北米食肉協会(NAMI)は、食肉産業界の持続可能性に関する指標と目標を定めた「プロテインPACT」ならびに「サスティナビリティフレームワーク」の策定から2年目を迎えて、その進捗度を示す報告書をまとめた。
5つの領域(動物福祉/環境/食品安全/健康・ウェルネス/労働者と人権)に注目した先駆的なデータ収集・報告を開始して2年目となる現在、データ提出企業数は60%近くに拡大し、特に大規模(従業員数2000名以上)企業では93%がデータを提出しており、米国で販売される食肉の90%をカバーしている。
ジュリー・アンナ・ポッツ会長兼CEOは、「5つの重点分野のうち、重要な目標のひとつは、2030年までに会員の100%が科学的根拠に基づく温室効果ガスの排出削減目標を設定することだ。データ提出企業の拡大により、最善の方法を業界全体で実施し、野心的な目標を達成するために必要な、さらなる資源を特定することができる」と述べている。
NAMIは9月に国連グローバル・コンパクト・ネットワークUSAと、食肉企業が排出量調査を実施するための実用的ツールを共同で発表した。これは、科学的根拠に基づく目標設定に向けた重要な第一歩となるものだ。
また、データ報告する企業の大半が、飢餓に直面する家庭が高品質なタンパク質を十分に摂取できるよう、フードバンクや慈善団体への寄付を行った。2020年の報告期間における主な活動例は以下の通りである:
◆ボブ・エバンス・ファームズは、ミッド・オハイオ・フード・バンクと4年間のパートナーシップを結び、現金と食料100万ドル以上の寄付を行うことを発表。
◆ホーメル・フーズとタイソン・フーズは、マウイ島の山火事で被災した地域社会を支援するために提携し、ホーメルは26万4000缶以上のSPAMを、タイソンは10万ポンド以上の食肉を寄付した。
◆スミスフィールド・フーズは、ハリケーン・アイダリアで壊滅的な被害を受けたフロリダ州のコミュニティに2万8000ポンドの食肉を寄付した。
◆スワガティスは、2023年現在までに約3万5000ポンドの冷凍ソーセージを、地元フードバンクや慈善団体に寄付した。 プロテインPACTの2023年継続的改善報告書は下記で閲覧できる。 Protein_PACT_2023_Data_Report.pdf (meatinstitute.org)
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