現代のQSR(クイックサービスレストラン)は、優れたデジタル・プレゼンスを持つことが重要になってきている。これは、利益を上げるためだけではなく、投資家が魅力的な投資先を決定する上でも大きな意味を持つ。
アプリデータ分析などを行うApptopia社によると、マクドナルドのスマートフォンアプリは昨年、同社と世界全体で競合するスターバックスの約4倍もダウンロードされた。国内市場でのダウンロード数は、業界2〜4位の合計数に等しい。
同社の総売上に占めるデジタル売上は約40%。アプリは注文と支払いをよりシームレスにするだけでなく、ユーザーに有益な情報を提供し、適切なタイミングで適切な対象にプロモーションを通知し、ここ数年で大幅に上昇した人件費の削減にも役立つ。
ドミノは、ピザアプリのカテゴリーで、ライバル社やウーバーイーツなどのデリバリーアプリに大きくリードを奪われた。同社の業績予想は9.5%減で、最近ではウーバーと協力して、同社のプラットフォームにライバル社と並んで製品広告を掲載することになった。
その点でも、マクドナルドは優位に立って、ライバル社を引き離している。米国内のマクドナルドアプリの月間平均ユーザー数は、第2四半期に18.2%増加し、ダウンロード数は前年同期比で2.5%増加した。
これに対して、バーガーキングは月間ユーザー数8.6%減、ダウンロード数は4分の1以上も減少した。しかし最も低迷しているのは、3位のウェンディーズだ。同社の第2四半期のアプリ月間平均利用者数は25%以上減少し、ダウンロード数は30%以上減少した。同社の業績に不満を募らせた一部の投資家は、株主への大幅な現金還元を迫ったが、デジタル競争力の低下は今夏の決算にも現れるだろう。
この1年間で、アナリストが通期の一株当たり利益の予想を引き上げたファストフードチェーンは、マクドナルドだけだ。デジタル競争力に比較的優れたタコベルを運営するヤム・ブランズでさえ、予想利益を引き下げている。デジタル競争力の強さは、成功のための新たなレシピといえるだろう。
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