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TRADER'S Be & Po

vol.413 Nov.7.2022
 
米国食肉輸出連合会
NEWS CONTENTS
市況ニュース 生体牛価格は供給潤沢も続伸、カットアウト小反発
モモ肉堅調で豚先物上昇、季節需要とターキー高騰等で
生産動向 飼料コスト、緩和の兆し見えず
リテール 増加を続けるケースレディーミート
フードサービス レストランの利用行動にTikTokが大きな影響を与える
USMEFインフォメーション 全国4カ所で「アメリカンミートトレードセミナー」開催
マーケット・データ 生体牛・豚価格、カットアウトバリュ、穀物先物価格
ファクト・シート ポーク(2022年8月)米国の輸出、
と畜頭数・枝肉生産量、飼養動向、日本の輸入量
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市況ニュース

生体牛価格は供給潤沢も続伸、カットアウト小反発

 
 

出荷間近の肥育牛が依然潤沢であるにもかかわらず、生体牛の現金取引価格は続伸している。10月第2週(10日からの週)の生体牛価格は100ポンド当たり146.99ドル、枝肉価格は231.60ドル。それぞれ前週比0.76ドル高、1.32ドル高だった。

同週の主要5州の取引頭数が6万1986頭と極めて少なかったことから、第3週は、パッカーの補充買いを見込んだ肥育業者が週初めから強気な価格を提示した。先物市場の高値も支えになった。

生体牛先物の10月限の終値は、火曜日が148.47ドル、水曜日149.35ドルとジリ高基調だった。現金取引は、火曜日にネブラスカとアイオワ・ミネソタで6356頭が生体牛150ドル、枝肉232ドルをつけ、地元パッカーに販売された。

水曜日はアイオワで現金取引が活発化し、1万5553頭が生体牛150ドル、枝肉234〜235ドル。ネブラスカでは4293頭が生体牛150〜152ドルだった。南部では木曜日から取引が活発になり、前週比1ドル高をつけた。カンザス・テキサスでは生体牛148ドル、ネブラスカでは149〜152ドルで取引された。

一方、カットアウト価格は10月第2週に244.51ドル、前週比1.51ドル安と、11週間で21.72ドル下落し、2021年4月第週以来の最低水準をつけていたが、第3週には反発傾向を示した。前半4日間でチョイスが6.64ドル高の253.62ドル、セレクトは5.14ドル高の222.08ドルと持ち直している。

チョイスとセレクト間の価格差は31.54ドルと依然として大きいが、秋の季節的な傾向に従って、上位グレードの発生率も回復しつつある。10月第1週の格付割合はプライム8.17%、チョイス71.42%、セレクト16.96%。しかし、プライムの割合は前年同週の9.12%を下回っており、供給のタイト感と最高級ビーフに対する根強い消費者需要から、チョイスとの価格差が92.21ドルと拡大している。

 

※2022年10月24日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
 

モモ肉堅調で豚先物上昇、季節需要とターキー高騰等で

 
 

豚モモ肉の価格は、ここ数週間で急上昇してカットアウト価格全体の底上げに寄与すると同時に、生体豚先物価格の上昇要因にもなっている。10月初めの生体豚先物価格は、12月限が100ポンド当たり76ドルだったが、10月21日までに17%上昇して89ドルとなった。

現在の予想では、モモの価格は12月初旬まで100ドルをかなり超えて推移する可能性がある。モモ価格がこの水準であれば、生体豚価格は80ドル台半ば以上、カットアウト価格は90ドル半ば以上を保つだろう。その下支え要因のポイントは以下のとおり。

a)ターキー価格の高騰

鳥インフルエンザにより、今春に540万羽が処分された影響が続く中で、最需要期となる感謝祭のディナーが近づいている。9月と10月にさらに220万羽が処分されたことで、供給の状況はさらに悪化し、ターキーの価格は記録的な 180ドル(100ポンド当たり)となっている(グラフ参照)。豚モモの価格も高いが、ターキーと比較すると6割ほどであり、過去15年の価格範囲の下限にある。

b)輸出需要が引き続き堅調

モモ肉の高騰は、メキシコへの輸出需要を減退させるとの憶測もあるが、これまでのところは影響は見られない。過去5週間のメキシコ向け輸出は、週当たり平均で1万5800トンと、前年同期(平均1万4200トン)を上回っている。メキシコ向け輸出の約70%がモモであり、メキシコからの需要はモモの価格への影響が大きい。

c)感謝祭とクリスマスの休日需要

モモの価格は季節的に11月上旬に上昇し、11月下旬から12月上旬にかけてわずかに低下し、その後、12月後半に大幅に低下すると予想される。2019年は、12月の第2週に11月中旬のピークから7%下落した。今年も同様の傾向により、12月初旬の#23-27ハム価格は約107ドルになると予想される。

