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TRADER'S Be & Po

vol.422 Apr.10.2023
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 先物の売りを受けて生体牛現金取引が軟化
ベリー安とモモ急落でカットアウト下落
ワールドトレード 中国、今後も牛肉市場の焦点に
生産動向 米国のフィードロット飼養頭数減少、カナダも牛群減少
トピック 子牛・肥育素牛価格はさらに上昇も
ポーク関連ニュース ベリー在庫多いが、豚肉全体では5年平均比8%減
豚肉生産者がGHG排出量を測定できる計算ツール
消費動向 パンデミック以降、付加価値の高い食肉の人気続く
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2023年2月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

先物の売りを受けて生体牛現金取引が軟化

 
 

生体牛取引は、外部要因による先物の売りが現金取引価格を弱めている。先物市場では、シリコンバレー銀行の破綻や米国の景気後退懸念に反応して、生体牛4月限取引が100ポンド当たり161.55ドルまで続落。前週の主要5州の現金取引価格だった165.40ドルを大きく下回った。

現金・先物価格間の基調がプラスであることから、3月第3週の現金取引は小幅安を受け入れる流れになり、生体牛164ドル、枝肉264ドルと値を下げた。アナリストは、「金融市場の低迷が続くと、相場の敵である不確実性は増す。だが、第2四半期に供給の減少が進むことを考慮すれば、価格後退の幅と期間は限定的なはずだ。周期的な価格トレンドの上昇基調が変わることはない」という。

一方、カットアウト価格は、牛肉の需要が引き続き良好であることから、歴史的な高水準で推移している。3月第2週のカットアウト平均価格は、100ポンド当たり288.41ドル。前週比0.50ドル安だったが、前年同週比では10.4ドル高となった。

今のところ、今年の肥育牛のと畜頭数は予想値に沿って推移している。しかし、第2四半期のと畜頭数および牛肉生産量は、1982年以来初めて、第1四半期よりも減少する可能性がある(2021年のコロナ関連の減少は除く)。

パッカーは顧客に対して、第2四半期の牛肉生産量が6%余り減少すると注意を促している。今年これまでのと畜頭数は前年比2.5%しか減少していないが、牛肉生産量は同4.3%減。この差は、枝肉重量が前年同期に比べて大幅に減少しているためだ。3月第1週の枝肉平均重量は822ポンドで、前週比5ポンド減、前年同週比19ポンド減。これをと畜頭数に換算すると、1万4130頭分の減少となる。

 

※2023年3月20日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

ベリー安とモモ急落でカットアウト下落

 
 

3月下旬は金融市場などの問題から、生体豚および豚肉市場は荒れ模様が続き、ポークカットアウト価格は100ポンド当たり81.6ドルと前年比20%減(20ドル安)となった。

出荷される肥育豚頭数が、予想より多いのは確かだ。12月から3月までのと畜頭数は4261万7000頭(前年同期比0.4%増)で、予想されていた15万6000頭増に近いと思われる。

USDAは12月の飼養動向調査で、50ポンド以上の肥育豚飼養頭数を4581万3000頭(同2%減)、前年より91万4000頭少ないとしている。今年は昨年より土曜が1日多く、平日が1日少なかったが、この大幅なずれを説明するものではない。

ただし、過去4カ月間の豚肉供給量は、昨年より少ない。と畜頭数は0.4%増加したとみられるが、平均枝肉重量は0.5%減少している。豚肉の供給が昨年とほぼ同等であることから、カットアウト価格の20%安の原因は、需要にあると見られる。

カットアウト価格の下落に、最も影響を与えた品目はベリーだ(グラフ参照)。最近のモモの下落は売りのきっかけとなったが、これはベリーの低迷が重要な要因だ。

4月のカットアウト価格が92ドル近辺、生体豚が80ドル台を回復するには、ベリーのプライマル価格が125ドルに近づく必要がある。しかし、現状の価格は88ドルだ。2022年6月のベリーは165ドル近辺、7月は195ドル近辺だった。今後3カ月間でベリーがどこまで持ち直すかが、夏季の豚肉価格のカギとなるだろう。

 

※2023年3月27日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  ポークカットアウトの前年比低下に対するベリー安値の影響
 
ワールドトレード

中国、今後も牛肉市場の焦点に

 
 

オランダの金融機関ラボバンクが示した、世界の牛肉需要に対する最新の見通しでは、中国の需要回復が大きな焦点の一つとなっている。経済環境が鈍化する中、この巨大市場が新型コロナによるロックダウンの影響からいかに速く回復するか、世界が注視している。中国の牛肉需要は2023年下半期に上向き、世界の牛肉価格を後押しすることが期待される。

