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TRADER'S Be & Po

vol.429 Aug.14.2023
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 牛肉市場の見通しは予測不可能な様相に
豚肉のカットアウト上昇―季節的需要と在庫減少で
ポーク関連ニュース 6月末の豚肉在庫急減、前月比7.8%減、ベリー14%減
トピック レッドミートの在庫急減、家きん肉は増加
業界ニュース 生体牛価格の190ドル突破を阻む要素
生産動向 経産牛飼養頭数2.6%減、繁殖基盤の再構築進まず
フードサービス スマートフォンアプリで圧倒的リード―マクドナルド
USMEFインフォメーション Burger is AMERICAN BEEF 2023. Instagramキャンペーン
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2023年5月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

牛肉市場の見通しは予測不可能な様相に

 
 

米国の牛肉卸売市場は、生体牛価格の記録的高値や、上下動を繰り返すカットアウト価格、そして牛肉の減産が相まって、ますます予測不可能な様相を呈している。加えて、小売価格の記録的高値が需要に及ぼす影響への懸念も重なっている。

ベテランのトレーダーは、「過去2か月間のカットアウトの上下動が激しく、何をいつ買うべきかを見極めるのは至難の業だ。一部パッカーは長期契約を停止しており、事前取引に対して全体に消極的だ。第3・第4四半期に牛肉の生産量が減少するのか、あるいは増加するのかさえも分からない状況だ」という。

USDAの牛肉生産予測は、第3四半期が68億1000万ポンド、第4四半期が68億2000万ポンド、2023年計では271億6100万ポンド(前年比4.0%減)となっている。さらにバイヤーを困惑させているのは、2024年の生産量予測が8.9%も減少すると見られていることだ。

小売価格の記録的高値も懸念材料だ。6月の牛肉小売価格は7.58ドルと過去最高を記録した。これに対してブロイラーの小売価格は2.50ドルで、前年同期比5セント高だが、前年のピーク(2.54ドル)は下回っている。豚肉の小売価格は下落傾向が続き、6月の平均は4.68ドル(前年比5.1%安)だった。

こうした状況の中、ボックスビーフの卸売価格は、生産の減少に下支えされて値を戻した。7月第3週のカットアウト平均価格は300.30ドル、前週比5.89ドル安、2週間で16.30ドル安となったが、7月第4週には、前半4日間でチョイスが0.12ドル高の302.86ドル、セレクトは3.03ドル高の279.76ドルに上昇した。

一方、同週の生体牛の現金取引は非常に少なかった。月曜日にアイオワ・ミネソタで生体牛1187頭が188〜190ドル、火曜日はネブラスカで枝肉が295ドルで少量の取引があったが、水曜日から木曜午前までの取引はほとんどなかった。

 

※2023年7月31日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

豚肉のカットアウト上昇―季節的需要と在庫減少で

 
 

豚肉のカットアウト価格は、ベリー、モモ、フレッシュポークの高値に連動して上昇している。供給の減少、およびベーコンや精肉用豚肉の需要増といった季節的な要因に加えて、Prop12(カリフォルニア州の動物福祉に関する規制)のために、例年より在庫量を減らしてきたバイヤーの状況判断の誤りもあるようだ。

この2カ月間で、カットアウト価格は100ポンド当たり約32ドル(40%)も急上昇したが、その7割はベリーの高騰によるものだ。ベリーのプライマル価格は214ドルと、2カ月前から200%もの驚くべき上昇を見せた。ロインは18%高、モモは30%高など、他の品目も値上がりしている。

先物価格は、現時点では例年と同じく、秋季に向けて大幅な値下がりが予想される。10月限取引とCME(シカゴ商品取引所)インデックスの差異から判断して、6・7月と同様に季節的な要因が機能していることがうかがえる。

と畜頭数は増加傾向にあり、10月上旬までに、週間と畜頭数は8.5%増加すると予想される。加えて、肥育豚の枝肉平均重量は2.8%増と予想され、結果的に豚肉供給はおよそ10%増加すると見られる。

秋季の市況で重要なのは、モモの動きだ。これは、祝祭日の需要やメキシコ向け輸出と密接に関係している。春季のメキシコ向け輸出は良好で、モモの価格を下支えしていたが、最近の高値で、ここ数週間の輸出に影響が出ているようだ。

しかし国内需要に関しては、Prop12によるモモへの影響は、他の品目に比べて小さい。祝祭日向けには調理済みモモが主流となっているが、これらの製品はProp12に準拠する必要はない。以上を考慮して、先物市場は10月限のモモに90ドルをつけている。昨年のピークの110ドルは下回っているが、現時点では妥当な水準だろう。

 

※2023年7月31日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  ポークカットアウト構成部位の前年比高安(左)/ポークカットアウト価格の推移(右)
 
