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TRADER'S Be & Po

vol.432 Oct.02.2023
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 国内外で牛肉需要減退、カットアウト下落
豚肉市況の見通し困難、季節的な供給増と需要の不透明感で
生産動向 牛総飼養頭数、減少幅は依然小さい
トピック オンライン・フードデリバリー市場、2030年に850億ドルへ
ポーク関連ニュース 豚肉輸出、秋季には回復する見通し
フードサービス 全米チーズバーガー・デーを祝し、各社が特別企画展開
USMEFインフォメーション アメリカンポークの故郷、米国中西部生まれの食の祭典「Porktober(ポークトーバー)」今年のイベント決定
ファベックス関西に出展、10月11〜13日インテック大阪
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2023年7月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

国内外で牛肉需要減退、カットアウト下落

 
 

ここ数カ月間、牛肉の小売価格が記録的な高値を続けていることから、消費者は豚肉や鶏肉に需要をシフトしている。このため、レイバー・デー(9月4日)の連休週にもかかわらず、カットアウト価格は下落している。

連休週のカットアウトの平均価格(100ポンド当たり)は308.59ドルで、前週比3.77ドル安。チョイスは平均309.96ドル、同2.58ドル安。9月第2週も続落傾向で、前半の4日間にチョイスは6.53ドル値下がりしている。

一方、牛肉の輸出需要は、主要なアジア市場で苦戦している。7月の輸出量は過去6カ月で最低となり、韓国向けは前年同月比24%減、日本向けは同37%減。中国向けは1〜7月累計で輸出量が20%減、輸出額は25%減少した。

アナリストは、「牛肉生産量が減少する中での下落は大きな懸念材料だ。連休週の小売レポートは、食肉全体の売上を豚肉がリードし、牛肉の売れ行き鈍化を示している。カットアウト価格はこのまま回復できないかも知れない」と予想する。

ネブラスカ大リンカーン校の研究者は、「インフレが続く中で、家計の節約指向が強まり、ステーキ、ローストビーフ用の牛肉が高価になるにつれ、牛ひき肉が人気を集めているようだ。カウミートの輸入量が少ないこともあり、牛ひき材の根強い需要がカットアウト価格を下支えするだろう」という。

9月第2週の生体牛の現金取引価格は182.50ドル、枝肉は290.39ドルで、それぞれ前週比0.25ドル安、2.36ドル安。

 

※2023年9月18日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

豚肉市況の見通し困難、季節的な供給増と需要の不透明感で

 
 

9月第1週の豚と畜頭数は223万4000万頭と、事前予想を約4万頭下回った。これを受けて、週末のカットアウト価格(100ポンド当たり)は前週比4%高となる94.1ドルをつけた。

価格が上昇したのはベリーの11ドル高(10%高)をはじめ、モモ3.9ドル高(4%高)、リブ4.6ドル高(4%高)など、主に加工仕向け製品だ。生鮮豚肉と生体豚の価格が真に試されるのは、と畜頭数がフル稼働に戻る9月後半からになるだろう。

昨年は、レイバー・デー以降の3週間の平均と畜頭数は250万9000頭だった。今年これまでのと畜頭数は、前年を1.5%ほど上回っている。控えめに1%増と仮定すると、9月の残り3週間のと畜頭数は週平均253万頭に達すると予想されるが、グラフが示すとおり、昨年の冬以降、と畜頭数が250万頭を超えたことはない。

これまでのと畜頭数の増加分は、枝肉重量の低下で相殺されている。9月7日までの5日間に出荷された肥育豚の平均重量は、前年比1.9%減だ。中西部の猛暑が重量の低下を招いてきたが、今後は気温が下がり、新鮮なトウモロコシが給餌されるようになれば、重量は増加するだろう。

現在の先物価格は、秋季へ向けて比較的着実に値を下げる見通しを示している。前向きな見方をすれば、豚肉価格は牛肉と鶏肉に対して価格競争力を維持できる(現在ポークロインは鶏ムネや85CL牛ひき肉と同価格帯にある)。

しかし、定量化の難しい課題として、カリフォルニア州およびマサチューセッツ州における動物ケアに関する新規制の影響がある。この問題は、完全準拠までの移行措置期間が切れる年末が近づくにつれて、より大きな懸念材料となるだろう。

 

※2023年9月11日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の週当たり豚と畜頭数の推移
  ポークカットアウト価格(日次ベース)と先物価格
 
生産動向

牛総飼養頭数、減少幅は依然小さい

 
 

ここ4年間、米国の牛群は縮小しているが、フィードロット飼養頭数(以下COF)は依然として多い。9月1日時点のCOFは1110万頭を超える見込みで、前年同月比19万7000頭減(1.7%減)だが、過去5年平均比では7万頭減にとどまる。

過去5年平均の8月の増加は4万5000頭だが、今年の増加幅は11万5000頭と推定される。アナリストは、「フロントエンド(肥育期間150日以上)の肥育牛は、9月1日時点で237万5000頭、前年比7万4000頭減にとどまる見通しだ。11月1日まで時点では、同6万2000頭増加し、過去5年平均を8万7000頭上回るだろう」と予想する。

この主因は、昨年に比べて出荷が3カ月連続で減少していることだ。今年これまでの導入頭数が前年比20万3000頭減であるのに対して、出荷は42万頭も減少している。

現在のチョイスとセレクトの価格差は、より高品質な牛肉が優位にあることを示している。肥育業者は、飼料価格の軟化もあり、高価な肥育素牛を購入するよりも、長く肥育することで収益をあげようとしているようだ。

 

※2023年9月18日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
トピック

オンライン・フードデリバリー市場、2030年に850億ドルへ

 
 

リサーチアンドマーケットのAI調査によると、米国のオンライン・フードデリバリー市場規模は、2022年の353億6000万ドルから、2030年には848億4000万ドルへと拡大する見通しだ。年平均成長率11.6%で成長すると予測されている。

複数のレストランから幅広い選択肢の食品を入手できるオンライン・フードデリバリーは、人々が食欲を満たす方法を変え、シームレスで楽しい食体験を生み出している。モバイルアプリやオンライン・プラットフォームの技術的進歩によって、GPS追跡、リアルタイム更新、安全な支払いオプションなどの機能が充実し、注文プロセスの透明性と利便性が向上している。

さらに、サードパーティのデリバリー・サービスの台頭により、消費者、レストラン、デリバリー・ドライバーをつなぐ市場が形成され、メニューの閲覧、価格の比較を含む合理的な注文方法を生み出している。

消費者の嗜好を形成するのは、価格、品質、食品の安全性、カスタマイズ・オプション、持続可能性であり、また消費者は多様な料理と新しい料理体験を試す機会を求めている。

「ゴースト・キッチン」と総称されるデリバリー専用レストランは、効率と費用対効果を求めてオペレーションを最適化していることで人気を集めている。サードパーティのデリバリー・プラットフォームが拡大し、消費者に幅広いレストランの選択肢、便利な注文インターフェース、効率的なデリバリー・サービスを提供。

AIと機械学習の統合によって、注文の推奨、配達ルートの最適化、顧客サービスなど、配達プロセスが様々な側面から改善されている。さらに、食料品のデリバリー・オプションを組み込んでサービスを多様化しており、自宅にいながら食料品を入手したいという消費者のニーズに応えている。

 

※2023年9月1日 Foodmarket.com

 
ポーク関連ニュース

豚肉輸出、秋季には回復する見通し

 
 

今年前半の豚肉輸出は、供給の制約と価格高騰を要因に落ち込んだが、7月は前年を5%ほど上回った。これまではカリフォルニア州のProp 12の対象品目の在庫確保の動きによって、輸出品目が制限されてきた。

7月の豚肉総輸出量は5%増加し、メキシコが全出荷量の40%近くを占めるトップ市場となった。1〜7月の累計輸出量は、前年を9.5%上回り、USDAの2023年の輸出予想と一致している。

8月の輸出量は前年同月比10〜12%増となる見込みで、ポークバラエティーミートの輸出量は中国向けが6%減少したにもかかわらず、全体では7%増が見込まれている。

 

※2023年9月11日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国産豚肉(バラエティーミート含む)の月別輸出量の推移
 
フードサービス

全米チーズバーガー・デーを祝し、各社が特別企画展開

 
 

2023年9月18日のナショナル・チーズバーガー・デーを祝して、マクドナルドは、アプリを通じた注文でダブルチーズバーガーを50セントで販売するのをはじめ、ハンバーガー各社が様々な記念セールを展開している。

「ウェンディーズ」では、9月18日から22日までの期間中、ジュニア・ベーコン・チーズバーガーを何と1ペニーで提供する。同店舗のリワードアプリまたはウェブサイトの「offers」コーナーから入手できる。新商品のパンプキン・スパイス・フロスティを購入すると、同チーズバーガーを1セントで購入できる。

「ウェイバックバーガーズ」は、1点購入で1点無料のキャンペーンを実施する。9月18日の月曜日に、チーズバーガーを1点購入すると2点目が無料になる。チーズバーガーには、焼き立てのビーフパティ2枚とアメリカンチーズ、レタス、トマト、ピクルス、オニオン、ケチャップとマスタードがサンドされている。

「アップルビーズ・グリル+バー」は、バーガーとポテトのセットを8.99ドルで提供する。バーガー、チーズバーガー、ベーコンチーズバーガーからチョイスでき、どれもビーフパティ、レタス、トマト、オニオン、ピクルスをブリオッシュ・パンでサンドしている。店頭、アプリ、オンラインで購入できる。

「バーガーファイ」は、コカ・コーラフリースタイルのドリンクを購入すると、プレミアムなバーガーファイ・チーズバーガーが3ドルで購入できる。バーガーファイのシグネチャー・チーズバーガーは、ジューシーな100%ナチュラルアンガスビーフのパティ2枚に、とろけるアメリカンチーズ2枚、レタス、トマト、香ばしい“ファイソース”をトッピングしている。3ドルのダブルチーズバーガーは、イートインの利用者を対象に1日限定で提供する。

  バーガー写真
 
USMEFインフォメーション

アメリカンポークの故郷、米国中西部生まれの食の祭典「Porktober(ポークトーバー)」今年のイベント決定

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)では、アメリカ生まれの食の祭典「Porktober(ポークトーバー)」キャンペーンを 2021年10月から展開しています。3年目となる今年も、アメリカンポークのおいしさと魅力をより多くの方に気軽に楽しんでいただくための施策を実施していきます。2022年9月、10月には、アメリカンポークの様々なメニューを味わえるイベント出展を行います。

■ポークトーバーとは?

ポークトーバーとは、「ポーク」と「オクトーバー」を組み合わせた造語です。アメリカンポークの主要生産地である中西部を中心とした地域では、豚肉の豊かな実りを祝い、感謝を込めて豚肉料理を楽しむ習慣があります。

サスティナブルな農法で育てられた大豆とトウモロコシを食べて育ったアメリカンポーク。生産者の多くはファミリー経営で、大切に豚を育てています。「ポークトーバー」は10月に感謝の気持ちを込めながら、その恵みを味わうお祭りです。

  ポークトーバー画像
 

2023年のキャンペーンでは、「グランフロント大阪ショップ&レストラン」の13店舗で10月1日〜10月31日にフェアが実施されるのをはじめ、かつ丼チェーン大手の「かつや」で10月6日〜26日の間、オリジナルメニューが提供されます。

イベントでは、10月7〜8日と横浜・山下公園で開催される「ワールドフェスタ」に出展。会場では、USMEFが提案を強化している「アメリカンポークの豚から」と「キューバサンド」が提供されます。

このほか、横浜ではアメリカの食文化を発信するレストラン「マザールーシー」3店舗で10月1日〜10月31日に、オリジナルメニューが提供されます。また、ソレイユの丘にあるBBQ場「BONFIRE」でも同期間にポークトーバーメニューが提供されます。

スーパーなどのリテール分野では、1300店舗がポークトーバーフェアに協力参加する予定です。

 
 

ファベックス関西に出展、10月11〜13日インテック大阪

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、10月11日(水)〜10月13日(金)の3日間、インテックス大阪で開催される「ファベックス関西2023」に出展します。同展示会は惣菜デリカ・中食・弁当・外食・給食・配食の業務用専門展示会です。

USMEFは、アメリカパビリオン内でフーズを展開。アメリカンビーフ、アメリカンポーク、アメリカンラムに関する情報提供を中心に新たに発刊した外食産業向けのレシピ提案書をはじめとする各種のガイド配布やソーセージ・ベーコン等のアメリカンポーク加工品の展示・試食提案を行います。

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート