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TRADER'S Be & Po

vol.420 Mar.13.2023
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛強気続く、カットアウトも反発へ
寒波で肉豚出荷遅れ、と畜減がカットアウトを下支え
生産動向 1月のフィードロット導入、2016年以来最も少ない
需給動向 豚肉の国内供給は潤沢、需要への注視強まる
トピック 2022年の米国産豚肉輸出、メキシコのシェア39%に上昇
PRRS耐性を持つゲノム編集豚の育種に成功
ワールドトレード 牛肉貿易、中国のゼロコロナ政策終了後に焦点−ラボバンク
ドイツの農場で新たにASF確認、対中輸出再開遠のく
USMEFインフォメーション アメリカンビーフ「春の店頭キャンペーン」4月28日開始
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2023年1月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛強気続く、カットアウトも反発へ

 
 

2月第3週の生体牛の現金取引価格は、100ポンド当たり159.62ドル。枝肉価格は253.91ドルで、それぞれ前週比1.45ドル高、4.3ドル高と続伸した。出荷待ちの牛の供給が少ないことで、肥育業者の優位が続いている。この状況は、おそらく夏を過ぎても続き、1年を通して継続する可能性がある。

特に今年の後半は、供給が例年より減少する公算が大で、先物市場もそれを予期している。先週木曜日の10月限の生体牛先物の終値は162.90ドル、12月限は166.95ドルだった。

フィードロットの飼養頭数は、通常は年の初めにピークを迎え、夏から年後半にかけて季節的に減少する。夏季の底では、ピークに比べて50〜60万頭落ち込むことも多いが、今年はさらに大幅な縮小が予想されている。

続落傾向にあったカットアウト価格も反発に転じつつある。同週のカットアウト平均価格は267.65ドル、前週比18セント高。第4週は、チョイスが前半4日間で9.89ドル上昇し、木曜日に279.55ドルをつけた。セレクトは同8.35ドル高の262.64ドルとなった。

 

※2023年2月20日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

寒波で肉豚出荷遅れ、と畜減がカットアウトを下支え

 
 

2月第4週の豚と畜頭数は237万5000頭で、週初の予想に比べて9万5000頭少なかった。寒波による出荷の遅れもあり、水・木曜日のと畜頭数が40万9000頭、37万1000頭と少なく、週間では前週比5.2%減、前年同週比4.7%減となった。

生産不足が豚肉の卸売価格を下支えした。カットアウト価格は予想通り木曜に上昇したが、金曜日は小反落した。生産の減少幅を考えると意外な展開だが、豚肉の卸売需要が昨年とは明らかに違う。これは在庫の多さも反映しているだろう。

最新の在庫状況をみると、1月の豚肉在庫の出荷量は前年比19%増。通常の水準に回帰しているが、在庫水準は部位によってばらつきがある。ベリーは依然として在庫過剰で、前年比57%増、過去5年平均比でも44%増と多い。

ロインの在庫は4390万ポンドで、前年比16.7%増、過去5年平均比7.8%増。最近、日本向けをはじめ北米以外の市場で、ロインの売れ行きが昨年の水準を大幅に上回って推移しているが、本当の動きが起こるのは第2四半期だろう。

鶏むね肉や牛ひき肉の価格が上昇基調にあり、今後はポークロインの価格競争力がより高まるはずだ。ロインプライマルの先物は、すでに4月限に15%、6月限に26%のプレミアムをつけている。6月限の価格は、昨年とほぼ同水準にある。現物のロイン価格は前年比約23%安の水準にあり、バイヤーにとっては買い時だろう。

 

※2023年2月27日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  ポークベリープライマルの価格推移(日次ベース)
 
生産動向

1月のフィードロット導入、2016年以来最も少ない

 
 

アナリストは、フィードロットの飼養頭数は1月も引き続き減少すると予想している。主因は、導入頭数が2016年以来最低の水準にあることだ。導入の予想は前年比96%から99.7%と幅があるものの、出荷はと畜稼働日が前年より1日多いため「4%増」との予想でほぼ一致。2月1日時点の飼養頭数は同4%減の予想となっている。

MBS Researchのアナリストは、「1月の導入は前年比約96%にまで減少し、1月としては2016年以来で最少となる。飼料コストの高騰と、一部地域での肥育状況の悪化が、導入への意欲を削いでいる。加えて、肥育素牛の供給ひっ迫と高値も影響している」という。

最近、軽量の肥育素牛と育成牛を牧草地に戻す動きもあり、これらが導入期となる3〜5 月期の導入は、前年比でわずかな減少にとどまるかもしれない。いずれにしろ、今後数週間は入手可能な肥育素牛をめぐる競争がさらに激化するだろう。

 

※2023年2月20日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
需給動向

豚肉の国内供給は潤沢、需要への注視強まる

 
 

USDA(米国農務省)の予想では、第1四半期の豚肉生産量は前年比1.5%増。この増加要因の一つは、2022年第4四半期に出荷予定だった一部の肉豚の出荷が、寒波のために第1四半期へとずれ込んだことだ。

出荷が減少した2022年第4四半期との対比で、2023年の第4四半期は生産量が4.3%増になり、2023年の豚肉生産量は前年を1.6%・4億4000万ポンド上回ると推定されている。

米国内の国民一人当たり豚肉供給量は51.1ポンド(小売重量ベース)で、前年から横ばいの見通し。生産増加が輸入量の減少(25%減)で相殺されるとの予想だが、一人当たりの供給量は過去20年間では上限に近い水準にあり、今後は需要が焦点となるだろう。

第1四半期の需要は、これまでのところ勢いを欠いている。過去2年間の突出した豚肉需要は、コロナ禍の特殊需要や競合する食肉の高値も影響しており、現在の先物価格の動向から判断すると、市場参加者は2023年の需要予測を大幅に調整しているようだ。

 

※2023年2月13日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の国民1人当たり豚肉消費量
 
トピック

2022年の米国産豚肉輸出、メキシコのシェア39%に上昇

 
 

メキシコは米国産豚肉輸出の最大の市場であり、12月の輸出量は7万8404トン(前年同月比9.7%増)、輸出量全体の41%を占めた。これにより、2022年の年間輸出に占めるメキシコのシェアは、前年の31%から39%まで上昇した。

中国向けの年間輸出量は19万6330トン(同50%減)と、2021年に比べて半減した。中国では、国内産の供給増加と価格低下のために、全ての輸入先国からの輸入量が減少した。しかし、2023年は米国産豚肉の輸入が増加する見通しだ。米国の豚肉供給拡大と欧州産の価格上昇が要因。

2022年の米国産豚肉の総輸出量は、前年比11%減の214万トン。輸出額は同4億6300万ドル(6.7%)減の64億ドル。ポークバラエティーミートの輸出額は、前年比5%増で、10億ドルをわずかながら上回る見通しだ。

 

※2023年2月13日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国産豚肉(調製品含む)のメキシコ向け輸出量の推移(左)/米国産豚(調製品含む)の中国向け輸出量の推移(右)
  米国産豚肉(調製品含む)の主要輸出国別シェア
 
 

PRRS耐性を持つゲノム編集豚の育種に成功

 
 

持続可能な農業のリーディング・イノベーターであるAcceligen社は、ゲノム編集によりPRRS(豚繁殖・呼吸障害症候群)に耐性を持つ豚の育種に成功したことを発表した。これは、持続可能で倫理的な生産の追求への画期的なステップになる。

PRRSは米国の養豚業界にとって最も影響の大きい疾病であり、豚の生産性だけでなく健康状態にも影響を及ぼす。この定期的に発生する複雑な疾病は、米国の豚肉生産者に推定5億ドルもの損失を与えているとされる。

カンザス州立大学が開発したタンパク質修飾を展開することで、Acceligenは生まれつきPRRS耐性のある豚の育種を可能にした。この新たな育種技術を活用することで、アニマル・ウェルフェアを向上させ、より健康的で、より安全な食品供給が実現できる。

生来PRRS耐性を持つ豚の育種は、生産性を向上させ、豚肉生産における環境的な影響を低減する可能性がある。PRRSウイルス感染への耐性は、イリノイ大学のボブ・ローランド教授の協力で有効性が実証された。

Acceligen社のCEOは、「我々の目標は、選抜育種に最善の手法を用いて、家畜、農家、消費者、そして環境にとってより良い未来を創出することだ。ゲノム編集は、最もパワフルな育種技術の一つで、これによって豚肉業界が直面する最大の課題のいくつかに対処し、より持続可能で倫理的なフードシステムを構築することができる」と語っている。

 

※2023年2月27日 FOODMARKET.com

 
ワールドトレード

牛肉貿易、中国のゼロコロナ政策終了後に焦点−ラボバンク

 
 

ラボバングが発表した2023年の世界の牛肉貿易見通しの要点は、以下のとおり。

2022年の牛肉需給をみると、消費者需要の高まりと牛肉供給のひっ迫によって、牛肉の小売および卸売価格が多くの地域で高値を更新した。ブラジルでは、中国向けの需要拡大で、輸出量および輸出額が過去最高を記録した。

2023年の牛肉貿易の大きな焦点は、依然として中国だ。減速する経済環境の中で、この巨大市場がいかに迅速に浮上することができるか、全世界が注視している。中国の牛肉需要は2023年後半に増加し、世界の牛肉価格を下支えすることが期待されている。

もう一つの焦点は米国になるだろう。米国の2022年の牛肉輸出は量・金額ともに記録を更新したが、その後は生産が収縮し始めている。肉用雌牛の飼養頭数は、1962年以降の最低水準にまで落ち込み、フィードロットの肥育頭数も減少を示している。米国で予想される牛肉生産量の大幅な減少は、世界市場全体のひっ迫に繋がり、牛肉供給の再配分を引き起こすだろう。

第4四半期までの世界の牛肉生産量は、横ばいと予想される。豪州では5%、ブラジルでは2%増加し、米国・欧州27カ国・NZにおける減少を相殺する。肥育牛価格は、多くの国・地域で下落傾向が続くが、明らかな例外は米国だ。肥育牛の供給がタイトになり、価格は下支えされるだろう。

 

※2023年2月13日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

ドイツの農場で新たにASF確認、対中輸出再開遠のく

 
 

ドイツ東部の養豚農家で新たにアフリカ豚熱(ASF)の症例が確認されたことを当局が発表した。ASFが報告されたのは、東部ブランデンブルク州で家畜11頭を飼育する小規模農場。安全を期して、11頭はすべて淘汰されたという。

中国などは、野生動物に初の症例が確認された2020年9月にドイツからの輸入を禁止した。アナリストは、「今回、農場でASFが発見されたことで、ドイツの禁輸解除はさらに困難になった」と指摘している。

この疾病は、人体への危険性はないが、豚には致命的だ。ASFに見舞われた地域からの豚肉輸入を多くの国が禁止しており、世界の食物貿易をゆがめている。ポーランドからドイツへ入った野生のイノシシが、ドイツ、特に東部のブランデンブルクおよびザクセン州でこの感染症を拡大させたと考えられている。

 

※2023年2月28日 FOODMARKET.com

 
USMEFインフォメーション

アメリカンビーフ「春の店頭キャンペーン」4月28日開始

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、春から夏にかけての商戦を盛り上げる消費者キャンペーンとして、4月28日から7月31日までアメリカンビーフ「春の店頭キャンペーン」を実施します。

キャンペーンシール貼付(店頭価格432円以上のパック商品)のアメリカンビーフを購入されたお客さまに、抽選で「アメリカンビーフサーロインステーキ用1kg」(300名)や「アメリカンビーフオリジナルクーラーバック」(1000名)をプレゼントします。

キャンペーン用トレイパックシール(2層式)の内部に記載のシリアルナンバーを応募用Webサイトに入力すると、その場で当落がわかります。キャンペーン告知資材として「キャンペーンシール」のほか「キャンペーン告知POPセット」(B5POP、棚帯のセット)も作成し、無償で提供します(発送は4月21日より)。

行楽シーズン・大型連休等での販売拡大、平時のアメリカンビーフ商品の需要喚起策として、この機会に店頭にてキャンペーンを告知頂き、マネキン試食販売に代わる販促手法として、売上向上とリピーター獲得にご活用ください。

本件へのお問い合わせは担当:笠谷(tkasatani@usmef.org)まで。

  米国産豚肉(調製品含む)の主要輸出国別シェア
 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート