USDA公表・USMEF集計の食肉輸出統計によると、2022年の米国産牛肉(バラエティーミート含む)は、輸出量・金額とも年間の最高記録を達成。豚肉は輸出量が減少したものの、輸出額は2020、2021年に達成した記録に次いで、過去3番目に多い水準となった。
牛肉輸出量は147万トン(前年比2%増)に達し、2021年の最多記録を更新。輸出額は116億8千万ドル(同10%増)と、過去5年平均を40%近く上回る記録となった。2022年の牛肉生産量は記録的だったが、輸出の割合も記録的で、かつ価格は上昇した。牛肉輸出は、韓国、中国/香港、台湾、フィリピン、シンガポール、コロンビア、グアテマラ、ドミニカ共和国などの多くの市場で年間記録を達成した。
USMEFのダン・ホルストロム会長兼CEOは、「2022年は、米国産牛肉の国際的存在感において革新的な1年となった。年後半には、取引相手国の通貨安や中国におけるコロナ関連の課題など、アジア市場で続く逆風の影響が表れたが、多くの国々で記録が更新されたのは、輸出市場の多様化に焦点を当てて取り組んできた成果の表れだ。2023年は、供給上の制約のために課題の多い年になるだろうが、為替状況が改善され、より多くの地域でコロナ禍からの再起が続いていることで、フードサービス分野にはまだ成長の余地がある」とコメントしている。
2022年の牛肉生産量に占める輸出割合は15.2%(正肉単体13%)で、2021年から0.2%上昇した。主要国別では、韓国向けが29万1748トン(同4%増)、27億ドル(13%増)と記録的な1年となった。中国/香港向けも27万8294トン(同16%増)・25億5000万ドル(同22%増)と大幅に増加し、記録を更新した。
日本向けは30万8735トン(同4%減)・23億2000万ドル(同2%減)で、記録的だった2021年に比較すると減少した。しかし、日本向けの牛バラエティーミートの輸出額は5億3450万ドル(同6%増)に達し、バラエティーミート輸出額の年間記録(12億4000万ドル、15%増)の達成をけん引した。
豚肉の年間輸出量は267万2000トン(同8.5%減)、輸出額は76億7700万ドル(同5.0%減)。生産量に占める輸出割合は27.5%。国別では、メキシコ向けが95万9701トン(同10%増)・20億3000万ドル(同21%増)に大幅に増加した。
日本向けは35万6228トン(同10%減)・14億7000万ドル(同13%減)で、金額ベースでは引き続きメキシコに次いで第2位。他のアジア市場と同様、欧州産豚肉との熾烈な価格競争に直面しており、特にグランドシーズンドポークの輸出が減少しているが、2023年は米国産豚肉の競争力が向上すると予想される。
中国/香港向けは下半期に勢いを取り戻し、54万2443トン(同26%減)・13億9000万ドル(同20%減)。韓国向け17万4553トン(同5%増)・6億810万ドル(同9%増)と2018年以降で最高となった。
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