豚肉価格は夏場に向けて上昇し、秋季に値下がりする(グラフ参照)。グリル需要はメモリアルデー(5月の最終月曜日)から増加をたどり、レイバーデー(9月の第1月曜日)までに終わるが、この期間にはと畜頭数の減少・枝肉重量の低下により、豚肉供給量が減少するためだ。
今年は、カリフォルニア州のPro12に対する最高裁の決定が価格の変動性を高めたが、全体的に見ると、こうした季節的要因が価格変動に最も影響を与えており、年内の残りの期間も同様に作用するだろう。
ロイン:グリル需要が減退し、供給が増加する秋季に向けて下落する傾向にある。と畜頭数が週当たり240万頭を超えた8月以降から、ロインへの値下げ圧力は増している。
昨年のロインの価格は、9月上旬には100ドル前後だったが、12月中旬までに80ドル前後まで下落した。現在の先物価格を見ると、今年も年末にロインの需要が弱まることを示唆しているが、今年はより大きな需要面のリスクがある。
Prop12が来年1月1日からより厳格に実施されることの影響を注視する必要がある。牛ひき肉や鶏むね肉の価格が低下しているため、競争が激化することも下振れリスクになるだろう。
ベリー:ベリー価格は、7・8月に記録した最高値から反落している。春季は、Prop12の影響で安値となったが、その後は在庫の急激な消化に伴い、例年にないような急上昇が起きた。
現在の価格は前年と同水準にあるが、今後は潤沢な供給を受けて値下がりするだろう。ベリーの懸念は、フードサービスの需要が鈍化していることだ。フードサービスのメニュー価格はインフレを超えて上昇を続けている。ベリーの需要はフードサービス、特にファストフードの売れ行きと密接に関係している。
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