ポーク関連ニュース

6月末の豚肉在庫急減、前月比7.8%減、ベリー14%減

 
 

ここ数週間、Prop12に関連した在庫積み増しが議論されてきたが、6月の豚肉在庫の減少幅は、近年に比べてかなり大幅に減少した。Prop12への準拠や値上がりに関する懸念が、この状況を促したのかもしれない。

6月末の豚肉在庫は4億9020万ポンド(前年比9.1%減)と、過去5年平均を6.5%下回った。前月比は7.8%減で、過去5年平均の3.9%減を大幅に上回っている。例年、モモの在庫は6月に増加するが、今年は例外的に微増だった。

一方、ベリーは前月比14.5%減で、過去5年間平均の前月比では9%減だった。高い水準からの減少であり、前年比では33%増と依然として多い。しかし、年内はカリフォルニア州の需要に対応できることから、現時点でこの在庫水準に問題はないだろう。

リブの在庫は6270万ポンド(同42%減)。現物を持っている業者が価格上昇に乗じて未決済分を売却したことで、在庫が大幅に減少した。ポークトリムも前月比12%減と、過去5年平均の5%減を大幅に上回る減少となった。在庫の減少と7月の季節的な供給減が相まって、ポークトリム価格は上昇傾向にある。

豚肉輸出が好調(前年比2ケタ台の増加)であることから、国内向けに流通できる豚肉在庫は、総在庫量が示す数値よりも少ないと見るべきだろう。

 

※2023年7月31日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  豚肉の月末在庫量の推移
 
トピック

レッドミートの在庫急減、家きん肉は増加

 
 

USDAが発表した食肉・家きん肉の在庫は、6月末時点で合計22億100万ポンド(前年同月比1.8%減)。前月比では1.2%増加したが、豚肉・牛肉は前月から大幅に減少した。各畜種の前年比と前月比は以下の通り。

  • 豚肉:前月比7.8%減・前年同月比9.1%減
  • 牛肉:同3.2%減・同20.3%減
  • 鶏肉:同3.2%増・同11.3%増
  • 七面鳥:同8.9%増・6.3%増

豚肉在庫は4億9020万ポンドで、前月比で4160万ポンドの減少。過去5年平均比では6.5%減。牛肉在庫は4億1190万ポンドで、前月比560万ポンド減少。過去5年平均比では6.4%減。

レッドミート(牛・豚・羊肉)の合計在庫は、9億2787万1000ポンド(前年同月比14%減)と大幅に減少した。家きん類は、生産量増と需要の鈍化を反映して、13億200万ポンド(同10%増)に増加した。

アナリストは、「牛肉在庫の大幅減少は、前年6月が記録的に多かった反動だが、レッドミート全体では、月間と畜頭数の減少と堅調な需要を反映している」という。

 

※2023年7月26日 FOODMARKET.com

 
業界ニュース

生体牛価格の190ドル突破を阻む要素

 
 

今夏の牛の価格がこれほど高いとは、誰も想像できなかっただろう。しかし、この驚くべき価格上昇はまだ終わっていない。フィードロット内の出荷可能な牛の頭数は、年内はタイトな状況が続く。フィードロット外の牛の頭数は、記録的な低水準に近づいている。

観測筋は、「牛肉輸出に大きな支障をきたすような突発的な疫病などが発生しない限り、現在の驚異的な強気相場が崩れることは考えられない」という。今後の焦点は、生体牛価格が190ドルを突破するかどうかだ。

不安材料の一つは、牛肉の小売価格の高騰と、レストランのメニュー価格の上昇に、消費者がどう反応するかだ。もう一つは、年内は赤字が続くとの見通しに、牛肉処理業者がどう対応するかだ。

本紙が今年初めに行った生体牛の価格予測では、年間の予想平均価格は、南部平原の去勢牛価格で100ポンド当たり155〜157ドル前後だった。しかし、実際には2月中旬に160ドルを超えて、4月上旬には170ドルを超えた。

これまでの最高値は、6月11日までの週の188.75ドル。その後は穏やかな下落が一度あったのみで、7月第4週には186.19ドル、前年同週比32%高と値を戻した。USDAは直近の予想で、第3四半期の予想価格を5ドル高の178ドルに、第4四半期は9ドル高の183ドルに、2024年の年間予想価格も4ドル高の184ドルに上方修正した。

牛処理業者は生産量を抑えて、損失額を減らそうとするだろう。平日の総と畜頭数が12万5000頭、あるいは肥育牛が10万頭を超える日はなくなるかもしれない。土曜のと畜頭数は2〜3千頭程度に減らされるだろう。

 

※2023年7月31日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
業界ニュース

経産牛飼養頭数2.6%減、繁殖基盤の再構築進まず

 
 

USDAの調査によると、米国の経産牛の飼養頭数は、今上半期も引き続き減少した。7月1日時点の飼養頭数は2940万頭(前年比2.6%減)で、2018年にサイクル上のピークを迎えて以降、5年連続で減少している。

