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TRADER'S Be & Po

vol.425 Jun.12.2023
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛上昇、需要軟化でパッカーマージン悪化
在庫増・需要減・Prop 12が豚肉価格の圧力に
ワールドトレード 韓国が豚肉などの関税ゼロに、生活費上昇に対応
生産動向 フィードロット導入、干ばつ前の水準に回復
ランキング 全米養豚企業上位37社、2022年に母豚数2.8%増
リテール 牛肉需要に低下の兆し、小売価格上昇も影響
USMEFインフォメーション LINEキャンペーン「夏のごちポ感謝祭」
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2023年3月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛上昇、需要軟化でパッカーマージン悪化

 
 

生体牛のコスト高と牛肉需要の軟化を受けて、ビーフパッカーの業績見通しは厳しさを増している。今年後半あるいは来年には、2015年以降初の赤字となる可能性もある。肥育牛処理のマージンが大幅に縮小している最大の要因は、生体牛価格がボックスビーフ価格に対して、昨年より大幅に高いことだ。

5月第4週の肥育牛の平均価格は100ポンド当たり175.15ドル、枝肉価格は280.84ドル。それぞれ前週比1.02ドル高、1.36ドル高で、前年同週比では25%近く高い。これに対して、カットアウトの平均価格は299.13ドル、前週比5.12ドル安。前年同週比では15%高だが、肥育牛のコスト高をカバーできる状況ではない。

5月第4週は、祝祭日を含む短縮週の手当てだったにもかかわらず、生体牛はさらに値上がりした。火曜日にはテキサスで生体牛4065頭が170ドルをつけ、水曜日には北部で生体牛が180〜183ドル(前週比2〜5ドル高)、枝肉価格は285〜286ドル(同3〜5ドル高)と続伸し、カンザスとテキサスでは171ドルで取引された。

一方、チョイスのカットアウト価格は、前半4日間で1.16ドル安の299.94ドルとなった。メモリアルデーの休業で、牛肉生産量が減少する見込みだったことを考えると、この弱さは意外だった。同週のと畜頭数が62万5000頭にとどまったことも、牛肉市場の弱さを象徴している。

 

※2023年5月29日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

在庫増・需要減・Prop 12が豚肉価格の圧力に

 
 

USDA発表の4月末の豚肉冷凍在庫は5億6550万ポンド(前年比6%増)で、過去5年平均比1.1%減。コロナ禍前の2018・2019年の水準を下回っているが、問題は4月の前月比が6%増と、例年に比べてかなり大幅に増加したことだ。

豚肉生産量がわずかな増加にとどまったにもかかわらず、在庫の積み増しが進んだことは、豚肉の需要が鈍化していることを示唆する。コロナ禍での支援プログラムが終了したことも、低所得層の豚肉需要に影響を及ぼしている。フードスタンプ(SNAP)の受給者は、給付金が大幅に減額されたことから、食肉の購入を減らしているようだ。

さらに、最高裁がカリフォルニア州の「Prop.12」(アニマルケアに関する州法・7月2日施行)を支持したことが、豚肉の需給見通しをより複雑にしている。「Prop.12」が定める基準に対して、現時点で適応している繁殖豚群の割合は極めて少なく、著名な農業エコノミストは5〜8%と推計している。

マサチューセッツ州でも同様の法律が可決されており、7月中旬までに施行予定だ。両州の人口は全米の約14%、一人当たりの支出額は約17%を占める。大手スーパーのWhole Foodsなど、一部の小売業者ではすでに同法に準拠した販売体制を整えたとするところもあるが、他の業者には速やかな切り替えは困難だろう。

大消費地である同州への供給懸念、さらに同州で販売できなくなる豚肉がどこに行くのかなど、需要鈍化に加えて豚肉価格の値下げ圧力が続いている。

 

※2023年5月26日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  冷凍豚肉の在庫量の推移(左)/ポークベリーの在庫量の推移(右)
 
