USDA発表・USMEF集計の9月の食肉輸出統計によると、豚肉輸出量は2カ月連続で前年を上回った半面、牛肉は今年初の前年割れとなった。
9月の豚肉輸出量(バラエティーミート含む)は22万2202トン(前年比同月比1%増)、輸出額は6億6480万ドル(同9%増)。1〜9月累計は194万トン(同13%減)、55億7000万ドル(同11%減)。9月の豚肉生産量に占める輸出割合は27.3%。正肉単体では23.1%。1〜9月累計は全体で26.9%、正肉23.4%。
主な国別では、メキシコ向けが7万6084トン(同4.5%減)と2021年1月以来初の前年割れを記録したが、輸出額は1億7640万ドル(同25%増)と引き続き堅調。メキシコ向けの1〜9月累計は69万6802トン(同12%増)、14億2000万ドル(同15%増)といずれも記録的なペースを維持している。
日本向けは3万1008トン(同7%増)、1億3000万ドル(同1%増)と、これまでの前年割れ基調から回復。歴史的な円安・ドル高にもかかわらず、前年同月を上回った。日本は食料やエネルギーを含むすべての輸入コストが上昇している。1〜9月累計は27万6294トン(同8%減)、11億5000万ドル(同10%減)。
韓国向けは1万2284トン(同40%増)、4310万ドル(同39%増)。1〜9月累計は13万2971トン(同4%増)、4億6720万ドル(同11%増)。韓国は食品インフレに対応し、輸入豚肉7万トンの免税割当を開始したが、米国、EU、チリはすでに関税率ゼロであり、競争環境に劇的な変化はない。この措置はカナダ(関税率は冷蔵8.6%、冷凍9.6%)、メキシコとブラジル(同25%)には優位性がある。
中国・香港向けは5万1036トン(同12%増)、1億2250万ドル(同18%増)と回復傾向がみられる。増加の大部分はバラエティミートで、3万3113トン(同17%増)。正肉は1万7923トン(同3%増)。1〜9月累計は37万4458トン(同40%減)、9億7260万ドル(同33%減)。輸出量の62%をバラエティミートが占めている。
カリブ諸島向けの1〜9月累計は7万1147トン(同32%増)、1億9,780万ドル(36%増)と大幅な伸びを続けている。ドミニカ共和国向け5万8638トン(同38%増)、1億5,290万ドル(同40%増)の大幅な伸びがけん引している。
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