「アメリカンミートの新提案で需要を活性化」
米国の食肉業界を代表し、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
2022年を振り返りますと、依然として新型コロナウイルスについては一進一退の状況が続いた半面、「ウィズコロナ」による経済活動再開が本格化し、行動制限や入国制限などが緩和されたことから、長らく苦しんできた外食市場においても少しずつ回復の兆しが見え始めてきました。
一方、ロシアによるウクライナ侵攻という予想もしなかった事態が起き、世界的にエネルギー、穀物、食品などあらゆるものの価格が上昇。さらに為替相場において、一時は1ドル=150円を超えるなど、歴史的な円安ドル高となり、消費マインドが冷え込む中で当業界にとっても非常に厳しい環境が続きました。本年もこうした状況は継続するとみられますが、このような時だからこそ業界が団結し、マーケットを盛り上げていくことが重要だと考えています。
昨年、USMEF日本事務所は、45周年の節目を迎えることができました。これもひとえに日本の皆さまのご支援、さらにUSMEFメンバー・スタッフのおかげであり、この場を借りまして心より感謝申し上げます。
45周年記念セミナーをはじめ、札幌、福岡、大阪、東京の各都市でトレードセミナーを開催することができ、多くのユーザーの皆さまと久しぶりに対面でお会いできたことを大変嬉しく思います。また、スーパーマーケットトレードショーやFOODEXなど数々の展示会にも出展し、アメリカンビーフ、ポークの取り組みを紹介したほか、各社が共同出展してそれぞれのブランドを訴求する取り組みも引き続き好評を得ることができました。
本年の重点取り組みとしては、アメリカンビーフは小売向けでは店頭での販促・イベントを実施する顧客へのサポートをより強化します。量販店での販促キャンペーン、消費者キャンペーンも継続して実施。さらに店頭の飾り付けへのサポートや調味料・飲料などの関連陳列など、売り場づくりを支援します。
外食向けには、引き続きハンバーガーやビーフサンドイッチの提案を強化。新たな切り口でのレシピ提案に加え、昨年も好評を得たUSMEF主導の消費者キャンペーンを実施する予定です。また、モモ(ラウンド)、ウデ(ショルダークロッド)の2部位を中心に、ショートプレートやチャックアイに次ぐ部位としての需要定着を目指して提案を強化していきたいと考えています。
一方、アメリカンポークでは、ロインの販売数量拡大に向けて新たなメニューとして「豚から」を提案。さらにロースのかたまり肉メニューとして「200wサラダポーク」などを紹介します。また、新たなビジネス機会を創出すべく、一昨年の10月に開始した「ポークトーバー」の展開をより拡大します。昨年は外食に加え、屋外イベントや一部量販店でのイベントなども実施しており、こうした取り組みをさらに拡大していきます。
さらに2年前からクリスマス、ホリデーシーズンにアメリカンローストポークの提案を行っていますが、SNSなどを通じて消費者に浸透し始めており、本年はさらなる周知を図ります。また、外食向けにクッションミート、サーロインエンド、リブエンド、ピクニックなどの部位を活用したメニュー提案を進めます。
アメリカンラムでは、「羊好き」な人たちに向けて、希少価値が高い、プレミアムな食材としてのマーケティングを実施。ホテルやステーキレストランなど、高級業態中心に訴求していきます。
情報提供活動では、各種SNS、公式YouTubeチャンネルなどでキャンペーンやレシピ、カッティング動画などを配信。さらに米国の生産者が愛情を込めて牛や豚を育てている映像を公開しており、消費者に安心してアメリカンミートを購入してもらうことにつなげます。サステナブルやアニマルウェルフェアなどの世界的なテーマへの取り組みもウェブサイトなどを通じて必要に応じて情報を公開していきます。
USMEF日本事務所は本年から新体制の下で新たなスタートを切りました。皆さま方には、これまで同様のあたたかいご支援をいただけますよう、お願い申し上げ、年頭のごあいさつとさせていただきます。
米国食肉輸出連合会(USMEF) ジャパンディレクター 加藤 悟司
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