もう一つの焦点は米国だ。2022年の牛肉輸出が量・額ともに過去最高を記録した後、生産における数値は縮小傾向を示し始めている。肉用雌牛の飼養頭数は1962年以来最低の水準に低下し、フィードロットの飼養頭数も減少している。

米国の牛肉生産量が減少するという予想は、世界の牛肉供給の再分配と、市場全体のひっ迫を引き起こすだろう。第1四半期の世界の牛肉生産量は、ほぼ横ばいだった。豪州の5%増とブラジルの2%増で、米国・EU・NZの減産を相殺した形だが、2023年の年間供給の見通しは、米国での減産を理由に、依然としてひっ迫している。

こうした中で、コロナ規制解除後の中国での牛肉消費における変化が、世界の牛肉市場に大きく影響する可能性がある。ラボバンクは、中国の世帯消費が2022年の低水準から大幅に回復すると予想している。

厳しい規制下で3年間を過ごした中国の消費者は、より実利的になり、より価値のある製品にお金をかけるようになってきている。経済状況の悪化は、低所得者層の牛肉消費にはある程度の影響を与えるだろうが、他の消費者層は、よりおいしく健康的で特別感のあるものとして牛肉を購入し続けるだろうと、ラボバンクは述べている。

 

※2023年3月27日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
生産動向

米国のフィードロット飼養頭数減少、カナダも牛群減少

 
 

米国農務省(USDA)が発表した3月1日時点のフィードロット総飼養頭数は、1164万5000頭(前年同月比4.5%減)。前年同月を54万8000頭下回り、2017年以来最少となった。導入頭数が6カ月連続で前年を下回ったことが主因だ。

2月の導入頭数は173万4000頭(同7.2%減)、出荷頭数は173万5000頭(同4.9%減)だった。飼養頭数が前年を上回ったのは、アイダホ州(5%増)とワシントン州(16%増)の2州のみで、飼養頭数最大はテキサス州の278万頭(前年比16万頭減)。導入時重量別に見ると、全てのカテゴリーで導入頭数が前年を下回った。

一方、カナダ統計局が発表した1月1日の牛飼養動向調査によると、同国の肉用雌牛群も縮小を続けている。雌牛の総飼養頭数は、前年比2%減。東部で3%増加したが、西部では3%減少した。未経産牛は4%減(東部1%増・西部5%減)だった。

アナリストは、「過去2年間の干ばつの影響で、牛群が一掃モードに入っている。未経産牛の頭数を見ると、来年の同時期にも肉用雌牛頭数が再び減少することは明らかだ」と言う。

2022年の子牛生産頭数は444万頭(前年比1%減)で、2017〜2020年の平均値とほぼ同じだった。子牛生産の減少はすでに予測されていたが、肥育素牛の供給はひっ迫している。フィードロットの飼養頭数は多いものの、牛群が縮小していることから、フィードロット外の牛の頭数が減少していることが明らかになっている。

 

※2023年3月27日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
トピック

子牛・肥育素牛価格はさらに上昇も

 
 

2023年の第1四半期の生体牛市場は、全クラスの牛の価格がアナリストの予測を大幅に上回った。コロラド州立大学のステファン・クーンツ氏は、「生体牛は100ポンド当たり165ドル以上で取引され、700〜800ポンドの肥育素牛は190ドル以上、500〜600ポンドの子牛は235ドルに迫っている。生体牛先物は、2014年11月に記録した史上最高値まで11ドル以内に近づいた」という。

しかし、飼料および飼料穀物市場の強さを要因に、素牛価格は記録を大きく下回っている。最近のトウモロコシ価格はブッシェルあたり6ドル割れとなったが、飼料用の乾草はトン当たり200ドルを超えている。飼料価格が正常に戻り、1ポンドあたりの重量増加コストが1.30〜1.50ドルに下がれば、肥育素牛と子牛価格の現状はむしろ過小評価されているとの見方もできる。

家畜マーケティング情報センター(LMIC)のアナリストによると、「春の牧草地の見通しを待たずに、500〜600ポンドの子牛価格(去勢)が全米的に上昇している。北部平原では春はまだ遠いものの、モンタナで250ドル、サウスダコタで242ドルに上昇。ワシントンでは上下動が大きく、先々週は260ドルから225ドルに下落した。乾燥状態にあるネブラスカでは235ドル近辺、カンザスでは干ばつによる安値が続いて200ドルを割っているが、さらに南のオクラホマシティでは、ここ数週間で225ドルをつけ、テキサスも先々週の平均価格が226ドルと今年の最高値をつけた」という。

