チャレンジングな年、新たな機会と価値を提案
米国の食肉業界を代表し、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
2023年は、円安、海外相場の高騰、インフレの進行、飼料を含む原料コストや人件費・輸送コストの上昇など、日本の食肉業界は厳しい逆風に直面してきました。これらの影響もあり、2023年の日本向けのアメリカンビーフ、ポークの輸出量は減少しました。
また、世界情勢は、ロシアによるウクライナ侵攻が依然として継続しており、イスラエル・ハマスの紛争も終わりが見通せない状況です。これらの紛争は世界のエネルギー情勢、食糧安全保障などにも暗い影を投げかけています。
一方、2023年の数少ない明るいニュースは、5月にコロナウイルスが5類に移行し、外食産業の売上が急速にコロナ前の水準に回復。また、海外からの旅行者数もコロナ前の水準に戻りつつあることだと思います。
2024年も昨年同様に、アメリカンミートにとってはチャレンジングな1年になると思います。USMEFは今年、アメリカンビーフ、ポークをさらに拡販できる新たな機会、新たな価値を提案していきたいと考えています。
日本でも消費の二極化が進行しています。節約志向の安いものを求める層と、高額でも良いと思えば購入する層にはっきり分かれます。また同じ人が日用品は安いものを求めるのに対して、行楽レジャーや趣味の非日常の出費では財布のひもを緩める傾向にあります。これらの消費傾向に上手く対応し、アメリカンミートに付加価値を付けて提案することに注力する方針です。
その一環として、アメリカンビーフでは米国政府の検査官による格付けシステムを改めて日本マーケットで紹介し、『Prime』と『Choice』の格付けマークをそれぞれの品質を保証する付加価値のあるマークとして提案していきます。
アメリカンポークでは引き続きロースを中心に提案を行います。さらにソーセージ、ベーコンといった加工品についても提案を強化してまいります。
需要が回復傾向にある外食向けの提案も強化します。ホテルレストランやステーキレストラン向けの提案を拡充し、またデパートでの「アメリカンフェア」の実施やBBQ施設でのアメリカンビーフ、ポークの訴求を強化します。
アメリカンラムにおいては、「羊好き」な人たちに向けて、希少価値が高い、プレミアムな食材としてのマーケティングを実施。ホテルやステーキレストランなど、高級業態中心に訴求していきます。
また、USMEFでは各種SNS、公式Youtubeチャンネルにおいて、キャンペーンやレシピ、カッティング動画などを配信。さらに米国の生産者が愛情を込めて牛や豚を育てている映像を公開し、消費者に安心してアメリカンミートを購入していただくことに繋げます。サステナブルやアニマルウェルフェアといった、世界的なテーマへの取り組みについてもウェブサイトなどで公開していきます。
最後に、皆さまにおかれましては、本年もこれまで同様にUSMEFの活動にあたたかいご支援をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
米国食肉輸出連合会(USMEF) ジャパンディレクター 加藤 悟司
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