生体豚の先物価格が続落している。年始から積み増しされてきた豚肉在庫の評価が下がり、それがまた値下げ圧力となる状況に陥っている。
ベリーを例に取れば、加工筋は1〜2月に90ドルで購入し、春の後半に130ドルで売り出すことを見込んでいたものの、現在のベリー価格は85ドルを割り込んでおり、在庫を処分すれば含み損が確定することになる。
夏季に決済期限を迎える先物は、3月上旬から下げ続けている。ベリー価格が低迷していることが要因の一つだが、この3週間のカットアウト価格の下落を主導しているのはモモの価格だ。
3月13日以降、カットアウト価格は全体平均で100ポンド当たり11ドル(12%)下落したが、そのほぼ半分はモモの下落によるものだ。モモのプライマル価格は92ドル近辺だったものが、4月7日には73ドルまで下落。骨付きモモは62ドルまで低下している。
モモ価格の軟化には季節的な要素もある。例年、モモ価格はイースターの数週間前にピークを迎え、その後に低下する。USDAによると、3月31日までのモモの週間販促数が前年比で10%減少している一方、各種モモの小売価格は2ケタ台の上昇を示している。卸売価格が下落しても、それが小売価格に反映されるまでには時間がかかる。
過去2〜3年間のカットアウト価格の高値は、必ずしも消費者需要と一致したものでなかった。価格がどこまで低下すれば在庫消化が進むのか、加工業者や小売業者の模索が続きそうだ。
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