ワールドトレード

韓国が豚肉などの関税ゼロに、生活費上昇に対応

 
 

韓国政府は5月30日、生活費の上昇に対応するため、豚肉や砂糖など価格が上昇している食品の輸入関税を、6月からゼロにすると発表した。短期的な供給不足への対応として、7品目に対する関税(最も高いもので10%)を0%まで引き下げる。経済規模で473億ドルに及ぶこの措置は、7品目の大部分に適用され、今年の年末まで施行される。

 

※2023年5月30日 FOODMARKET.com

 
生産動向

フィードロット導入、干ばつ前の水準に回復

 
 

USDAが発表した4月のフィードロット飼養動向調査によると、導入頭数は199万2000頭(前年同月比4.2%減)、出荷頭数は197万7000頭(同10.1%減)だった。5月1日時点の総飼養頭数は1161万2000頭(同3.4%減)で、前年の5月より53万3000頭少ない。

干ばつの影響で導入が多かった前年に比べると、導入頭数は8カ月間連続の減少だが、干ばつが発生する前の2016〜2021年の平均値に近い水準だ。導入時の重量区分別にみると、600ポンド未満は39万頭(同1万頭増)、600〜699ポンド31万頭(同2万頭減)、700〜799ポンド54万頭(同5000頭増)、800〜899ポンド51万7000頭(同3000頭減)、900〜999ポンド17万5000頭(同5000頭減)。

コロラド州立大学のステファン・クーンツ氏は、「牛群の縮小が予測されているが、4月の導入は平均レベルだ。サザンプレーンズの干ばつが若干軽減しており、秋冬に向けた見通しにはやや明るい材料となっている」という。
しかし一方では、フィードロット外にいる肥育素牛と子牛が減少していることから、アナリストは、「今後の導入は、前年の水準を大幅に下回ることが予想される。牧草地の状態が改善していることから、導入のタイミングがずれることも予想されるが、基本的に秋から初冬にかけての肥育素牛と子牛の供給はタイトで、価格も歴史的な高値で推移するだろう」と見ている。

肥育素牛の供給がさらに減少すれば、フィードロット業者は現在の低マージンで入れ替えを行うよりも、肥育期間を長くして重量を増やす傾向を強めるだろう。いずれにしろ、子牛と肥育素牛は歴史的な高値水準にあり、2014〜15年に記録した年間平均の最高値を超えると見られる。

 

※2023年5月29日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ランキング

全米養豚企業上位37社、2022年に母豚数2.8%増

 
 

Successful Farmingの「第28回Pork Powerhousesランキング」によると、米国の養豚企業上位37社が保有する母豚数は、2022年に9万9086頭増えて420万頭を超えた。生産コストの記録的な高騰や、疾病や労働力不足といった逆風にもかかわらず、前回調査比で2.8%増と過去最大の増加となった。

37社中、14社で母豚数が増加、15社が変動なし、8社で減少した。2008年に初めてリストに登場したTriOak Foodsがランキングから外れ、Win Productions LLCが新たにランクインした。このリストは、スミスフィールド以外は各社から提供されたデータを用いて作成されており、推定値は業界関係者から提供されている。

1位のスミスフィールドの母豚数は未公表だが、報道や関係者の情報によると、西部(カリフォルニア州・ユタ州・アリゾナ州)での事業で約4万5000頭を削減し、保有母豚数は約88万5000頭になったと推定される。2位のシーボードー・フーズは、The Maschhoffsのオクラホマ養豚場の買収(母豚2万2000頭)を含め、2万9000頭を増加した。

これにより、The Maschhoffsの保有数は15万頭となり、2ランクダウンの9位となったが、同社のブラッドリー・ウォルターCEOは、「今回の売却は両社それぞれの戦略に合致し、両社にとってメリットのある取引だった」としている。