オクラホマ州立大学のダレル・ピール氏は、「経産牛の5年間の減少幅は9.3%、300万頭に達する。しかし、これは全米で起きている肉牛群全体の縮小の一部でしかない」と分析する。

肥育牛および子牛を合わせた総飼養頭数は、9590万頭(同2.7%減)だった。未経産牛は同3.8%減。繁殖更新用の未経産牛は、肉牛が2.4%減、乳牛が2.7%減少し、その他の未経産牛は5.2%減少している。500ポンドを超える去勢牛は3.5%減、500ポンド未満の子牛は2.6%減、雄牛は5.0%減と、すべての牛が減少している。

7月1日時点のフィードロットにおける総飼養頭数は1310万頭(同2.2%減)。フィードロットの外にいる肥育素牛は3440万頭(同3.6%減)。また、同調査による2023年の子牛生産頭数は3380万頭(同1.9%減)だった。

ピール氏は、「今回の調査結果は、2023年も引き続き牛群の淘汰が進んでいるだけではなく、飼養頭数が安定もしくは拡大する明確な兆しがないことも示している」という。繁殖用に保留された未経産牛は405万頭と、過去のサイクルでの底に当たる2011年から2012年の420万頭を下回っている。これは過去50年間の観測における最低水準であり、繁殖基盤の再構築は全く進んでいない。

さらに、フィードロットの未経産牛は前年比で横ばいの状態にあり、飼養頭数に占める割合は39.9%と2001年以降で最も高く、引き続き多くの未経産牛が肉用に出荷されていることを示している。

 

※2023年7月31日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
フードサービス

スマートフォンアプリで圧倒的リード―マクドナルド

 
 

現代のQSR(クイックサービスレストラン)は、優れたデジタル・プレゼンスを持つことが重要になってきている。これは、利益を上げるためだけではなく、投資家が魅力的な投資先を決定する上でも大きな意味を持つ。

アプリデータ分析などを行うApptopia社によると、マクドナルドのスマートフォンアプリは昨年、同社と世界全体で競合するスターバックスの約4倍もダウンロードされた。国内市場でのダウンロード数は、業界2〜4位の合計数に等しい。

同社の総売上に占めるデジタル売上は約40%。アプリは注文と支払いをよりシームレスにするだけでなく、ユーザーに有益な情報を提供し、適切なタイミングで適切な対象にプロモーションを通知し、ここ数年で大幅に上昇した人件費の削減にも役立つ。

ドミノは、ピザアプリのカテゴリーで、ライバル社やウーバーイーツなどのデリバリーアプリに大きくリードを奪われた。同社の業績予想は9.5%減で、最近ではウーバーと協力して、同社のプラットフォームにライバル社と並んで製品広告を掲載することになった。

その点でも、マクドナルドは優位に立って、ライバル社を引き離している。米国内のマクドナルドアプリの月間平均ユーザー数は、第2四半期に18.2%増加し、ダウンロード数は前年同期比で2.5%増加した。

これに対して、バーガーキングは月間ユーザー数8.6%減、ダウンロード数は4分の1以上も減少した。しかし最も低迷しているのは、3位のウェンディーズだ。同社の第2四半期のアプリ月間平均利用者数は25%以上減少し、ダウンロード数は30%以上減少した。同社の業績に不満を募らせた一部の投資家は、株主への大幅な現金還元を迫ったが、デジタル競争力の低下は今夏の決算にも現れるだろう。

この1年間で、アナリストが通期の一株当たり利益の予想を引き上げたファストフードチェーンは、マクドナルドだけだ。デジタル競争力に比較的優れたタコベルを運営するヤム・ブランズでさえ、予想利益を引き下げている。デジタル競争力の強さは、成功のための新たなレシピといえるだろう。

 

※2023年7月31日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 
USMEFインフォメーション

Burger is AMERICAN BEEF 2023. Instagramキャンペーン

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は「Burger is AMERICAN BEEF Instagram キャンペーン2023」を下記内容にて展開中です。このキャンペーンは、アメリカンビーフのパティのおいしさを訴求するために2018年からスタートしたもので、毎年好評を得ているものです。

キャンペーン期間は、8月1日(火)〜2023年9月30日(土)まで。キャンペーン参加店舗(10店舗)で対象のバーガーの写真を撮って、Instagramに投稿すると、抽選で「アメリカンビーフ サーロイン ステーキ用 1ポンド」(3名)、「アメリカンビーフ オリジナルウォーターボトル 」(20名)が当たります。

キャンペーンと今回の参加店舗の詳細は、下記を参照下さい。 https://www.americanmeat.jp/csm/topics/american_burger2023/shop/

  Burger is AMERICAN BEEF Instagram キャンペーン2023
 
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