  #23-27ボンイン−ハム(豚骨付きモモ)とターキー(丸)の価格推移
 

d)低い在庫量

通常、パッカーと加工業者は春から夏にかけてモモの在庫を積み増しして、年後半の需要増に対応する。しかし、今夏は高価格で在庫の積み増しが制限され、8月末の在庫量は前年同月比12%減、9月末は同12.7%減、過去5年平均比では14%減となる見込み。在庫の減少により、加工業者はと畜頭数の減少と輸出が堅調である時には、スポット市場により依存することになる。

e)少ないと畜頭数

USDAの最新の豚飼養動向調査では、年末までの豚のと畜頭数は前年比で約1.5%減少することが見込まれる。これまでのところのと畜頭数は、その見込み頭数を下回っており、2019年よりも4.7%少ない。

【要約】

と畜頭数が2019年比で約5%減少する中で、メキシコへの輸出が過去最高を記録。感謝祭需要で競合するターキーの価格が過去最高値にあり、豚肉の在庫は2桁台の減少となっていることから、今年のモモ価格はホリデイ―シーズンを通して堅調に推移することが予想され、これが生体豚とカットアウト価格を下支えする。

 

※2022年10月26日 Pork Merchandiser’s Profit Maximizer

  豚モモ肉の月末在庫量の推移
 
生産動向

飼料コスト、緩和の兆し見えず

 
 

新穀のトウモロコシ先物価格は、過去2カ月間にわたって上昇しており、飼料コストの高騰が緩む兆しはみられない。さらに、金利の引上げで保管経費の増大が懸念されつつある。

北部平原のトウモロコシの収量予想は多くないが、旧穀の在庫水準からすると、今年度内までの飼料の確保については問題ないだろう。ただ、今後も価格の高騰が続けば、家畜飼料の使用に大きな影響を与えることが予想される。

価格上昇が続けば、と畜重量は低下、あるいは重い重量で仕上がる家畜の数が減少することになる。最近の価格ショックはすでに肥育素牛の先物に表れており、トウモロコシの先物価格が上昇するに伴って、素牛価格は下落している。

穀物以外の主要な飼料は、乾草・アルファファ・牧草だが、USDAの10月度の生産予測では、いずれの生産量も8月時の予測に比べて大幅に下方修正された。2022年のサウスダコタからテキサスまでの乾草の生産量は、2021年より大幅に少ない。

全米的に見れば、乾草の在庫は5月1日時点で1680万トン。2022年の生産量は1億1200万トンであることから、供給可能量は1億2880万トンとなるが、これは1950年代以降で最低の生産・供給量だ。このため、 8月時点の乾草価格は、全米平均でトン当たり246ドルと、2021年の193ドルから大幅に上昇している。今後、供給が回復するまでには数年を要し、その間は高値で推移するだろう。

 

※2022年10月24日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
リテール

増加を続けるケースレディーミート

 
 

クライオバッグで知られるシールドエァー社が行った「2022 National Meat Case Study」(全米の精肉陳列包装に関する研究)によると、ケースレディーミートが着実に拡大している。パッケージ形態におけるシェアは、2002年の49%から2018年には81%に増え、2022年は83%に達した。

2022年の研究では、「より多くの小売店が、よりサステナブルなパッケージを求め、発泡スチロールトレイやラップを必要としないケースレディーミートを選択していることがわかった」という。

ケースレディーミートの品数は急速に拡大しており、フレッシュミート(店内加工包装品)の品目数は減少している。労働力不足やサプライチェーンの問題もあり、2022年のフレッシュミートの品目数は2018年より10%減少し、平均130から117になったという。1店舗あたりの平均パッケージ総数は1039点で前回と変わらず。

食肉の小売販売は、コロナ過の2020年に爆発的に増加し、その後も好調を維持しており、品目と販売量はパンデック前の2019年を超える水準を維持している。IRIによる2022年の食肉売上額は855億ドルで、2021年比6.5%増。さらに、2021 Power of Meat調査によると、ケースレディーミートについて消費者の81%が「店舗でカット・包装された食肉と同程度に良い」と支持している。

ケースレディーミートの割合は、七面鳥(99%)、鶏肉(96%)が高いが、店内加工が最も多い牛肉も2019年の66%から71%に拡大している。この研究では、処理加工業者の施設番号が付加されているものをケースレディーと定義している。

同社が研究を始めた2002年は、製品の51%が店舗レベルでカット・包装されていたが、2022年はわずか17%。店内で陳列販売される83%が店舗外で加工・包装されている。

2002年の57%から2018年には72%へと一貫して増加してきたボンレス製品(骨なし製品、ひき肉等は含まず)は、2018年以降、牛肉が92%から87%へ、豚肉が69%から64%へ、鶏肉が61%から56%へと減少した。これは加工業者の労働力不足が直接関係している。

同研究では、消費者に食料品のオンライン購入が普及し、同時に利便性への関心と、食品を新鮮なまま保存したいとの要望が強まったことで、真空パックの需要が拡大し、PVC(ポリ塩化ビニル)ラップが減少。また持続可能性への関心の高まりからスチロールトレイが減少していることなどが数値で明らかになっている。

 

※2022年10月24日 CATTLE BUYERS WEEKLY

 
フードサービス

レストランの利用行動にTikTokが大きな影響を与える

 
 

レストランビジネスに詳しいマーケティング会社「MGH」は、TikTokユーザーについての新たな全国調査の結果を公表した。それよると、米国のTikTokユーザーのうち、ミレニアル世代の半数以上(53%)がTikTokで見たレストランに行ったことがある、またはオーダーしたことがあるという。

全世代では38%が同様に回答している。TikTokユーザー数は、米国で1億3600万人、世界で10億人いる。つまり、このプラットフォームに影響を受けて日頃の食事を選ぶレストラン利用客は、米国におよそ5180万人いることになる。

また、動画を見たユーザーは「新たな食事を体験するために普段より遠くまで出かけた」(30%)だけでなく、「普段よりも高い外食費を支払った」(28%)ことがわかった。MGHのディレクターは、「この調査結果をみると、TikTokはレストランマーケターの夢をかなえるツールだ。これほどの影響力を持つツールは他にない」としている。

同調査は、TikTokユーザーが動画視聴後にそのレストランへ行った理由についても、下記のように明らかにしている。

◇食事の見た目に食欲をそそられたから(75%)
◇他にはないメニュー品目だったから(45%)
◇友達や家族と行くと楽しそうだったから(42%)
◇食事やドリンクの提供の仕方が良さそうだったから(38%)
◇雰囲気が良さそうだったから(37%)
◇眺望が良かったから(30%)

この調査は、米国のTikTokユーザー1139人を対象に、2022年7月16日から18日の間、Survey Monkey Audienceを使用して行われた。誤差の範囲は±3.06%。

 

※2022年10月25日 FOODMARKET.com

 
USMEFインフォメーション

全国4カ所で「アメリカンミートトレードセミナー」開催

 
 

米国食肉輸出連合会(USMEF)は、全国4カ所で『アメリカンミートトレードセミナー』を以下の通り行います。

日程/会場
・11月22日(火)/札幌(ANAクラウンプラザホテル札幌)
・11月24日(木)/大阪(ヒルトン大阪)
・11月30日(水)/福岡(ホテルニューオータニ博多)
・12月6日(火)/東京(ジ・オークラ東京)

開催時間:15:30〜18:30(各会場共通、懇親会含む)

プログラム(各会場共通)
I.   米国食肉業界のマーケット トレンド
II.  2023 アメリカンビーフ販促のご提案
III. 2023 アメリカンポーク販促のご提案
IV. ビーフ&ポーク メニュー提案実演
※セミナー終了後に、提案メニューの試食を含めた懇親会を予定(約1時間)。

申し込み方法:以下のURLよりお申し込みください(各会場共通)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe2kz1vff
_3qBqVw3lCS8Md91y3SEWw42ARZOZ6vJK5Ueen_g/viewform

*お一人ずつ申し込みをしてください。
*受付終了後に自動返信メールが届きます。セミナー当日はその自動返信メールを受付でお見せください。
*各会場とも定員になり次第締め切りとさせていただきますことをあらかじめご了承ください。

申し込み締め切り:2022年11月11日(金)17時00分ご入力分まで

 
 

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