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TRADER'S Be & Po

vol.416 Jan.10.2023
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛、牛肉卸売価格ともに停滞
カットアウトと先物価格下落、ベリー在庫潤沢も一因
トピック 食肉加工機械市場、2032年までに305億ドルに到達
安全性関連 牛トレーサビリティ規則の修正案、電子耳標採用―USDA
生産動向 肉用雌牛の飼養頭数、1962年以来の低水準
消費動向 食肉需要・支出金額低下、節約指向厳しく
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ビーフ(2022年12月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛、牛肉卸売価格ともに停滞

 
 

生体牛の現金取引と牛肉卸売価格は、年明けから軟調で推移している。生体牛は1月初めの2週間で100ポンド当たり1.03ドル下落し、主要5州の去勢牛平均価格が156.78ドル、枝肉価格は251.11ドルとなった。それぞれ前週比で1.03ドル安、0.94ドル安。

第3週は、取引量が少なかったものの、アナリストの予想に反してさらに弱含んだ。水曜日に北部で4392頭が生体牛153〜157ドル、枝肉248ドルで取引され、木曜日はコーンベルト地帯で生体牛153〜157ドル、枝肉248〜249ドル、サザンプレーンズでは生体牛155ドルとなった。

アナリストは、「生産者は、1月19日にフィードロットの飼養動向調査が発表されれば強気に転じると予想して、売りを控えてきが、寒波がコロラド州北東部、ネブラスカ、アイオワなどの肥育地帯にも広がり、フィードロットの状況がさらに不利になったことを受けて、パッカーの購入も慎重になった。現金取引価格は一時的に失速する可能性があるものの、価格の下落は限定的だろう」と予想する。

一方、カットアウト(カット、ひき材、トリム)の平均価格は100ポンド当たり277.65ドル。前週比0.91 ドル高だが、前年同週比では1.0%安。90CL(赤身率90%のひき材)は246.98 ドルで同19.4%安、50CLは107.29ドルで同6.4%安となった。

アナリストは、「年間の牛肉生産量が減少することを考慮すると、カットアウト価格の下落は短期間にとどまるはずだ。最大のリスクは需要減少だが、それによって上昇幅が抑制されることはあっても、上昇トレンドそのものが大きく変わることはないだろう。チョイスの最初のサポートライン(底打ち感)は263ドル、その後は253〜255ドル。抵抗ライン(天井感)は285〜290ドルになるだろう」と予想している。

 

※2023年1月23日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

カットアウトと先物価格下落、ベリー在庫潤沢も一因

 
 

今年のポークカットアウト価格は、弱含みでスタートし、第3週も引き続き下落した。1月13日のカットアウト価格(100ポンド当たり)は81.64ドルで、年初から5%安。前年同期の価格水準に近いが、1月後半に急回復した1年前とは異なり、今年は先物価格も弱く、先行きの懸念が強い。

シカゴ商品取引所のリーンホッグ先物の2月限の価格は、12月27日以降で100ポンド当たり12.8ドル、14%下落している。2月限と夏季の先物間の価格差が拡大していることから、短期的な下落との見方もあるが、最近の下落は、実際の豚肉需要に関する懸念を反映しているように見える。

生産者は、12月中旬までは積極的な出荷を続けたが、その後に後退した。肥育豚の平均重量は、クリスマス直前から年末にかけて3.7ポンドも跳ね上がった。年明けには中西部の寒波が引き起こした出荷停滞も加わり、生体体重はピークに達しているとみられる。これを正常化するには、今後数週間のハイペースなと畜が必要だ。

昨年の2月第2週のカットアウト価格は110ドルもの高値を付けていたが、現在の2月限の先物価格がこの水準に達していないことから、2月のカットアウト価格は90ドル台前半、生体豚価格は80ドル台半ばと予想される。

2月のカットアウト価格が前年を大きく下回ると予想される要因の一つは、ベリーの価格推移だ。2022年のベリーの平均価格は100ポンド当たり157.85ドルで、カットアウト平均価格に25.68ドルを付加した。1月13日のベリープライマルの価格は93.48ドルで前年比35%安。ベリーの11月末の在庫は約5400万ポンドだったが、12月末までに7000万ポンドに増加した可能性がある。

しかし生体豚の供給は、春季に前年割れが確実視される。ベリー、ハム(モモ)、ロインの現在の低価格と先物価格の下落は、バイヤーにとっては魅力的な価格で手当できるチャンスであり、スポット市場の価格形成は急速に逆転する可能性がある。特に間もなくイースター向けの手当が焦点となるハムは、上昇リスクが高いだろう。

 

※2023年1月19日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  ポークベリープライマルの価格推移(日次ベース)
  ポークベリーの在庫量の推移
 
トピック

食肉加工機械市場、2032年までに305億ドルに到達

 
 

Global Market Insights Inc. の調査によると、食肉・家きん肉類の加工施設(設備・機械)の市場規模は、2032年までに305億ドルを超えると予測される。成長の原動力は、多国籍レストランやホテルチェーンが拡大していることだ。

マクドナルドなどの多国籍ファストフードチェーンの拡大により、世界中で鶏肉や牛肉の需要が高まっているため、食肉製品の需要が増加。さらに食品加工業界の品質と労働環境を改善するために、政府投資が増えていることも要因だ。

牛肉の加工施設の市場規模は、2032年までに90億ドルを超える見込みだ。都市化の流れと、先進国および発展途上国の経済発展により、牛肉の需要が高まっているためだ。国連食糧農業機関(FAO)の予測では、世界の牛肉消費量は2020年の6550万トンから、2029年には7600万トンに拡大する見込みだ。

生の調理済み食肉製品については、2023年から2032年までの年平均成長率が7.5%以上と予測される。ライフスタイルの変化や可処分所得の増加、急速な都市化などに伴い、すぐに調理できる食品の需要が高まるだろう。北米やヨーロッパでは、食感や嗜好性といった理由から、肉以外の食材が広く消費されている。

内臓の加工分野では、2032年までの年平均成長率は6%と予想される。廃棄物を減らして衛生を維持するために、機械や設備を革新しようとする食肉加工企業の積極的な投資が見込まれる。自動化へ向けた多額の投資により、労働力を削減し、品質と生産速度の向上を促す態勢が整備されるだろう。

アジア太平洋地域の食肉加工設備の市場規模は、中国、インド、日本での食肉消費量の増加により、2032年までに145億ドルを超えると予想される。COVID-19の発生に起因する動物性食品の摂取量の増加や、労働者が密になりがちな食肉加工会社の労働者不足は、機械設備業界には有利な機会となる。

 

※2023年1月17日 FOODMARKET.com

 
安全性関連

牛トレーサビリティ規則の修正案、電子耳標採用―USDA

 
 

USDA―APHIS(米国農務省動植物検疫局)は1月18日、動物疾病のトレーサビリティ規則を修正し、特定の牛およびバイソンの州間移動に電子識別を要求すると発表した。また、記録要件の改訂と明確化について新たな提案を明示し、重大な動物疾病の発生時における迅速な対応力を強化する。

APHISは、大規模な動物疾病が発生すれば、牧場主や農家、およびそれらを支えるサプライチェーンのすべての人々が損害を受けるだけでなく、食糧安全保障を脅かし、高品質なアメリカ産食品を世界中で取引する能力も損なわれる。病気の発生時に迅速な追跡ができれば、牧場主や農家はより迅速に販売を再開して、農場の隔離期間を制限できる上に、より多くの動物を病気から守れるとしている。

USDAは、家畜の出生からと畜までを追跡する最新システムの実装に取り組んできたが、家畜の移動に関する電子的識別と記録を重要な目標に据え、透明性を確保するプロセスへの一般市民の参加を広げるために、パブリックコメント(3月22日まで募集)を行っている。

修正規則では、公式の耳標が視覚的および電子的に読み取れるものであることを求めている。また、牛に関する特定の記録要件の改訂および明確化を提案し、公式の識別デバイスの配布記録を部族・州・連邦のデータベースに入力し、要求に応じてAPHISが利用できるようにすることなどを求めている。

◎トレーサビリティ規則修正案にNCBAがコメント

全米肉牛生産者牛肉協会(NCBA)のトッド・ウィルキンソン次期会長(NCBAトレーサビリティ作業部会議長)は、上記の米国農務省(USDA)の提案に関して次のコメントを発表した。

USDAが重要な動物疾病トレーサビリティプログラムに向けて取り組む中、NCBAは牛生産者の権利を明らかにし、それが確実に保護されるよう、業界の利害関係者やUSDAとの対話に取り組んできた。最終的に採用されるプログラムがいかなるものでも、最大限の柔軟性とプライバシーが確保されることが重要だ。同時に、生産者のコストや業界のビジネスの停滞は最小限に抑えなければならない。

世界中で発生している口蹄疫は、引き続き商取引の混乱や家畜の過疎化をもたらしており、直ちに大胆な行動が必要であることは明らかだ。NCBAはUSDAと協力して、実行可能な解決策を特定し、最終的に実施すると約束する。牛生産者は、修正規則が必ず国産の家畜群を保護するものとなることを確信している。