3位のPipestone Managementは、33万70頭で4万2070頭増加。同社の社長であるバリー・ケルカート獣医学博士は、「この成長は、新規建設と買収のバランスがもたらしたものだ」とコメント。カリフォルニア州の「Prop.12」などに適合するために、同社は既存施設を拡張している。

4位のIowa Select Farmsは、25万頭で7500頭増加。それに続くJBSは7万6000頭を追加し、8位から第5位へと躍進した。追加の大部分は、12月初旬にアイオワ州のTriOak Foodsと行った取引によるもの。TriOakは2017年からJBS USAに独占的に肉豚を販売しており、その養豚場には複数のオープンペンの妊娠ストールと「Prop.12」に準拠した農場が含まれている。

 

※2023年5月16日Successful Farming

  米国の養豚企業ランキング(2022)
 
リテール

牛肉需要に低下の兆し、小売価格上昇も影響

 
 

5月と6月は、年間で最も牛肉需要が強い時期だ。しかし、今年は小売での牛肉需要が低下の傾向を示している。小売業者がマージン回復を目的に、4月の牛肉価格を大幅に値上げした影響かもしれない。牛肉価格の上昇は5月に入っても続いており、メモリアルデー(5月最終月曜日)後も続く可能性がある。

USDAによると、4月のチョイスビーフの平均小売価格はポンド当たり7.85ドル(前年同月比1.4%高)で、前月比0.11ドル高。生鮮牛肉全体の平均小売価格は7.33ドル(同0.5%安)で、前月比0.10ドル高。いずれも2021年10月にパンデミック下で記録した最高値を大きく下回っているものの、今年後半に向けて値上げが続くと、牛肉の消費者需要にかなり大きな影響が出るだろう。

アナリストは、「小売業者はマージン回復のために、牛肉の売価を上げ続けると予想される。これまでの価格上昇は穏やかだが、メモリアルデーの連休後にはさらなる上昇が起こる可能性がある。今後の最大のリスクは、高値によって需要が減少することだ」と指摘する。

牛肉需要に関する危険信号は、ビーフのカットアウト価格が季節的な上昇期にもかかわらず、2週間続けて足踏みしていることにも表れている。5月第週のカットアウト全体平均価格は100ポンド当たり174.13ドルで、前週比15セント高。チョイスは279.48ドルで、同1.47ドル安だった。チョイスの平均価格は4月中旬からの4週間で10.29ドル下落し、この時期としては異例の値崩れとなった。

 

※2023年5月22日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

LINEキャンペーン「夏のごちポ感謝祭」

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、6月1日から8月31日まで消費者向けLINEキャンペーン「選ばれて、ずっと1 夏のごちポ感謝祭」を実施します。LINEキャンペーンは6回目となりますが、今回は合計2900人に賞品が当たる大型キャンペーンとして展開します。

「ごちポ」のLINEアカウントを友だち追加し、参加店舗で購入した米国産豚肉の値札ラベルとレシートの画面をアップロードするだけで応募が完了(税込300円ごとに1口)。抽選によるプレゼントは、2つのコースをご用意しました。

Aコースは「アメリカンポーク三元豚肩ロースポークステーキ用500g」(180名)、Bコースは「アメリカンポーク三元豚肩ロース薄切り500g」(180名)が当たります。応募いただいた方の中から抽選で、Wチャンス賞として「オリジナルリユーサブルグロサリーバッグ」(2500名)をプレゼント。さらに今回は期間中に5口以上を応募した方の中から、自動エントリーによる抽選でAコースとBコースの賞品をセットにして贈呈します(計40名)。

販促資材は、「アメリカンポークを買って当てよう!」をキャッチコピーにトレイパックシールとPOPセット・棚帯(データのみ提供)を用意しました。LINEキャンペーンは毎回応募者が増えて、参加店の売上向上に繋がっている好評のキャンペーンです。この機会にご参加いただき、アメリカンポークの販売促進にご活用下さい。

販促資材の印刷用データの下記からダウンロードできます。
https://www.americanmeat.jp/trd/publications/tool/download/index.html

 
 
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