春の牧草地の見通しが非常に不透明であり、乾草が高値であることを考えると、こうした競り価格は非常に高くなっている。牧草の育成状況によっては、夏に向けて急速な調整が入る可能性もある。先物市場では、12月のトウモロコシ価格が、現在の現金価格に比べて大幅に安くなると予想されている。これは、重量級の肥育素牛に対して大きなプラスになるだろう。

 

※2023年3月20日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
ポーク関連ニュース

ベリー在庫多いが、豚肉全体では5年平均比8%減

 
 

豚肉業界の予想の多くが、ベリーの在庫量に集中している。2月末時点のベリーの在庫は7100万ポンド近くとなり、依然として多い。前月比ではほぼ横ばい、前年同月比では42%増。在庫が増加しなかったことは救いだが、過去の例から見ると、4月までは在庫過多状況が続き、その間の価格は抑制されるだろう。

モモの在庫は8510万ポンド(前年同月比1%増)。過去5年平均比では21.4%減と、この時期としては少なく、イースター後にはかなりの低水準になるだろう。ロインは前月比6%減、過去5年平均比6%増。ボンレスロインは依然として少なく、消化が順調であることを示している。

2月末時点の豚肉全体の在庫は、5億2120万ポンド(同9%増)。過去5年平均比では8%減で、特に高い水準ではない。

 

※2023年3月27日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  図
ベリーの在庫量の推移(左)/豚肉在庫量の推移(右)
 
 

豚肉生産者がGHG排出量を測定できる計算ツール

 
 

牛から排出される温室効果ガスを測定・削減する研究は数多いが、アイオワ豚肉産業センター(IPIC)とアイオワ州立大学(ISU)エクステンションが新たに開発したデジタルツールは、肉豚生産者の生産行動が環境に与える影響を示すことを目的としている。

「離乳から出荷まで 豚肉の持続可能性計算ツール」は無料でダウンロードできるもので、生産者がデータを入力すると、現在の状況と、特定の調整を行うことで削減可能な温室効果ガス排出量を確認することができる。

開発に当たったISUのエリカ・ジョンソン氏は、「肥育効率の向上や死亡率の低減などの改善を行うことが、豚や豚舎の環境の向上にどれほど影響するか、生産者一人一人が自身のデータを使って確認できる画期的なツールだ」と述べている。

 

※2023年3月28日 Successful Farming

 
消費動向

パンデミック以降、付加価値の高い食肉の人気続く

 
 

2020年のパンデミック以降、ソーシャルディスタンシングなどの制約から、消費者の食生活は外食から内食へと大きく変化した。家庭で調理する際に利便性を重視する傾向が強まったため、付加価値の高い食肉の需要が増えた。

その後、外食に関する規制の大半が解除されたが、付加価値の高い食肉の人気は引き続き高く、小売からの引きも強い。最新データによると、全米の小売での調理済み食品/キットの週当たり総売上は2200万ドルで、そのうち、一人前の調理済み製品は390万ドルを占める。

この一人前の調理済み製品の中で、最も売上が高いのが豚肉メインの製品で160万ドル。続く牛肉と鶏肉は、それぞれ120万ドルと82万ドル。これに対して、野菜メインの売上は7万4138ドル、魚介類は4万7000ドルとなっている。

北米食肉協会(NAMI)と食品産業協会(FMI)が共同で発表した第18回「Power of Meat Study 2023」でも、こうした消費傾向が明らかになっており、付加価値型の食肉の消費拡大と世帯普及率の上昇が確認されている。

この調査では、付加価値型の食肉を「ケバブやミートローフ、ミートボール、手羽先など、あらかじめタレに漬け込むか調味料で味付けされた、カット済みのもの」と定義している。パンデミック前の基準となる2019年と比較すると、付加価値型食肉の総売上成長率は1.1%。

同調査によると、2016年には、食肉購入者の37%が「付加価値の高い食肉を時々または頻繁に購入する」と回答したが、2023年には、その割合は67%と大幅に増加している。付加価値の高い食肉を高頻度で購入するのは、都市部に住むZ世代とミレニアル世代に偏っており、こうした世代ではオンラインショッピングの頻度も高いことが明らかになっている。

 

※2023年3月27日 FOODMARKET.com

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート