印刷する
 

TRADER'S Be & Po

vol.419 Feb.27.2023
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 肥育牛の現金価格は強気維持 枝肉重量低下も一因
肉豚供給は予測より大幅に多い、投機筋は先物売りへ
トピック 2022年の牛肉輸出は過去最高、豚肉は過去3番目
豚肉在庫 ベリー在庫は65%増と潤沢、モモは13%減
生産動向 米国の牛総飼養頭数3%減、予想を上回る縮小
市場予測 2023年の牛肉価格と収益性は生産者に有利
USMEFインフォメーション フーデックスに出展、3月7〜10日東京ビッグサイト
ポークLINEキャンペーン、3月1日〜5月31日まで
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2022年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
定期購読(無料)の登録はこちら バックナンバーはこちら
 
市況ニュース

肥育牛の現金価格は強気維持 枝肉重量低下も一因

 
 

2月第1週(1月30日〜2月3日)の生体牛の現金取引価格は、100ポンド当たり158.17ドル、前週比2.92ドル高。枝肉平均価格は249.88ドル、同2.16ドル高の強もちあいで推移した。

2月第2週は、火曜日にカンザスで2227頭が平均159ドルで取引されたが、北部での取引は312頭と少なく、水曜日には3148頭がアイオワ・ミネソタで158ドル、ネブラスカでは157ドルで取引された。木曜日は北部のみの取引で、生体牛158ドル、枝肉250〜253ドルだった。

枝肉重量が引き続き前年水準を大幅に下回っており、これが生体牛価格にもプラス要因となっている。1月28日までの週の去勢牛平均重量は910ポンドで、前週比5ポンド減、前年同週比18ポンド減。未経産牛は平均830ポンドで、同6ポンド減、同24ポンド減だった。

枝肉重量は低下しているものの、格付割合はプライムとチョイスの構成比が引き続き高い。同週はプライム9.27%、チョイス75.37%。セレクトは12.47%で、昨年9月中旬以来の低い水準となった。

一方、牛肉卸売価格は依然として前年を下回っているが、やや持ち直す気配が出始めた。2月第1週のカットアウト平均価格は267.47ドルで、前週比3.72ドル安、前年同週比6.1%安だったが、第2週には、前半4日間でチョイスが4.55ドル高の269.29ドル、セレクトも2.40ドル高の254.01ドルとなった。

 

※2023年2月13日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

肉豚供給は予測より大幅に多い、投機筋は先物売りへ

 
 

昨年12月の米国農務省(USDA)の豚飼養動向調査では、豚肉の供給は少なくとも春までは限定的との見方が強かった。12月から5月の間に出荷が見込まれる肥育豚の飼養頭数は推定6696万6000頭(前年同月比2%減)と、前年より135万5000頭少ないと報告されたが、現在の出荷状況は、この予測とは大幅に異なる。

年明けから1月28日までのと畜頭数は1917万3000頭と、昨年に比べて2万2000頭・0.1%多く、市場関係者が疑問を持つのは当然だろう。年初にロングポジションをとっていた投機筋がショートポジションに切り替えていることから察するに、市場関係者はUSDAの飼養予測が過小評価だったと見ているようだ。

予想を上回る供給量と一部カットの在庫が潤沢であること、さらに小売で鶏肉との価格競争が過熱していることが、カットアウト価格の値下げ圧力となっている。1月下旬のカットアウト価格は100ポンド当たり79.25ドルと、前年比で18%・17ドル安い。

ハム(モモ)を除く各品目が前年より値下がりしているが、最も下落幅が大きいのはベリーだ。全体の値下がり17ドルのうち、11.6ドルを占めている。12月末の在庫は6300万ポンド(前年同月比66%増、過去5年平均比45%増)で、依然としてかなり多い。

1月のと畜頭数が毎週250万頭を超えたことで、ロインも値下がりし、前年同期比18%・4.6ドル安となった。ピクニックは第1四半期に需要が減少し、アジア市場からの需要も低下している。リブは在庫が多く、この時期としては低い価格に抑えられている。

全体の値下がり傾向に反して、ハムのみが上昇している。メキシコ向けの輸出需要が強く、在庫も前年比で13%少ない中で、イースター向けの手当が始まるためだ。ただ、骨なしハムは現時点で予想を大幅に下回っており、国内需要に鈍化の兆候が出始めているのかも知れない。

 

※2023年1月30日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  米国の週当たり豚と畜頭数の推移
  ポークカットアウト価格の部位別の前年比高安
 
トピック

2022年の牛肉輸出は過去最高、豚肉は過去3番目

 
 

USDA公表・USMEF集計の食肉輸出統計によると、2022年の米国産牛肉(バラエティーミート含む)は、輸出量・金額とも年間の最高記録を達成。豚肉は輸出量が減少したものの、輸出額は2020、2021年に達成した記録に次いで、過去3番目に多い水準となった。

牛肉輸出量は147万トン(前年比2%増)に達し、2021年の最多記録を更新。輸出額は116億8千万ドル(同10%増)と、過去5年平均を40%近く上回る記録となった。2022年の牛肉生産量は記録的だったが、輸出の割合も記録的で、かつ価格は上昇した。牛肉輸出は、韓国、中国/香港、台湾、フィリピン、シンガポール、コロンビア、グアテマラ、ドミニカ共和国などの多くの市場で年間記録を達成した。

USMEFのダン・ホルストロム会長兼CEOは、「2022年は、米国産牛肉の国際的存在感において革新的な1年となった。年後半には、取引相手国の通貨安や中国におけるコロナ関連の課題など、アジア市場で続く逆風の影響が表れたが、多くの国々で記録が更新されたのは、輸出市場の多様化に焦点を当てて取り組んできた成果の表れだ。2023年は、供給上の制約のために課題の多い年になるだろうが、為替状況が改善され、より多くの地域でコロナ禍からの再起が続いていることで、フードサービス分野にはまだ成長の余地がある」とコメントしている。

2022年の牛肉生産量に占める輸出割合は15.2%(正肉単体13%)で、2021年から0.2%上昇した。主要国別では、韓国向けが29万1748トン(同4%増)、27億ドル(13%増)と記録的な1年となった。中国/香港向けも27万8294トン(同16%増)・25億5000万ドル(同22%増)と大幅に増加し、記録を更新した。

日本向けは30万8735トン(同4%減)・23億2000万ドル(同2%減)で、記録的だった2021年に比較すると減少した。しかし、日本向けの牛バラエティーミートの輸出額は5億3450万ドル(同6%増)に達し、バラエティーミート輸出額の年間記録(12億4000万ドル、15%増)の達成をけん引した。

豚肉の年間輸出量は267万2000トン(同8.5%減)、輸出額は76億7700万ドル(同5.0%減)。生産量に占める輸出割合は27.5%。国別では、メキシコ向けが95万9701トン(同10%増)・20億3000万ドル(同21%増)に大幅に増加した。

日本向けは35万6228トン(同10%減)・14億7000万ドル(同13%減)で、金額ベースでは引き続きメキシコに次いで第2位。他のアジア市場と同様、欧州産豚肉との熾烈な価格競争に直面しており、特にグランドシーズンドポークの輸出が減少しているが、2023年は米国産豚肉の競争力が向上すると予想される。

中国/香港向けは下半期に勢いを取り戻し、54万2443トン(同26%減)・13億9000万ドル(同20%減)。韓国向け17万4553トン(同5%増)・6億810万ドル(同9%増)と2018年以降で最高となった。

 

※2023年2月8日 USMEF NEWS Release
(豚肉の国別輸出はファクトシート面を参照下さい)

 
豚肉在庫

ベリー在庫は65%増と潤沢、モモは13%減

 
 

USDAが発表した食肉在庫調査によると、12月末のポークベリーの在庫は6310万ポンド(前年同月比65.6%増)で、依然として多い。過去5年平均比では45%増。この大量在庫は、ベリーの価格に引き続き悪影響を及ぼすだろう。ただ、前月比では過去5年平均の24%増に対して16%増と、予想されたほどの弱気ではない。

ハム(モモ)の2023年への在庫繰り越しは例年より少なく、引き続き価格を下支えする見通しだ。12月末時点のハムの在庫は前年同月比13%減、過去5年平均比では25%減。前月比は過去5年平均の22%減に比べて3%減と、わずかな減少にとどまった。

ポークリブの在庫は1億1360万ポンド(同42%増)、過去5年平均比でも11%増と依然として多い。ポークトリムの在庫は、前月比で19%増と急増した。

 

※2023年1月30日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  豚肉の月末在庫量の推移
  ポークベリーの在庫量の推移
 
生産動向

米国の牛総飼養頭数3%減、予想を上回る縮小

 
 

米国農務省(USDA)が発表した2023年1月1日時点の牛総飼養頭数は8927万4000頭(前年比3%減)と、アナリストの平均予想(2.9%減)を上回る縮小となった。総飼養頭数の減少は4年連続で、前年(9207万7000頭)に比べて280万3000頭も少ない。

繁殖雌牛(経産牛)は3832万頭(同2.6%減)で、内訳は肉用雌牛2891万8000頭(同3.6%減)、乳用雌牛940万3000頭(同0.7%増)。500ポンド以上の未経産牛は1917万3000頭(同3.7%減)で、うち繁殖用の後継牛は516万4000頭(同5.8%減)。

2022年の子牛生産頭数は、3446万5000頭(同2.0%減)。これらの数値から判断すると、総飼養頭数が2024年までに前年比で増加に転じる可能性は低く、2025年までは前年割れ状態が続く公算が大。

同日時点のフィードロットでの飼養頭数は、1415万7000頭(同3.7%減)。フィードロット外にいる500ポンド未満の子牛と500ポンド超の他の未経産牛・去勢牛の合計は、2530万頭(同3%減)と減少している。

 

※2023年2月6日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
市場予測

2023年の牛肉価格と収益性は生産者に有利

 
 

CattleFax社のケビン・グッド氏は、講演で2023年の牛肉産業は生産者にとっては良好な1年になるとの見通しを語った。その要点は以下のとおり。

2023年の生体牛価格とその収益性は、生産者に有利になる。干ばつの影響で雌牛の淘汰が進み、肥育素牛および子牛の供給は大幅に減少し、牛群は2015年以降で最少となった。干ばつがいつ終息するかは不明だが、2023年後半には飼料コストの高値が緩和されるだろう。肥育牛価格の上昇と相まって、肉牛生産者、特に繁殖農家は、今後数年間にわたってマージンの改善が続くだろう。

米国の肉用雌牛の飼養頭数は、周期的な天井からすでに150万頭落ち込んでいる。2023年にはさらに100万頭近く減り、2920万頭前後になると予想される。昨年の干ばつは、肉用雌牛の半数近くに影響を与え、経産牛のと畜頭数が大幅に増加した。2023年には、干ばつの改善と肥育牛価格の上昇を受けて、肉用雌牛のと畜頭数は大幅に減少すると予想されるが、フィードロット外の肥育素牛および子牛の供給は、2022年より40〜45万頭少ない2510万頭前後となる見通しだ。

フィードロットの飼養頭数は、過去3年間のほとんどの期間で収容能力の上限に近い水準だったが、2023年初めには前年より30〜40万頭少ない1430万頭となった。今後は減少傾向をたどることが確実視され、2023年の肥育牛のと畜頭数は、前年より75〜80万頭少ない2560万頭になると予想される。

2022年の牛肉生産量は、干ばつを要因とした導入増および牛群のとう汰によって、記録的に多い283億ポンドとなったが、今後数年間は落ち込むことが予想される。2023年は4〜5%減の270億ポンドになると予想され、この減産によって、2023年の国民一人当たりの牛肉供給量は2.2ポンド減の57ポンドになると予想される。

肥育去勢牛の2023年の平均価格は、100ポンド当たり158ドル(年間の範囲は150〜172ドル)と予想される。2022年より13ドル高く、全てのクラスの牛がより高値で取引されるだろう。800ポンドの去勢牛の平均価格の予想は195ドル(同175ドル〜215ドル)。

2023年の米国経済見通しは、ほとんどのエコノミストが減速すると予想し、下半期には穏やかな不況が来ると予測している。このため、牛肉の需要は緩んでいるものの、歴史的に見ると依然として強い。消費者は引き続き、新しい価格帯の牛肉を購入する意欲を示しており、2023年の牛肉小売価格はポンド当たりで前年比4セント上昇すると予想される。

米国産牛肉の輸出は、過去2年間で20% 以上の成長を遂げたが、2023年には3%減少して35億ポンドになると予想される。日本と韓国は引き続き輸出先のトップであり、需要拡大を続けている中国にもさらなる成長の余地がある。

 

※2023年2月13日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
USMEFインフォメーション

フーデックスに出展、3月7〜10日東京ビッグサイト

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、3月7〜10日の4日間、東京ビッグサイトで開催される「フーデックスジャパン2023」にメンバー企業3社とともに出展し、アメリカンビーフ・ポークの需要拡大に向けた2023年の活動予定の案内と販促提案を紹介します。

USMEFブースでは、「揚げる」をテーマにした一般試食を行い、ビーフでは「アイダホフィンガーステーキ」、ポークでは「豚カラ」を提供します。またブース内試食では、一般試食に配布する2品に加えて、ビーフは「カントリーフライドステーキ」「コトレッタ」、ポークは「電子レンジで作るサラダポーク」を試食提供し、春夏の提案メニューの販促を紹介します。

各種パンフレット・ガイドブック等も配布しますので、ご来場の際は是非ともUSMEFブースにお立ち寄り下さい。なお、パッカーブースには以下の3社が出展します。また同じアメリカパビリオン内にはメンバー企業のNature’s SunGrown Foodsも出展します。

【共同出展メンバー企業】
Smithfield
Berkwood Farms
Sugardale Foods

 
 

ポークLINEキャンペーン、3月1日〜5月31日まで

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、3月1日から5月31日まで、消費者向けLINEキャンペーン「選ばれて、ずっと1 春のごちポ感謝祭」を実施します。LINEキャンペーンは5回目となりますが、今回は合計2900人に賞品が当たる大型キャンペーンとして展開します。

販促資材は、「アメリカンポークを買って当てよう!」をキャッチコピーにPOP3種(ステッカー、棚帯、B5POP)を用意しました(2月27日より出荷)。「ごちポ」のLINEアカウントを友だち追加し、参加店舗で購入した米国産豚肉の値札ラベルとレシートの画面をアップロードするだけで応募が完了(税込300円ごとに1口)。

抽選によるプレゼントは、2つのコースをご用意しました。Aコースは「アメリカンポーク三元豚ロースとんかつセット500g」(180名)、Bコースは「アメリカンポーク三元豚ロース薄切り500g」(180名)が当たります。

応募いただいた方の中から抽選で、Wチャンス賞として「オリジナルカトラリーセット」(2500名)をプレゼント。さらに今回は期間中に5口以上を応募した方の中から、自動エントリーによる抽選で賞品のポークを2倍増にしてプレゼントします(各20名)。

LINEキャンペーンは毎回応募者が増えて、参加店の売上向上に繋がっている好評のキャンペーンです。この機会にご参加いただき、アメリカンポークの販売促進にご活用下さい。

  アメリカンポークを買って当てよう!春のごちポ感謝祭
 
  •  

    マーケット・データ

     
     
     
     
     
     
     

    ビーフ・ファクト・シート