NCBAは提案された規則を確認し、その基準が以下にまとめたNCBAのポリシーに見合うものかどうかを検討する。NCBAは効果的な動物疾病トレーサビリティプログラムは以下の要件を満たすべきだとしている

  • USDAが支援する民間部門の動物IDおよび認識プログラムと互換性がある
  • 国際獣疫事務局(WOAH)の一般的なトレーサビリティ原則に適合する
  • 牛肉の輸出に関する既存のUSDAプログラムを認識している
  • IDの潜在的な他の用途をサポートするインフラを使用して構築されている
  • 可能であれば、連邦/州の資金によって支払われる低コストの電子公式タグ付けデバイスを利用する
  • 病気のトレーサビリティのための牛のID情報を機密情報として、強力に保護するよう要求する
  • 所有者情報を将来の所有者に開示されないよう保護する
  • 牛が生産者の管理を離れた後、他者の行為による責任から生産者を保護する
  • 商取引の速度で動作する
  • 州のブランドにおける既存の検査活動を置き換えたり妨げたりしない
  • 全クラスの牛に対応できる枠組みの中で稼働する
 

※2023年1月18日 USDAならびにNCBAのnews release

 
生産動向

肉用雌牛の飼養頭数、1962年以来の低水準

 
 

米国では、主に干ばつによって牛群が4年連続で減少している。1月31日発表のUSDA牛飼養動向調査では、1月1日時点の総飼養頭数は8927万4100頭(前年比97%)、経産牛は3832万400頭(同97%)、未経産牛500ポンド以上は1917万2500頭(同96%)、子牛生産頭数は3446万4500頭(同98%)となっている。

牛群の縮小は、今年の生体牛および牛肉の生産と価格に3つの大きな影響をもたらすだろう。1つは、肥育素牛・子牛および肥育牛価格が上昇することだ。これにより、多くのフィードロットや牛肉工場が、昨年よりも稼働率を低下させざるをえないだろう。

2つ目の影響は、この冬に広範囲で降った雨と雪がプラス作用となり、年間を通じて未経産牛が維持され、牛群の再構築が進むかどうかだ。未経産牛の保留が進めば、フィードロットへの導入頭数は減少することになる。

3つ目の影響は、牛肉生産量の減少だ。今年は2022年に比べて14億ポンドも減少する可能性があり、これを受けて牛肉の卸売価格が上昇すれば、最終的には牛肉の小売価格も上昇することになる。

今年、牛群の再構築が本格的にスタートするかどうかは、今後予定されている10カ所以上の新規牛肉加工工場の成否にも影響するだろう。本紙の試算では、公表された新設工場計画と既存3工場の拡張により、1日当たりの処理能力は1万1740頭追加される。飼養頭数が減少する中での処理能力拡大により、生体牛の争奪が熾烈になるのは確かだ。

 

※2023年1月23日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
消費動向

食肉需要・支出金額低下、節約指向厳しく

 
 

アメリカの消費者は、小売と外食の両方で財布のひもを引き締めている。カンザス州立大学(KSU)の食肉需要モニター(MDM)の12月調査によると、調査対象のすべての小売製品および外食時のディナーでの食肉需要が前年同月を下回った。KSUのグリン・トンソー氏は、「2022年の最後の数カ月は、食肉の需要が月を追って減少した。これは、賃金の伸びを上回るインフレ率に関連している可能性がある」という。

MDMプロジェクトは、ビーフとポークのチェックオフ資金により、2020年2月に開始された。消費者の食肉に関する嗜好・見解・需要を追跡し、小売と外食のチャネルごとに分析。調査はオンラインで行い、毎月2000人以上の回答者がいる。

12月調査では、11月と比較して、リブアイステーキ・牛ひき肉・ベーコンを含む 4つの小売製品に対する支出許容額が低下。また豚肉(ハム・チョップ・ソーセージ・ベーコンを含む他の多くの製品)の家庭内食については、豚肉を含む朝食製品が前年同月比で15%も減少した。

同プロジェクトでは、鶏の胸肉におよび魚と植物由来タンパク質についても調査しており、12月の支出許容額はいずれの品目も11月を下回った。12月調査で予測された牛肉と豚肉のシェアは、食料品店で31%と22%、レストランでは38%と15%となっている。

 

※2023年1月16日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

マーケット・データ

 
 
 
 
 
 
 

ビーフ・ファクト・シート