトの先物価格は、ベリーが120〜125ドルの範囲を超えることを示唆している。

  米国の国民一人当たりの豚肉消費量予測
  ポークカットアウト価格の推移(実績と先物価格)(左)/ポークベリープライマルの価格推移(右)
 
生産動向

寒波の影響で1月のフィードロット導入減少

 
 

1月のフィードロット飼養動向は、導入および出荷の両面で、寒波の影響が大きかったようだ。出荷頭数は前年とほぼ同水準と推定されるが、と畜日数が1日多いことを勘案すると、実質4%減に相当する。

導入頭数は、アナリストの予想範囲が前年比81.6%から94.0%と幅広く、平均は89%。この予想どおりなら、2月1日現在のフィードロット総飼養頭数は1170万4000頭前後で、前年とほぼ同水準になる見通しだ。

一部のアナリストは、「寒波はフィードロットの導入にも大きく影響した。肥育素牛の競りと取引データは、いずれも5%程度の減少を示している。1月のフィードロットの状況は急速に悪化し、牛の移動が停滞した。2月の出荷・と畜頭数はその反動で、季節的傾向とは逆に増加する可能性がある」と予想する。

 

※2024年2月19日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
トピック

NAMIと北米内の食肉団体が協力合意

 
 

北米食肉協会(NAMI)は、カナダ食肉評議会(CMC)ならびにメキシコ食肉評議会(COMECARNE)との間で、北米内での貿易の改善、規制障壁の緩和、情報交換の強化に向けた継続的な取り組みを正式に行う覚書(MOU)に署名した。

また、外国の動物疾病、持続可能性、非関税貿易障壁への対処についての共同声明をとりまとめた。この覚書と共同声明は、メキシコのプラヤ・デル・カルメンで開催されたCOMECARNEの年次総会で共有され、各国の農業・貿易担当の政府機関にも送られた。

今回の3分野の合意とポイントは以下のとおり。

❶アフリカ豚コレラ(ASF)をはじめとする外来動物疾患

各団体は、業界のリスク緩和策とトレーサビリティの取り組みに関する情報を共有し、ASFの合同対策演習に参加。各国政府と緊密に協力して、北米でASFの流行が発生した場合は、国際基準に沿って生体豚と豚肉および豚肉製品の取引継続を促進することを約束。

❷持続可能性(社会的、経済的、環境的)

各団体は、プロテインPACTやCRSBのNational Beef Sustainability Assessment and Strategyといった業界全体の枠組みをはじめ、自発的で証拠に基づいた、貿易促進型の農業持続可能性プログラムを推進する。さらに、持続可能性におけるNAMIのイニシアチブと、カナダ、メキシコ、米国の政府が国内外で採用・支持している農業の持続可能性に関する規制や政策の間で、より良い協力、調整を行うための領域を特定していく。

❸貿易に対する技術的またはその他の障壁

規制プロセスの合理化を促進することで、貿易障壁に対処する。貿易を制限する可能性のある規制や法律に関する情報交換を行い、協調的な対応を考案する。対象は煩雑な包装やラベル表示の方針、生きた動物や製品の差別につながる規制、リスクや科学に基づく原則から外れた、保護主義的で根拠のない措置など。

3団体は今夏にも会合を開いて、優先事項の再評価を行い、既存の共同取り組みの進捗状況について話し合う予定で、「科学とリスクに基づく貿易を共同で提唱し、持続可能性に関するメッセージと行動を一致させるために共同で取り組むことで、北米の食肉業界は革新的、効率的、貿易促進的な慣行と基準における世界的リーダーとしての地位を確立する」としている。

 

※2024年2月20日 FOODMARKET.com

 
ワールドトレード

豚肉貿易市場、第1四半期も課題多い―ラボバンク

 
 

ラボバンクの調査報告書「Global Pork Quarterly Q1 2024」によると、豚の主要生産地域は雌豚群の縮小に直面しており、世界の豚肉生産量は減退する見通しだ。2024年上半期の世界的な豚肉貿易は、輸入国での在庫が多いことから減少する可能性がある。

