2024年の米国の牛肉市場では、豪州産牛肉の増加が予想される。USDAの予測では、米国の2024年の牛肉生産量は258億1000万ポンド、前年比で4.2%・11億2200万ポンド減少する見通しだ。
Beef Centralのアナリストは、「過去40年間、豪州からの米国への牛肉輸出は、ハンバーガー用の冷凍の加工用原料肉が中心だった。だが、米国の牛肉生産量が減少する中で、2024年は米国内で大きな変化が起こり、豪州産のチルド・グレインビーフのカット肉の輸入が大幅に増加する可能性がある」と見通す。
豪州はこれまで、WAGYUやサーティファイド・グラスフェッドビーフを除いて、米国市場にチルドのカット肉を大量に輸出した事はない。これは、米国が独自のフィードロット生産システムを通じて、高品質な穀物飼育牛のチルドカットを豊富に生産していたためだ。
最近、豪州を視察した米国の食肉・家畜アナリストは、「来年、米国の肉牛群は8600万頭に縮小し、1950年代以降で最低水準になる。と畜できる雌牛は枯渇し、未経産牛が繁殖用に保留されると、高品質なチルドビーフが不足する可能性が高い。豪州産のグレインフェッドビーフにとって、米国は重要な市場になるだろう」と予想する。
◆中国、豪州3工場からの食肉輸入停止を解除
豪州のワット農相とファレル貿易観光相は12月12日、中国が豪州の大手食肉処理場3施設からの食肉輸入規制を解除したと発表した。中国は、豪州が2020年にCOVID-19の発生源の調査を要求したことに対して、石炭・木材・大麦などの輸入を制限。3施設については、従業員の間でCOVID-19が検出されたことを理由に規制を課していた。
豪州側は、中国の税関が一夜にして制限の解除を発表したと述べている。中国税関のウェブサイトの食肉輸出業者リストでは、3施設は輸出停止と表示され、表示や汚染に関して問題があるとして輸入が禁止された他の8社は、依然として処分が継続されている。
豪州政府は、「これは中国との関係安定化に向けた、新しい前向きな一歩だ。残りの貿易阻害要因ができるだけ早く取り除かれるよう、引き続き求めていく」としている。中国は昨年、豪州から羊肉を10億ドル以上、牛肉は2億7000万ドルを輸入している。
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