「特に、紅海とスエズ運河で現在起きている危機によって、欧州からアジアへの出荷が複雑化しており、豚肉輸出市場は軟調になると見られる」(ラボバンクのタンパク質担当チーフアナリスト)。

2024年の豚肉生産量は、中国、米国、および一部のヨーロッパ諸国で減少、または横ばいになると予想される。疾病も業界全体の大きな課題になっている。

一方で、飼料価格は引き続き下落しており、トウモロコシの価格は前年比15%安、大豆は同25%下落している。「飼料コストの低下は、養豚農家にとっては不透明感の強い市場環境の中で、収益性を回復する好機になるだろう」(同)。

しかし同時に、気候変動が供給や価格動向に与える影響にも警戒する必要がある。ブラジルの豚肉生産は、国内のいくつかの地域で豚群の縮小が予想されるが、全体としては引き続き増加基調だ。アジア、特に中国では、アフリカ豚熱(ASF)の発生で、繁殖豚群が減少することへの懸念もある。

 

※2024年2月14日 FOODMARKET.com

 
市場展望

2023年の肥育牛価格は過去最高、今年さらに上昇

 
 

CattleFax社は市場動向セミナーを開催し、肥育牛価格の2023年の推移と2024年の見通しを示した。主なポイントは以下のとおり、

2023年の肥育牛と子牛の平均価格は最高値を更新した。今後3年間にわたって、牛の飼養頭数と牛肉生産量の縮小が続くことから、生産者の収益性は良好な状況が続くだろう。

記録的な高値にもかかわらず、牛群の拡大は遅れる可能性が高い。長引く干ばつ・投入コストの高騰・労働力不足・高金利・市場の不確実性が、牛群拡大に対する逆風となっており、現在のキャトルサイクルにおける拡大期は、従来のサイクルよりも遅く、長期的なものになると予想される。

2024年初めの肉用雌牛の飼養頭数は2820万頭で、前年比2%減。干ばつは多くの地域で改善したが、2023年には雌牛群の3分の1以上が干ばつの影響を受け、一部の地域ではとう汰が進んだ。このため、短期的な雌牛群の拡大は限定的になる。

2024年の繁殖牛(雌牛および雄牛)のと畜頭数は650万頭と予測され、前年比では約80万頭減少する。肥育牛のと畜頭数は、同75万頭減の2480万頭と予測される。

牛肉生産量は、2023年に前年比で約13億ポンド減少したが、2024年にはさらに10億ポンド減少し、約259億ポンドになると予想される。このため、2024年の国民一人当たりの牛肉供給量は56ポンドで、1.7ポンド減少する。

2024年の肥育去勢牛の平均価格は、2023年より9ドル高い184ドルと予想される。米国の牛肉輸出は2023年に1%減少したが、2024年は、生産量の減少と価格高騰を要因に、さらに5%減少する見通し。

 

※2024年2月12日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

フーデックス出展、メンバー4社共同出展

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、3月5〜8日の4日間、東京ビッグサイトで開催される「フーデックスジャパン2024」にメンバー企業4社とともに出展します。

USMEFブース(東4ホールC12-41)では、アメリカンビーフ・ポークの需要拡大に向けた2024年の活動計画と販促提案を紹介するとともに、以下のメニューの試食提案を行います。

【アメリカンビーフ】

①焼きしゃぶ香味野菜和え(アジア風) ②ステーキ(経産牛のリブロース) ③ステーキ(外モモ低温調理)④フィリーズチーズステーキ

【アメリカンポーク】

①キューバサンドイッチ ②ヒレ豚から ③アメリカンブレックファーストセット ④タントリネギ塩丼

各種パンフレット・ガイドブック等も配布しますので、ご来場の際は是非ともUSMEFブースにお立ち寄り下さい。なお、パッカーブースには以下の4社が出展します。

【共同出展メンバー企業】

Sugardale
Berkwood farm
Smithfield
Porky products

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート